「辛口でおいしい秋田の地酒がほしい」
「NEXT5から辛口でおすすめの1本があれば知りたい」
本記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんにちは、さるあみです。
あなたは日本酒度をみて、何度くらいから辛口だと判断しますか?
私は+4度あたりから辛口だと思って買います。
+6度でけっこうな辛口だと考えますし、+8度あたりで飲めるか不安になります。
そんな私が今回、こんなお酒に出会ってしまいました。
日本酒度+10。
二桁にのったお酒というのは、なかなか見かけませんよね。
見かけるときは決まって、ラベルに『辛口』『超辛口』のような、辛さをアピールする文字がついてきます。
ところが、今回ご紹介するお酒にはそれがありません。
通称『山田6号生』。
裏ラベルにひっそり『+10』とだけ書かれた、秋田醸造の日本酒です。
この記事では、酒米と酵母にふれながら、飲んだ感想をまじえてレビューしていきます。
もし、あなたの目の前に『山田6号生』があって買うか迷っているのでしたら、間違いなく『買い』です。
その理由はこの記事にありますので、最後まで楽しんでいってくださいね。
- 【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】ってなに?
- 【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の味は?
- 【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の商品情報
- 【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の感想・評価:まとめ
【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】ってなに?
より正式な呼び方をするのなら『ゆきの美人 純米吟醸 山田錦 6号酵母 生酒』となるのですが、長い。長いです。
『こち亀』くらい略したくなります。
そんな、名前の長さだけで疲れを感じてしまうこの1本。
気になる単語がいくつか出てきますよね。
おもな産地は兵庫県で、全国作付面積は堂々の第1位。
一時期、コンテストに出す日本酒といえば、山田錦がつかわれているものがほとんどでした。
日本酒業界には『YK35』という言葉があります。
『Y』は山田錦の『Y』。
『K』はきょうかい9号酵母の『K』。
『35』は精米歩合を『35%』まで高めること。
この上記3つの要素を満たせば、コンテストで金賞がとれると言われていました。
そのくらい山田錦は高品質な日本酒づくりに欠かせないものだったんです。
そして、『6号酵母』。
こちらは新政酒造で発見された“現存する最古の酵母”です。
特性としては、発酵力の強さ。
そして、おだやかな香りがあります。
個人的な見解を述べさせてもらうと、6号酵母は酸味においても強い特性をもっているように感じます。
なぜなら、新政のお酒に感じるのは酸のうまみ。
そして、今回ご紹介する『ゆきの美人 山田6号生』もまた、美しい酸味があるからです。
もちろん、酵母だけで味が決まるわけではありません。
ただ、一因として大きな意味があるのではないかと考えています。
【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の味は?
『ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒』の味わいをひとことで表すとこうなります。
“しっかりとした辛さと美しい酸味を兼ねそなえた、丸みのある1本”
まず、口当たりに丸みがあります。
味わいにはしっかりとした辛さと美しい酸味。
なにせ、日本酒度はおどろきの+10度です。
裏ラベルの数値を読んで、そっと冷蔵庫に戻したくなりました。
ですが、これは買って正解。
+10度の辛口でありながらも、キレだけが勝ることはありません。
辛さに消されることなく、しっかりとうまみ、コクがあるんです。
さらに、やがて舌が辛さに慣れてきます。
そうなると今度は酸味がいい。
酸味がうまいです。
辛いだけの日本酒は硬さがあって得意ではないのですが、この『ゆきの美人 山田6号生』にはやわらかさを感じました。
買うと決めてよかった。
そう思える1本に出会えました。
【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の商品情報
火入れの山田6号もあるのですが、今回紹介しているのは生酒となります。
常温ではなく、かならず冷蔵庫で保管するようにしてくださいね。
【ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒】の感想・評価:まとめ
最後にもう一度、『ゆきの美人 山田錦 6号酵母 生酒』の味わいをひとことにまとめておきましょう。
“しっかりとした辛さと美しい酸味を兼ねそなえた、丸みのある1本”
ラベルには高級感もあり、プレゼントとしても喜ばれるかと思います。
ただ、生酒にありがちなのが『温度差でかく汗』です。
ちょっとした温度差でボトルが結露をおびてしまい、場合によっては、表ラベルが水を吸って浮いてきます。
プレゼントに大切な外観を損なう可能性がありますので、誰かに贈るときは温度差を気にかけてくれるお店をご利用ください。
「辛口が好き」
「辛ければ辛いだけ良い」
そんな方はもちろんですが、
「あまり辛口なのはちょっと……」
という方にもおすすめできる日本酒でした。
余談ですが私は、720mlを買った翌日に1.8Lを人からいただいてしまいました(笑)
まだ720mlに手をつける前だったので、「2.5Lも飲めるか……?」と不安を覚えたものです。
ところが、驚きの飲みやすさにグラスがスイスイと進んでいます。
まだ残ってこそいますが、
「まだこんなにある……」とネガティブに感じるのではなく、
「まだこんなに飲める!」とポジティブに受けとめています。
それくらい、飲みやすい日本酒でした。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
よい晩酌を!
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