こんばんは、さるあみです。
秋田の日本酒として一時代を築いた『高清水』。
その勢いは令和になっても衰えることはなく、いまも挑戦的な日本酒を生み出しています。
たとえば、『秀麗無比』シリーズ。
これは、
- 6号酵母
- 秋田流寒仕込み
の2つにこだわった高清水の新シリーズです。
また、『丑三つ迄』というシリーズをご存じでしょうか?
こちらもまた高清水の新シリーズなのですが、『丑三つ迄』が出たときは驚きました。
なぜなら、大きな酒造に冒険はないと思っていたからです。
たとえば想像してみてください。
とんでもなく大きなタンクに、ちょっとした思いつきでノウハウのない酒を仕込む姿を。
怖くないですか?
失敗したらとんでもない量の失敗作ができあがるんです。
小さなタンクで小さく仕込むのとは事情がちがいます。
一度の失敗がとんでもなく大きな損失を生むかもしれないんです。
だからこそ、高清水は冒険しないものだと思っていました。
だからこそ、これまでも商品の数々も、万人受けする当たり障りのない日本酒だと思っていたんです。
それがどれほど難しいことかも知らずに。
というわけで今回は、『高清水』の超正統派。
『酒乃国 純米酒』
こちらをレビューしていきます。
どこにでも当たり前に置いてあるお酒が、どうしてどこにでも置いてあるのか。
その理由は、しっかりと味わいのなかにありました。
それでは、いってみましょう。
『高清水 酒乃国純米酒』ってどんな日本酒?
60%精米の純米酒が増えてきたなかで、しっかりと酒米を残している1本です。
日本酒度は+1と中口で、特筆すべきは酸度のほうにあります。
酸度の数値は1.7とやや高め。
酸のつよさに特徴のある1本だと推測できます。
裏ラベルによると、おすすめの飲用温度は以下のとおりです。
- ぬる燗○
- 常温◎
- 冷やして◎
というわけで今回は、常温と冷蔵のあいだ。
真冬の秋田で、ストーブのない部屋に置いておいたものを飲んでみたいと思います。
『高清水 酒乃国純米酒』の感想は?
これはもう世代によって評価が分かれます。
参考までに私、30代男性の意見をひとことで言わせていただくとこうなります。
“磨かれた古い味わい”
まず、香りに対して大きな感想はありません。
やや酸を感じるふくらみのある香り。
フルーティーという感覚ではありません。
味わいは、深いのに後味がやわらかくてすっきり。
キレがないので、あくまでも消えていく感覚があります。
最初に感じるのは濃厚さですが、それを感じてから消えていくまでがなめらか。
だから不思議と飲みやすい。
透明とまではいかない酸が、コクと甘みをまとめています。
この酸、一歩間違えると雑味にしかならなかったのではないかと思います。
正直、最初の一杯で感じたのは酸の雑味でした。
クリアな酸の吟醸酒を好んで飲んできたせいか、ザラっとした酸にはやや敏感です。
そのため、最初もったのはネガティブな感想。
そこから『純米酒』として慣れていくことで、飲みやすさに気づき、普段遣いにいいのではと感じるようになりました。
ただ、この純米、消えるけど残ります。
残る味わいが強いです。
すっきりとした後味だけど、重めの香りが残ります。
なので、おすすめしたいのは、日本酒を飲みなれている世代。
うまみをポジティブに捉えられる、私よりも少し上の世代にこそおすすめしたい1本でした。
『高清水 酒乃国純米酒』の商品情報
『高清水 酒乃国純米酒』の評価・レビュー:まとめ
失礼ながら“置きにいった”とばかり思っていた1本は、しっかりとした個性とターゲットをもっていました。
味わいは、古き良き味わいを現代の技術で磨きあげたもの。
酸のしっかりとした晩酌酒です。
また、あえてここでお伝えしますが、価格が破格です。
- 720ml:1,032円(税込み)
- 1.8L:2,235円(税込み)
特定名称酒でこの価格というのはなかなかお目にはかかれません。
『安かろう悪かろう』という言葉がありますが、『高清水 酒乃国純米酒』はおねだん以上。
少なくとも1,000円の酒ではありません。
ただ、好む世代は分かれます。
ある程度飲みなれた世代。
『フルーティーさ』や『おしゃれさ』、それに『話題性』などを求めない方。
おもに、40代以上の方におすすめしたい1本でした。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※いつも応援ありがとうございます。