こんばんは、さるあみです。
突然ですが、あなたは『PB』という略称をご存じでしょうか?
PBとは、プライベートブランドの略。
日本酒の世界でいえば、酒屋さんが個人で有しているオリジナル銘柄のことを指します。
たとえば、川元開和町にある『酒のこん』さんの『あえさ』。
通町にある『後藤酒店』さんの、『千代緑 原水仕込み』などがPBにあたります。
今回紹介していく『本荘』もそうです。
この流れで「今回のお酒とはまったく関係ないんですけどね(笑)」とはいえません。
お問い合わせが賑やかに燃えそうですし、何よりあなたが読まずに帰ってしまう可能性があります。
なので、『本荘』も間違いなく、しっかりとPBです。
それも、侮れないPBなんです。
PBゆえに情報のない日本酒ですが、わかっていることと私の感想を交えて紹介していきます。
ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
- 『地酒の村井』のプライベートブランド、『本荘』ってどんなお酒?
- (感想)まごうことなき良い酒!ジワッときます
- 『本荘 純米吟醸』の商品情報
- まとめ:もっと大々的に知られてほしいけど、内緒にもしていたい……
『地酒の村井』のプライベートブランド、『本荘』ってどんなお酒?
『本荘 純米吟醸』は、由利本荘市にあった地酒屋。『地酒の村井』さんのプライベートブランドです。
「あった」と過去形にしましたが、閉店はしていません。
現在は、秋田市山王にてリニューアルオープン。
県外酒を中心とした豊富なラインナップをひっさげて、秋田市の酒飲みを楽しませてくれています。
そんな『地酒の村井』さんの『本荘』。
実は、まったく侮れません。
というのも、酒造りの委託先が、県下一、二を争う知名度だからです。
あなたもきっと知っているはず。
名を、
“齋彌酒造店”
あの『雪の茅舎』をかもす、秋田を代表する酒造です。
『本荘』は、造りが吟醸。米は兵庫県産山田錦を100%使用しています。
ですが、ただの55%ではありません。
55%とはあくまでも掛米の数値で、麹米は45%まで磨かれているんです。
精米歩合は低いほうで表記しなければならないので55%ですが、『本荘』は裏側でちょっと贅沢。
スペックだけでいえば、あの『美酒の設計』にも勝ります。
さらに、価格も侮れません。
720ml:1,990円(税込み)は、なかなかのリーズナブル。
原材料の高騰により各酒造が100円~値上げしていくなかで、税込み2,000円以下というのはうれしい価格ですよね。
この価格について、『地酒の村井』さんはこのように話してくれました。
「利益は考えていないんです。ただおいしい日本酒を飲んでほしいだけで」
まさにお客様ファーストで、素敵な考え方だと思います。
コロナ禍で苦しんできたはずなのに、志に一切のブレはありません。
正直、感動してしまいました。
そして同時に、もっと知られるべきお酒だと感じたんです。
(感想)まごうことなき良い酒!ジワッときます
まず最初に、謝罪させてください。
さっきからずっと“侮れない”“侮れない”などと上から目線で伝えてきました。
まるで、PBへの期待が弱いかのような言い回し。
本当に申し訳なく思います。
というのも『本荘』……侮れないなんてものではありません。
すんごくおいしい。
ほんのり辛口で、甘みのなかにあるうまみが深いんです。
「うまみが深い」といわれると、濃い味わいを想像するかもしれません。
ところがどっこい。
どっこいです。
うまみの裏に、透明感があるんです。
だから、重くない。
やわらかなうまみが、唇に触れた時点からはじまります。
余韻にはやや渋み。
それが辛さの代わりとなって、味わいを引き締めてくれています。
『山田錦』の実力、『齋彌酒造店』の地力。
そして、それをリーズナブルな価格で提供してくれる『地酒の村井』の気概。
すべてが合わさって存在している、素敵な1本でした。
『本荘 純米吟醸』の商品情報
まとめ:もっと大々的に知られてほしいけど、内緒にもしていたい……
これってジレンマで、穴場的なお酒を見つけると“自分だけの楽しみ”にしたい気持ちが湧いてきます。
『知る人ぞ知る』の『知る人』側でありたいと思ってしまうんです。
が、それではいけません。
とある居酒屋で飲んだときの、あの感動。
同日飲んだ『美酒の設計』よりも好みで、一度は由利本荘に行かねばと思わせてくれました。
そのお酒がいま、秋田市で買えます。
心が動いたお酒は、紹介しないわけにはいきません。
秋田市に移転されたことで、『本荘』という銘柄がどうなるのかはまだわかりません。
ですが、まだあるのならあるうちに。
他ならぬあなたに、ぜひぜひ一度は飲んでいただきたい1本です。
この記事に辿りついたあなたが、素敵な夜を過ごされることを祈って。
今回はこのへんで失礼しますね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※地酒の村井さんでは、
- ゆきの美人
- 春霞
- 山本
- 花邑
などの秋田の地酒が購入できます。
『本荘』目当てといかなくとも、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。