あきたさけ!

秋田に生まれて36年。秋田市のカフェ、地酒、お得な情報をお届けします。

【本荘 純米吟醸】の評価・レビュー:うまみの裏に透明感!

本荘 純米吟醸の評価・レビュー!

こんばんは、さるあみです。

 

突然ですが、あなたは『PB』という略称をご存じでしょうか?

 

PBとは、プライベートブランドの略。

日本酒の世界でいえば、酒屋さんが個人で有しているオリジナル銘柄のことを指します。

たとえば、川元開和町にある『酒のこん』さんの『あえさ』。

通町にある『後藤酒店』さんの、『千代緑 原水仕込み』などがPBにあたります。

 

今回紹介していく『本荘』もそうです。

この流れで「今回のお酒とはまったく関係ないんですけどね(笑)」とはいえません。

お問い合わせが賑やかに燃えそうですし、何よりあなたが読まずに帰ってしまう可能性があります。

 

なので、『本荘』も間違いなく、しっかりとPBです。

それも、侮れないPBなんです。

 

PBゆえに情報のない日本酒ですが、わかっていることと私の感想を交えて紹介していきます。

ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね。

それでは、いってみましょう。

 

 

『地酒の村井』のプライベートブランド、『本荘』ってどんなお酒?

『本荘 純米吟醸』は、由利本荘市にあった地酒屋。『地酒の村井』さんのプライベートブランドです。

「あった」と過去形にしましたが、閉店はしていません。

現在は、秋田市山王にてリニューアルオープン。

県外酒を中心とした豊富なラインナップをひっさげて、秋田市の酒飲みを楽しませてくれています。

 

そんな『地酒の村井』さんの『本荘』。

実は、まったく侮れません。

 

というのも、酒造りの委託先が、県下一、二を争う知名度だからです。

あなたもきっと知っているはず。

名を、

 

“齋彌酒造店”

 

あの『雪の茅舎』をかもす、秋田を代表する酒造です。

 

『本荘』は、造りが吟醸。米は兵庫県山田錦を100%使用しています。

 

精米歩合純米吟醸らしく、55%。

ですが、ただの55%ではありません。

55%とはあくまでも掛米の数値で、麹米は45%まで磨かれているんです。

精米歩合は低いほうで表記しなければならないので55%ですが、『本荘』は裏側でちょっと贅沢。

スペックだけでいえば、あの『美酒の設計』にも勝ります。

 

さらに、価格も侮れません。

720ml:1,990円(税込み)は、なかなかのリーズナブル。

原材料の高騰により各酒造が100円~値上げしていくなかで、税込み2,000円以下というのはうれしい価格ですよね。

 

この価格について、『地酒の村井』さんはこのように話してくれました。

 

「利益は考えていないんです。ただおいしい日本酒を飲んでほしいだけで」

 

まさにお客様ファーストで、素敵な考え方だと思います。

コロナ禍で苦しんできたはずなのに、志に一切のブレはありません。

正直、感動してしまいました。

 

そして同時に、もっと知られるべきお酒だと感じたんです。

 

(感想)まごうことなき良い酒!ジワッときます

まず最初に、謝罪させてください。

 

さっきからずっと“侮れない”“侮れない”などと上から目線で伝えてきました。

まるで、PBへの期待が弱いかのような言い回し。

本当に申し訳なく思います。

というのも『本荘』……侮れないなんてものではありません。

 

すんごくおいしい。

 

ほんのり辛口で、甘みのなかにあるうまみが深いんです。

「うまみが深い」といわれると、濃い味わいを想像するかもしれません。

 

ところがどっこい。

どっこいです。

 

うまみの裏に、透明感があるんです。

だから、重くない。

やわらかなうまみが、唇に触れた時点からはじまります。

 

余韻にはやや渋み。

それが辛さの代わりとなって、味わいを引き締めてくれています。

 

山田錦』の実力、『齋彌酒造店』の地力。

そして、それをリーズナブルな価格で提供してくれる『地酒の村井』の気概。

すべてが合わさって存在している、素敵な1本でした。

 

『本荘 純米吟醸』の商品情報

  • 原料米:兵庫県山田錦100%
  • 精米歩合:55%(掛米55%、麹米45%)
  • アルコール分:16度
  • 日本酒度:+2.6
  • 酸度:1.4
  • 価格720ml:1,990円

 

まとめ:もっと大々的に知られてほしいけど、内緒にもしていたい……

これってジレンマで、穴場的なお酒を見つけると“自分だけの楽しみ”にしたい気持ちが湧いてきます。

『知る人ぞ知る』の『知る人』側でありたいと思ってしまうんです。

が、それではいけません。

 

とある居酒屋で飲んだときの、あの感動。

同日飲んだ『美酒の設計』よりも好みで、一度は由利本荘に行かねばと思わせてくれました。

そのお酒がいま、秋田市で買えます。

 

心が動いたお酒は、紹介しないわけにはいきません。

 

秋田市に移転されたことで、『本荘』という銘柄がどうなるのかはまだわかりません。

ですが、まだあるのならあるうちに。

他ならぬあなたに、ぜひぜひ一度は飲んでいただきたい1本です。

 

この記事に辿りついたあなたが、素敵な夜を過ごされることを祈って。

今回はこのへんで失礼しますね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

※地酒の村井さんでは、

 

  • ゆきの美人
  • 春霞
  • 山本
  • 花邑

 

などの秋田の地酒が購入できます。

『本荘』目当てといかなくとも、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。