こんばんは、さるあみです。
前回、こんな記事を書きました。
せっかく県央(沿岸側)の蔵元紹介をしたのだから、県北もやってみようと思い筆をとってしまいました。
県北。
それも、十和田湖側となるとこの2つ。
いずれの土地もやはり豪雪地帯であり、酒造りに適した地です。
今回はこの2つの蔵に絞ってご紹介していきますね。
スーパーでの売上NO.1!言わずと知れたコスパ最強酒『北秋田』を生んだ蔵元『(株)北鹿』
そうです、あの北秋田です。
まったく存ぜぬという方はこちらの記事をご覧ください。
【衝撃】1000円でお釣りがくる大吟醸。北鹿酒造『北秋田 大吟醸』【給料日前は神酒です】 - 秋田の日本酒、はじめませんか?
こちらの創業はなんと1944年!
設立は、北秋田郡と鹿角郡の21業者、8つの工場が合同で起こしたものです。
『北鹿』の由来は、双方の郡の頭文字から。
もうひとつの理由として、北の野生鹿の躍り出る勢いにあやかりたいという思いが込められています。
実際、創業から70年あまり。
コストパフォーマンスにおいて群を抜く『北秋田』は味の面でも評価され始め、賞を受賞するほどです。
“いつもの食卓に大吟醸”
平成に入ってからの全国新酒鑑評会では金賞16回。
地力の高さが知れます。
北鹿の製法は『秋田流生もと仕込み」と呼ばれ、伝統の製法を改良したものです。
さらに良質なお米と、湧き水の産地である大館の大地。
これらが合わさり、コストだけでなく味にすら定評を得てしまうのが北鹿のすごいとこです。
代表銘柄はもちろん『北秋田』。
そして『雪中貯蔵』。
突然ですが、みなさんは雪中貯蔵が生まれたきっかけをご存知ですか?
雪中貯蔵のヒントはなんと、野菜の保管にあったんです。
冷蔵技術がない時代、野菜は雪に埋めて保管していました。
苦肉の策といえばそうですが、これが困ったことに野菜に良い。
雪に埋めておくとうましが増し、さらにみずみずしい。
この事実に気づいた蔵人たちが、日本酒の貯蔵に応用できないかと考えたのが始まりです。
雪中のタンクは常に0℃。
しぼりたてをフレッシュな状態で貯蔵し、2か月待ちます。
すると、フレッシュな香りはそのままにして、まろやかな日本酒ができあがるのです。
これがうまい。うまいんです。
私も感想記事を書きましたが、ひやおろしのようなカドの取れ方に驚愕しました。
しかも価格が、300mlで400円前後。
㍉リッターあたり1.3円の世界です。
まさに雪国の酒。
雪を味方につけた日本酒と呼べるのではないでしょうか。
■アクセス
見学 不可
大館といえば、伝統工芸品である『曲げわっぱ』や2月のアメッコ市。
そしてなんといっても、あの忠犬ハチ公のふるさとです。
北鹿を堪能できるお店もありますし、観光にはもってこいですよ。
このブログの根幹にある日本酒。チトセザカリ2種は、ビギナーにおすすめしたい最高の2本。
現段階において、日本酒ビギナーにおすすめしたい秋田の日本酒と呼びたい日本酒。
チトセザカリを醸す、千歳盛酒造。
1872年に創業し、戦前には全国清酒品評会において“名誉賞”を受賞するほど優れたお酒をつくってきました。
現在の名前の前は、かづの銘酒。
地元密着型の蔵として、地域住民に愛されてきました。
代表銘柄は、チトセザカリ、千歳盛、佐多六。
同蔵は、後継者がおらず『半兵衛』で有名なドリームリンクが事業を引き継ぎました。
そしてさらに、全国きき酒選手権での優勝経験をもつ工藤功一氏を迎えることで新体制となります。
「小さく大事に育てる」
「地域に愛される酒をめざして」
きっとこの志も引き継いでのスタートかと思います。
先人、地域すらも背負っての再出発。
そうして生まれたチトセザカリは、私にとって衝撃でした。
どちらも記事にしているので、そちらを読んでいただければ私のテンションにひくことと思います。
ワイングラスで香りがうまい!『チトセザカリ 純米吟醸 美郷錦』 - 秋田の日本酒、はじめませんか?
秋田の酒といえば? いずれはその答えになる。『チトセザカリ純米吟醸 秋田酒こまち』 - 秋田の日本酒、はじめませんか?
2本とも素晴らしい日本酒でした。
ここで一言二言で片付けるのも恐れ多いので語りません。
ただ、ひとつだけ言えることがあります。
チトセザカリは、“日本酒ビギナーにおすすめしたい秋田の日本酒”と呼びたい日本酒だということです。
見かけたらぜひ、冷やして飲んでみてくださいね。
■アクセス
見学 1月~3月の平日午後 要予約
TEL 0186-23-2053
まとめ
県北にはコスパと味の化物がおるばい。
豪雪地帯を弱みと受け止めずに、味方につける。
その姿勢が生んだ銘酒の数々は、きっとこれからも我々を惹きつけます。
飲めるお店が近くにあればぜひ。
買えるお店が近くにあればぜひ。
この記事をきっかけに、興味をもってくれた方がいると嬉しいです。
それでは、今回はこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
みなさん、よい晩酌を!!
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