「世界6位の天寿酒造から1本紹介してほしい」
「やさしい味わいの日本酒が飲みたい」
今回の記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんにちは、さるあみです。
2019年、衝撃のニュースが秋田県内を駆けめぐりました。
“天寿酒造が世界酒蔵ランキング6位に”
ただの酒蔵ランキングであれば驚きは少なかったかもしれませんが、『世界』といわれるとスケールの大きさを感じますよね。
このランキングの基準となったのは、全体の優劣。
ひとつの日本酒が評価されたのではなく、いくつもの日本酒が賞を獲得したことが評価された結果です。
いわば、酒蔵自体の質が認められた証にほかなりません。
今回は、そんな天寿酒造から1本。
【天寿純米吟醸 壱花蔵】をご紹介していきます。
秋田市内のスーパーでも買うことができるので、手にいれるのはわりとカンタンです。
むしろ、逆に酒屋での取り扱いが少ないため、灯台もと暗しなお酒ともいえます。
「さすがにスーパーにはないよなぁ……」
という先入観を投げ捨てて探していただきたい1本です。
どうぞ、最後までゆっくりしていってくださいね。
『天寿純米吟醸 壱花蔵』とは?
『天寿純米吟醸 壱花蔵』は、実はちょっと特殊な日本酒です。
酵母といえば、『きょうかい〇〇号』だの『熊本酵母』だの『金沢酵母』だの、さまざまありますよね。
『壱花蔵』につかわれている酵母の名前は『AB-2』。
アベリアという花から抽出した酵母でつくられているのが特徴です。
アベリアは香りの強い花として知られており、春から秋まで長く花を咲かせます。
『壱花蔵』には、アベリアのもつ『香りの強い花』という点が大きく反映されているので、女性にもおすすめな1本となっています。
つづいて、味をみていきましょう。
『天寿純米吟醸 壱花蔵』の味は?
『天寿純米吟醸 壱花蔵』の味わいをひとことで表すとこうなります。
“甘みと酸味がやさしく香る、やわらかいお酒”
公式には『艷やかな香りとまるく膨らみのある味わい』とあるのですが、実際に飲んでみた感想は少しちがいました。
香りは、ツンとするほど強くは感じません。
ただ、甘みと酸味を包みこんでいるのが伝わってくる香りです。
花のようといえば、確かにそうかもしれません。
味わいは、包みこんでいるものがそのまま舌に届きます。
ほんのりとした甘みと酸味。
後味にキレはなく、ゆっくりと水に戻っていくような感覚を覚えました。
「ここがすごい!ここが秀でている!」
という感想こそ出てきませんが、入りから終わりまでおいしいお酒です。
『ことば数多く褒めちぎる日本酒』と『ことば数少なく褒める日本酒』があるとすれば、『壱花蔵』は後者。
「うまくいえないけど、うまい」
というのが本音です。
『天寿純米吟醸 壱花蔵』の商品情報
使用している酒米は、天寿酒造が誇る『天寿酒米研究会』がそだてた酒造好適米です。
『天寿酒米研究会』がそだてているのは『秋田酒こまち』と『美山錦』のふたつ。
明確な記載こそないですが、どちらかの酒米がつかわれているとみて間違いはなさそうです。
『天寿酒造』でほかにおすすめの日本酒は?
天寿酒造には、代表銘柄の『天寿』以外にも『鳥海山』というブランドがあります。
今回は『鳥海山』のほうから、定番酒でおすすめな2本をご紹介します。
『清澄辛口本醸造 鳥海山』
好みの話になってしまうのですが、私は吟醸酒が好きな人間です。
そんな私でも『鳥海山』というブランドに関してだけは、本醸造酒がいちばん好みの味わいでした。
精米歩合は70%で透明感はないのに、なぜかクセがない。
+6~8度の大辛口でありながらも、なぜか突き刺すような辛さがない。
あまり得意な味ではないはずなのに、スイスイ飲めてしまう不思議な1本でした。
※個別記事がなくて申し訳ありません。いずれ用意します。
『スパークリング鳥海山 純米吟醸』
こちらはちょっと硬い味わいのスパークリング清酒です。
気をつけていただきたいのはアルコール度数。
14度と高く、飲みやすさにまかせていると痛い目をみます。
ご自身の酔い方と相談して楽しんでいただきたい1本です。
『天寿純米吟醸 壱花蔵』の感想・評価:まとめ
最後にもう一度、『壱花蔵』の味わいをひとことでまとめておきます。
“甘みと酸味がやさしく香る、やわらかいお酒”
アベリアの花から抽出した酵母をつかっているというエピソードから『壱花蔵』の味わいまでふくめて、女性にもおすすめできる1本です。
ただ、冒頭でもお伝えしたとおり、スーパーでは買えるけど酒屋ではあまり見かけません。
お買い求めであれば、近隣のスーパーへ行かれることをおすすめします。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。