こんばんは、さるあみです。
この1本を手にとって驚かれませんでしたか?
アルコール度数:19度。
「あ、新酒だ」と思って見てみると、日本酒にしては高いアルコール度に目を疑います。
新酒にして原酒。
それが、高清水が毎年発売する『初しぼり』のもつ個性です。
この記事では、そんな『高清水 新酒初しぼり』がどんなお酒で、どんな味わいだったのかについて触れていきます。
「キツイんだろうな~」と思っているあなたも安心してください。
おすすめの飲み方もお伝えします。
ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
『高清水 新酒初しぼり』ってどんなお酒?
『高清水 新酒初しぼり』は、秋田市にある秋田酒類製造がつくる1本です。
分類は『本醸造』。
純米酒しかつくらない蔵が増えてきた昨今、ちょっと珍しいかもしれません。
『本醸造酒』とは、精米歩合70%以下で、『醸造用アルコール』のみが添加された日本酒のことをいいます。
逆に、『糖類』や『酸味料』などが添加された日本酒は、おなじ70%以下でも『普通酒』。
パック酒やカップ酒によく見られる特徴です。
さて、そんな『本醸造酒』に分類される『高清水 新酒初しぼり』ですが、その精米歩合は65%とやや高めです。
ふだん、純米吟醸や大吟醸を飲まれる人からすれば、ちょっと構えてしまうかもしれません。
実は私も、日本酒を飲み始めたばかりのころは思っていました。
「65%かぁ~。やめとこ」
日本酒にフルーティーさを求め、精米歩合の高いものこそが至高。
精米歩合の低いものは、重くて雑味がキツイ。
そんなふうに本気で思っていたんです。
もしあなたがいま、かつての私と近い考えをもっているのなら、それはもう古い考えです。
時代は変わりました。
技術は研ぎ澄まされ、低精白にたいして構える時代はもう終わったんです。
それに、『高清水 新酒初しぼり』は新酒。初しぼりです。
その年最初にしぼったお酒であるため、寝かせたクセや熟成感はありません。
さらに原酒なので、新鮮さを薄めることもしていません。
“しぼってそのまま”
このフレッシュさは、仕込みの始まった秋~冬だけに許された特権です。
鮮やかにして力強い、この1本。
実際に飲んでみましょう。
『高清水 新酒初しぼり』の味はどうだった?
『高清水 新酒初しぼり』の味わいをひとことで表すとすればこうなります。
“おも甘く、苦みある伸び”
グラスに注いで鼻を近づけた瞬間は、想像していたよりもずっと静かな香り。
湯気のように立ち上るような香りではありません。
ただ、その一瞬に向こう側。
向こう側にバケモノがいました。
香りが重いんです。
ゆっくりと、ゆっくりと、押し上げるように香ってきます。
リンゴやメロンなどではなく、やや渋みのあるブドウ。
深みを感じさせるフルーティーさが、重く上がってくるんです。
少なくとも私は、この香りをどう表現していいのかわからず、3分くらい嗅ぎ続けていました。
家族からは「まだ嗅いでるよ、この人ww」と言われる始末。
難しくもおもしろい香りでした。
味わいはこのひとことに尽きます。
“ぶわっとマスカット”
香りから感じた渋みはなく、ブドウというよりもマスカットのような明るいコクがあります。
加えて、強いアルコール感。
19度はやはり強く、まごうことなき原酒です。
いつまでもズキンズキンとアルコール感が残るので、14~15度のものに慣れている人は引きずるかもしれません。
ただ、そんな人におすすめな飲み方があります。
それは、ロックです。
裏ラベルによると、『高清水 新酒初しぼり』のおすすめ飲用温度は、
- 常温〇
- 冷やして◎
- ロック◎
冷やしても度数は変わりませんが、ロックならお好みの度数で飲むことができます。
そして何よりこの1本、ロックでも味が崩れません。
多少の加水には力強く耐えて、薄まっても風味がしっかりと残ります。
むしろ、その(ロック)ためのお酒なのではないかというくらい、加水が活きる1本でした。
『高清水 新酒初しぼり』の商品情報
『高清水 新酒初しぼり』の感想・レビュー:まとめ
正直にいうと、これほどまでに楽しめる日本酒だとは思っていませんでした。
なぜなら、『新酒』『初しぼり』という言葉をポジティブにとらえていなかったからです。
というのも、『新酒』も『初しぼり』も、いってしまえば普通の日本酒ではありませんか。
特殊な造りをしているわけではなく、ただ『時期』を表しているだけ。
「また今年もこの時期が来たんだな~」
そんな程度にしか考えていませんでした。
ですが、今回の1本を飲んで考えは変わります。
初しぼりが原酒だったなんて、手にとらなければ知りませんでした。
そこにあったのは『創意』。そして『工夫』だったのですね。
『時期』を楽しみ、『創意工夫』を飲む。
初しぼりには大きな意味がありました。
この楽しみを、あなたにも。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※日本酒選びに迷ったらこちらも読んでみてくださいね