こんにちは、さるあみです。
求人サイトを見ていると必ず見かけるのが『軽作業スタッフ』の文字。
「指示通りに荷物を運んだり、並べるだけのカンタン作業」
「重いものはみんなで運ぶので、力に自信のない方でも大丈夫」
といったような文言をよく見かけますよね。
けど、実際のところ、どうなんでしょうか?
実は私、それを確かめるために、9/2~9/10まで間を『イベント設営・撤去スタッフ』として過ごしてきました。
その上で結論から言ってしまいます。
“未経験者にはおすすめできません”
なぜかというと、『話が違うから』。
求人サイトの仕事内容にはこう書いてありました。
“《未経験OK》カンタン荷運びスタッフ”
9/2~9/10までの期間中に大きなイベントがあり、その設営に携わるのが今回の仕事です。
8日間の勤務。
イベントの規模は大きく、集められた人数も15人を越しました。
他の派遣元からきた方を含めれば30人近かったかもしれません。
ところが、それほど大きなイベントでありながら、8日間のうちの3日間はまったく別の現場に回されてしまいました。
そして、その別の現場設営には、たった6人しか集められなかったんです。
統括者が1人、ベテランスタッフが3人、素人2人(私を含む)。
たったそれだけの人数で、一個のイベントを設営しなければなりませんでした。
そして、その際に求められたものが『テント設営のスキル』。
少人数だからこそ、求められたのは経験者でした。
なぜド素人である私が送り込まれたのかは理解できませんが、この日を忘れることはないと思います。
役立たず。
ただただその言葉がよく似合う1日でした。
ですが、誤解しないでください。それでも言えることがひとつだけあります。
それは、『大人数での現場は楽しい』ということ。
けっして私語全開で仕事できるわけではありません。ほぼ無言です。
仕事量が多くて、軽くはない。
さらに、派遣元の常駐スタッフ以外は初顔合わせ。
ついていくのがやっとで、世間話に花を咲かせる余裕もありません。
ただ、それでも小さな会話が楽しいんです。
『暑いっすね』
『汗止まんないわ』
『疲れたね』
『体いてー!』
ひとつの目標に向かってみんなで汗かいて、みんなで疲れて、みんなで体の痛みを訴える。
ここでしか会えない方々です。
長い人生のなかでほんの一瞬すれ違うだけの仲間です。
薄っぺらいと思うかもしれませんが、それでも同じ方向を向いている仲間なんです。
だから楽しい。
誇りなど必要なんてありません。
熱意もいりません。
ただ、大きなイベントの裏で汗をかく自分たちがいます。
それを経験として大切に思えるのなら、イベント設営の仕事はあなたの天職になり得ます。
ここまで読んでいただいて、『みんなでひとつの目標を達成するのが好きな人』には向いているというのがおわかりいただけたかと思います。
じゃあ、他にはどんな人に向いているのか。
それを詳しく説明していきますので、自分が当てはまっているかどうかの参考にしてみてください。
1、向いている人はこちら
- 力仕事に抵抗のない人
- 期間限定だとしても仕事を覚える気持ちのある人
- また、わからないことを素直に尋ねられる人
- なにもない時間をつぶすのが苦ではない人
- みんなでひとつの目標を達成するのが好きな人
- 経験者
まずは『力仕事に抵抗のない人』。
軽作業の『軽』はけっして『軽い』という意味ではありません。
イベント設営の場合は『重機』を用いらないというだけで、基本的には持つものすべてが重いと思ったほうがいいです。
テーブルやイスを並べる仕事だったとしても、テーブルは『長テーブル』。
イスは限界個数を持つのが常。
テント設営であればパーツごとに紐でくくられてるため、肩で持たなければ負担が大きいです。
テントのサイズ次第では異常に長いパーツもあります。コツを掴まないと体が崩れて大変なことに……。
さらに、骨組みの上からかぶせる天幕。
見た目はただのシーツなので軽そうに見えますが、折りたたむとその厚さと重さに驚かされます。
そして、テントの骨組みを支えるウェイト。これが重い。
『C』のような形をしていて、ひらいている部分を骨組みに挿して固定します。
体感で、1個20kg。
テントの足1本につき2個のウェイト。
片手で1個持つのが当たり前で、かなり僧帽筋に負担がかかります。
同時に、持って歩くことでハムストリングスにもかなりきます。
普段の生活ではなかなか使わない筋肉を使うことになるので、運動経験のない人は覚悟が必要です。
続いて2つ目、『期間限定だとしても仕事を覚える気持ちのある人』。
これは本当に重要です。最重要と言ってもいいかもしれません。
「どうせこの期間だけだし……」
「覚えたところでもう来ないし……」
これではダメです。というか、たぶんその考えだとどこに行ってもダメです。
「本当にやりたいことじゃないし……」
「好きでやってるわけじゃないし……」
といったように、必ず逃げ道をつくる人間になってしまいます。
ただ、今回言いたいのはそういうことではありません。
単純に、統括する側には『このくらいはできて欲しい』という期待があります。
それと同時に諦めの心もあるんです。
「どうせ期間限定できた人だし、こんなもんだろうな」
ただ、それでも本当に欲しいのは『戦力』なんです。『人手』じゃないんです。
覚える姿勢=意欲です。
そして、その姿勢こそが残りの期間のあなたを楽にしてくれます。
わかることは武器です。
何も知らなければ動きは鈍ります。
できない自分に対して『向いていないんだ』と思うようになります。
この仕事に応募する前に気づくならいいんです。
けど、もう仕事に入っているのなら『やる・やらない』の世界。
『向いてる・向いてない』は終わりまで置いておかなければなりません。
だから、『やりきるために』仕事を覚えようとする人には向いています。
そして3つ目、『わからないことを素直に尋ねられる人』。
これは2つ目の続きになります。
職人の世界ではよく『技術は見て盗む』と言いますが、この仕事の場合は聞いたほうがいいです。
ベテランの方々は流れるように動きます。
聞ける雰囲気じゃないな……と思っても、流れるような動きを一度見ただけでは覚えられません。
何より、ベテランの方々ってやさしいんです。
怖じけずに思いきって尋ねちゃいましょ。
それができる人には向いている仕事ですよ。
さらに4つ目、『なにもない時間をつぶすのが苦ではない人』。
これが意外と重要になってきます。
“コミュ力”を持てという話ではありません。
こういった仕事の場合、力仕事なので合間に体を休める機会が多いんです。
さらに、資材がとどくのを待つ時間だったり、資材をのせるためのトラックを待つ時間だったり、待ち時間もかなりあります。
その時間をいかにしてつぶすか、です。
たとえば、
「資材を載せたトラックが遅れているから、来るまで休憩で」
と言われたらあなたはどうしますか?
いつ来るかわからないから一時帰宅もできません。
みんなで事務所から一台の車に乗ってきた場合は、行き先に自由はありません。
ベテラン数人と未経験者が数人。同じハイエースに乗って休憩するとしたら、はたして会話は弾むでしょうか?
これがなかなか難しい。
だからこそ、空き時間をつぶす能力が必要なんです。
スマホを見てたっていい。本を読んでたっていい。寝てたっていい。
なんでもいいです。
退屈を苦痛に感じない術をもってください。
それが、期間を乗り切るための一助となってくれますから。
そして、5つ目、6つ目は言わずもがなです。
2、向いていない人はこちら
向いている人の逆が、向いていない人です。
- 軽作業が文字どおり軽いものを扱う作業だと思っている人
- 理由をつけて仕事を覚える気のない人
- わからないのに尋ねられない人
- 退屈がただただ苦痛な人
- ひとりでモクモクと作業したい人
- 未経験者
やっぱり仕事を覚える気のない人って、見ればわかってしまうものです。
わからないことをそのままにしている人もそうですし、返事に覇気がない人もそう。
「あ、この仕事に興味ないな」
というのが態度に見えます。
そういう人は自然と放っておかれますし、期待されることもありません。
そういう扱いをされると、みずから望んだことだとしても居心地を悪く感じてしまいますよね。
今日で終わりならいいかもしれません。
けど、まだ続くのなら、自分から居場所をなくすことなんてしない方がいいです。
そして、退屈が苦痛な人。
かなりしんどいです。
知らない人たちの中でいかに時間をつぶすかが肝になってきます。
私は竿燈の設営スタッフのときに学びました。
1人でも話せる相手をつくる大切さを。
もし可能なら、たった一言でいいから声をかけてみてください。
それが期間中のあなたを救ってくれますよ。
あとはやっぱり『未経験者』。
どれだけ『未経験者OK』と書いていようと、経験者であったほうがいいのは当然です。
求人内容をよく読んで、イベントの規模がどれくらいのものなのかをしっかりと把握しましょう。
大規模なイベントであれば未経験者が多数を占めます。
狙うならそこがベストですよ。
3、まとめ:派遣だろうとバイトだろうと、経験しなきゃ見えないこともあります
言ってしまえば、向き不向きはやってみなければわかりません。
私の身長は163cm。体重は58kg。中肉中背。
スポーツからは15年以上離れており、仕事も小売業でパワー系とは言えません。
この時点で『不向き』。
やる気だけではどうにもできない壁があります。
ですが、それでも期間を休むことなく駆け抜けることができました。
だから、誰でもできます。
やるか、やらないか。それだけです。
未経験者なんだから役には立てないです。
けど、役に立ちたいと思うことはできます。
そして、その気持ちは周りにも伝わります。
役に立てない自分を責めてしまう人にはおすすめしません。
最初にお伝えした“未経験者にはおすすめしません”というのには、そういった意味もあります。
ですが、役に立てない自分を認められる人には強くおすすめします。
転職活動の合間、迷っているならやってみてはいかがでしょうか。
その際は求人内容にしっかりと目を通してくださいね。
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だって、仕方なくやる仕事が楽しいわけないんですから。
それでは、さるあみでした。
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