「ぐびぐびいける夏酒が欲しい」
「キンキンに冷やしておいしい日本酒が飲みたい」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんばんは、さるあみです。
早速ですが、私は謝らなければなりません。
高清水の季節純米シリーズといえば、単色のラベルに激安価格と、なんとなく手を出しにくいイメージがありませんでしたか?
実は、私がそうでした。
『安かろう悪かろう』という言葉のとおり、安いお酒にはリスクが付きもの。
特に、安さで選んで失敗した経験のある人なら尚更です。
「失敗するくらいなら、お気に入りの酒造の新商品を買ったほうがいいよなあ」
というのが、予算ある買い手の気持ちなのではないかと思います。
ですが今回。
この記事を読めば、『安かろう悪かろう』のイメージが崩れます。
『高清水 夏の純米』は、それくらいの1本でした。
もう少し詳しくみていきましょう。
- 『高清水 夏の純米』ってこんなお酒
- 『高清水 夏の純米』を飲んでみて
- 『高清水 夏の純米』の商品情報
- 『春の純米』と比較してみると……
- まとめ:『高清水 夏の純米』は文字通りの夏向け。時代と季節にあった1本
『高清水 夏の純米』ってこんなお酒
『高清水 夏の純米』は、『美山錦』を100%使用した『低アルコール酒』です。
低アルコールといっても「日本酒のなかで」のお話で、アルコール度は12.5を数えます。
一般的な日本酒が15~17度くらいなので、低いといっても3、4度ほどですね。
いま、
「え、たったのそれだけ?」
と思いませんでしたか?
そう、たったのそれだけです(笑)
でも、たったそれだけの差が、「飲めない」を「飲める」に変えるほどのチカラを持っているんです。
だって考えてみてください。
対して氷結は5%です。
この4%の差って大きくないですか?
ストロングゼロが強すぎて苦手だという人も、氷結であれば飲めるのではないでしょうか。
『ほろよい』と『氷結』で考えてみてOKです。
3%と5%。
たった2%の差が、好みを決定づけることだってあります。
つまり、“日本酒における3、4度の差はめちゃめちゃ大きい”のです。
と、ここまでは低アルコールのお話でした。
ここからは少しだけ『夏の純米』自体のお話をしていきます。
もうちょっと、もうちょっとだけお付き合いください。
実は『夏の純米』……
発売は5月です。
夏といえば夏ですが、まだ入口。
人によっては春の出口くらいに思う時期ではないでしょうか。
毎年、GW明けにびん詰めされて発売に至ります。
なので、酒質が若いのです。
うまみの濃さをあらわすアミノ酸度は1.0と低く、熱燗には向きません。
“キンキンに冷やして、飲みやすさを満喫する1本”
そんな風に捉えてみてくださいね。
『高清水 夏の純米』を飲んでみて
と、“飲みやすさを満喫する1本”なんて言っておきながら、矛盾したことを言いますね。
“しっかりと味がある!”
これには本当に驚きました。
低アルコールにしてはしっかりと味わいがあるのです。
と言っても、やさしい甘み。
どこかが頑張ろうと突出しない、なだらかな甘みが感じられます。
また、数値以上の酸があって、甘みをしつこく感じさせません。
とにかくバランスがいい。
うまみを残しつつ、低アルコールの軽さを実現しています。
あと味は、『消える』というより、『消えている』という感覚でした。
気がつけばない。
うまみを感じているうちに、舌の奥では消えている。
そんな感覚にグラスが進みます。
全体とおして、“高清水らしさが静かに爆発した低アルコール”という印象でした。
これは夏向けだーーー!
『高清水 夏の純米』の商品情報
『春の純米』と比較してみると……
2月発売の『春の純米』と比べてみると、感じたのは“比較する意味のなさ”でした。
「なんだそれ?(笑)」
と思いましたよね。
これにはちゃんと理由があるので、まだ消さないでください。お願いします。いや、ほんと。お願いします。
というのも、『春の純米』と『夏の純米』はコンセプトがまったく違う1本なんです。
『春の純米』は、まるで“しぼりたて”。
落ちついた酒質のなかに、メロンのようなみずみずしさがありました。
このフルーティーさが衝撃的で!
いい意味で、奥行きがありませんでした。
なので、フルーティーさで飲み疲れることがありません。
いつまでもメロン感を楽しめたのです。
※詳細はこちら
対する『夏の純米』は、フルーティーさではやはり劣ります。
低アルコールで味のコシを維持するのは、簡単なことではありません。
ただ、その分、飲みやすい。
飲みやすさは圧倒的です。
しかも、しっかりと日本酒のまま飲みやすいのです。
まさに夏向け。
『夏の純米』の名に偽りなしでした。
ということで、両者にはそもそも『楽しみ方の違い』があったというわけです。
まとめ:『高清水 夏の純米』は文字通りの夏向け。時代と季節にあった1本
これから流行ると言われている『低アルコール』。
すでにその兆しは見えていて、各酒造が動き出しています。
いち早く動き出した酒造。
試験的に少ないリッター数で造りはじめた酒造。
まだ動かない酒造。
さまざまな思惑が見え隠れしていますが、最終的に勝つのは『いち早く動き出した酒造』だと思っています。
なぜなら、成功すれば先駆者に。
そして、失敗してもノウハウにできるからです。
次に活かせるからです。
そして何より、楽しんでいるように見えるからです。
飲み手はワクワクしたいんです。
『おいしい』ことが当たり前になった時代で、『おいしいだけ』のものを造ったって仕方ありません。
それ以上の理由が欲しい。
手に取るだけの理由を求めているんです。
『高清水 夏の純米』には、“いま”手に取るだけの理由があります。
まだ“兆し”である内に。
『低アル』の時代が来る前に、知っておいて損のない1本です。
見かけたらぜひ、あなたも手にとってみてくださいね。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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