こんにちは、さるあみです。
みなさん、雪の茅舎といえば限定品を除けばこちらの3種類が有名ですよね。


この3本は通年商品であり、入手難易度も低くなっています。
けど、いきなり3本全部買おうって人はあまりいませんよね。
味や評判がわからないのに購入するのは勇気がいります。
ということで今回は、主観の感想もふくめて3本の情報をまとめつつ、比べてみたいと思います。
選ぶ際の参考になれば幸いです。
それではいってみましょう。
この3本……数字上の違いはどこにある??
まずはわかりやすく商品スペックを比べていってみましょう。
雪の茅舎 山廃純米
- 原料米:山田錦・秋田酒こまち
- 精米歩合:65%
- 日本酒度:+1
- 酸度:1.8
- 酵母:自社培養酵母
- アルコール度:16~17度
- 飲み方:冷からぬる燗まで幅広く
- 保存方法:常温
- 参考価格:720ml 1,296円
雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸
雪の茅舎 純米吟醸
大きな違いは2.精米歩合、4.酸度、7.飲み方にあり。
ほとんどが同じスペックですが、大きな違いが3点ありましたね。
2の精米歩合。
こちらが山廃純米のみ65%と低精白。他2つは55%と、純米吟醸らしい数字になっています。
そしてこの数値は、7の飲み方にも影響を及ぼします。
低精白の日本酒は温めることで風味が増すんです。
香りにも味わいにふくらみが出て、ボリューム感を愉しむことができます。
さらに、辛いものはより辛く。甘さは若干抑えられるという特徴も。
これは激辛料理なんかにも言えますよね。
アツアツだと辛さをより強く感じてしまいます。
そういった要因もあり、低精白である山廃純米のみがぬる燗まで楽しめる仕様となっています。
そして4番。酸度。
この数値が高いほど甘みを感じづらくなり、低ければスムーズな甘さを感じることができます。
今回の3本でいえば純米吟醸。
純米吟醸のみが酸度1.5と、若干低めの数値となっています。
つまり、日本酒度は3本とも同じだけれども、酸度の低い純米吟醸だけがより甘みを感じやすくなっていると言えます。
まとめてみますね。
飲み方の幅広さは、山廃純米。
スムーズな甘みを感じたいのであれば、純米吟醸。
中口の味わいを楽しみたいのであれば、秘伝山廃。
そして、実際に飲んだ感想を短くまとめてみるとこうなります。
香りにくっきりとした酸味のある黒ラベル『山廃純米』
香りには山廃らしく低精白らしく、くっきりとした酸味があります。
米由来というよりは、フルーツめいたものです。
口にふくむと雑味はなくて、質の高い素直な辛口。
それを酸味でコーティングしているようなイメージを感じます。
飲み飽きしない。
舌が疲れない。
もういいかな……とならない。
そんな、毎日飲める山廃らしい日本酒でした。
精米歩合10%の差が見せるうまみの広がり『秘伝山廃』
こちらは、香りの酸味がおだやか。
先の『山廃純米』に比べると控えめです。
精米歩合10%の差が生んでいるのか、味わいは若干ジューシー。
口当たりのやわらかさでいえば、不思議と『山廃純米』のほうがやわらかいです。
ゆっくりと味わうと、『熟成』とも『若さ』ともとれる独特な香味を感じることができます。
つんと広がるうまみは、まろやかで中口を言えそう。
水風船を落として割ったかのような味の広がり『純米吟醸』
ミニトマトを噛んだときのような、弾ける感覚。
とかく濃厚なうまみが、舌全体に一気に広がります。
どぶん、と濃厚に舌を覆うんです。
そして、たしかに感じる強いアルコール感。一杯目に飲むと感じやすい強さがあります。
舌が飲み慣れてくるとジューシーさが際立って、飲みやすくてすーいすいっ。
スッキリなだけではない大きなうまみが、うまいの一言です。
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
ほぼ同じスペックの3本なのに、出てくる感想がまるで違いますよね。
そのときの食事、飲み方、体調。
あらゆるものに左右される繊細な生き物。
それが日本酒です。
身も蓋もない話ですが、誰かの感想よりも自分の感想。
自分がどう感じるかが一番重要です。
気になった蔵の気になった1本を飲み、そこから蔵を掘り進む。
そうやって開拓していく方がひとりでも増えてくれれば、私のブログにも意味はあるのだろうと思えます。
それでは、今回はこの辺で。
みなさん、ここまで読んでいただきありがとうございます。
よい晩酌と、よい開拓を。
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