あきたさけ!

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【ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦】の評価・レビュー:若いのに大人の味!

ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦の評価・レビューまとめ

こんばんは、さるあみです。

 

ゆきの美人の季節限定品といえば、どうしても

 

  • 吟醸
  • 秋生
  • しぼりたて生

 

あたりが有名ですよね。

毎年、四季を告げる生酒として楽しまれています。

 

ですが、忘れてはいけないのが、時期を決めて発売される“火入れ”のお酒です。

今回紹介していく『美郷錦』もそう。

 

例外を除けば、生酒は1月に。

火入れは10月に、それぞれ発売されています。

 

ただ、あまり言いたくはないのですが、影が薄い。

おなじような時期に発売される『山田錦』や『愛山』、そして冬限定の『しぼりたて生』の存在が大きすぎるんです。

 

山田錦』といえば、いわずと知れた酒米の王様。

『愛山』もまた希少な酒米として注目されています。

さらにどちらも、酵母は6号酵母と、最古の酵母で個性を出しています。

 

そして、12月の生酒。『しぼりたて生』

酒屋さんとしても「このお酒を待っていたんだ!」というお店は多いのではないでしょうか。

師走を告げる生酒が、冬のゆきの美人の恒例となっています。

 

だからこそ、『美郷錦』は影が薄い。

個性的な面々と冬の生酒に隠れてしまっているように思えてなりません。

もったいない。

これではあまりにももったいないです。

 

というわけで今回は、火入れの美郷錦についてふれていきます。

実際に飲んでみた感想がメインになるので、ぜひあなたの日本酒選びの参考にしてみてくださいね。

それでは、いってみましょう。

 

 

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』ってどんなお酒?

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』は、秋田市にある秋田醸造がつくる季節限定の1本です。

 

秋田醸造といえば必ず話題にあがるのが、“マンションの1階が醸造所”というところ。

秋田県ではもっとも小さな酒造として知られていて、一度に仕込める量が少ないことでも有名です。

 

そのため、季節限定品は、文字通りの限定品。

ひとつのタンクから造れる量が限られているため、ひとつのお酒の出荷量もまた限られます。

 

さて、そんな秋田醸造の『美郷錦』ですが、注目してほしいのは以下の点です。

 

  • 全量『美郷錦』
  • 精米歩合50%
  • 日本酒度が不安定

 

まず、使用米が『美郷錦』のみです。

よく裏ラベルで見かける『○○20%・○○80%』のような造りではなく、美郷錦が100%。

秋田の酒米『美郷錦』だけで出した味わいが楽しめます。

 

さらに、精米歩合

精米歩合がおもしろいところで、50%の純米吟醸となっています。

50%とは、酒米を半分けずったということ。

酒造によっては『純米大吟醸』と表記するところもあるほど、分類の分かれ目となる数値です。

 

そして3つめの、日本酒度が不安定。

これはデメリットになってしまうのですが、日本酒度がその年によってちがいます。

それも、割と大きくちがいます。

参考までに、2020年冬に飲んだものと2022年初頭に飲んだものの数値がこちらです。

 

  • 2020年冬:+9
  • 2022年初頭:+5

 

辛口と大辛口ほどの差があるため、「うまい!」と感じても来年おなじ味わいに出会えるかがわかりません。

そのため、投稿者泣かせの1本ともいえます。

正直にいうと、私はこの差があるのでレビューを避けていました。

 

「このお酒はこんな味でした!」

 

と絶賛しても、来年まったくちがう味わいのが出ると意味がありませんもんね。

なので、私としても“難しいお酒”というイメージが拭えません。

 

ですが、それでもレビューするのには理由があります。

それは、+5あたりが『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』の中間だと考えたからです。

ベースの味わいとして、ここを押さえておけばいいのではないかと思いました。

 

というわけで、味の感想にいっちゃいましょう。

 

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』の感想は?

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』の味わいをひとことで表すのならこうなります。

 

“大人の味”

 

まず香りは、刺激的ではじけるよう。

強いわけではないのに、苺のような芯のある華やかさが確かに香ります。

 

味わいは、甘さひかえめの美郷錦といえばいいでしょうか。

火入れでも若々しく、ちいさなガス感があります。

これはゆきの美人自体がもつ個性でもあって、年間とおして仕込めるがゆえの新鮮さです。

熟成感はありません。

まったくないので、明るい舌ざわりが楽しめます。

 

そして、美郷錦らしさという部分。

これは良くも悪くもといった感じで、美郷錦の苦みあるフルーティーさがよく出ています。

ひかえめな甘みに、美郷錦らしい苦みが乗っています。

 

ただ、『ひかえめな甘み』という部分が大きなポイントかもしれません。

というのも、甘みが少ないので苦みがやや強調されているんです。

若い酒がもつ特有の苦みと、美郷錦のもつフルーティーな苦み。

どちらもが合わさって、苦みの酒というイメージにまとまっています。

 

なので、大人の味。

 

やや甘く、やや辛く、ゆきの美人らしい酸を残しつつ、やや苦い。

そんな、大人が巡る人生のような1本でした。

 

ちなみに、ちょっと細かい飲み方ですが、開けたその日よりも、2日目、3日目。

日を空けたほうが飲みやすく、シンプルにおいしいと感じました。

 

なので、『若さがなくなったときの味わい』が気になります。

寝かせたときの味わい。

苦み渋みがなくなって味が落ちついたとき、とんでもなく大化けするのではないでしょうか。

正直、ワクワクがとまりません。

私の月の予算にさえ余裕があれば、もう1本買って寝かせてみたいとすら思います。

 

とはいえ、買い手としては、

 

“買って帰って開けた日がベストタイミング”

 

であってほしいものですよね。

だからこそ、おもしろいけど評価のタイミングが難しい1本でした。

 

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』の商品情報

  • 使用米:秋田県産美郷錦100%
  • 精米歩合:50%
  • アルコール分:16度
  • 日本酒度:+4~+9

 

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』の評価・レビュー:まとめ

最後に、ここまでの情報をまとめていきましょう。

 

『ゆきの美人 純米吟醸 美郷錦』は、

 

  • 全量『美郷錦』
  • 精米歩合50%だけど純米吟醸
  • 価格も純米吟醸クラスに抑えている
  • 日本酒度が不安定
  • 香りには芯のあるフルーティー
  • 味わいには、若さと美郷錦があわさった苦み
  • ひかえめな甘みと酸で飲ませる
  • 開栓2日目がべらぼうにおいしい

 

そしてこれは、ゆきの美人の名誉のためにお伝えしておきたいのですが、『日本酒度が不安定』というのはゆきの美人が悪いという話ではありません。

小さく仕込む蔵にはあり得ることなんです。

 

というのも、仕込みのタンク自体が小さいんです。

なので、おなじお酒の仕込みでも、タンクを2つ、3つに分けて仕込むことがあります。

 

おなじ月、おなじ日に仕込み始めるのなら、おなじお酒が出来上がるのかもしれません。

ですが、かならず仕込み始めはズレます。

なぜなら、“一種類のお酒だけを造っているわけではないから”です。

 

通年の商品や、次の季節商品など、酒造は常に動いています。

そんななかでおなじお酒を仕込むとなれば、時期はズレ、気温や湿度も変わり、まったくおなじお酒をつくるのは困難です。

生き物を相手にしている以上、かならずどこかで誤差は出ます。

 

なので、数値のズレは起こり得ること。

 

そう覚えておいていただけるとうれしいです。

 

ではでは、今回はこのへんで。

この記事があなたの日本酒選びの参考になってくれるとうれしいです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

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