こんばんは、さるあみです。
正直、どうしてこんなお酒が出せるのかわかりません。
言うなれば、コスパの化け物。
精米歩合40%にして1,650円(税込み)という、どこまでも衝撃のやまない1本が小玉醸造から発売されました。
今回は、とにかくいち早く。
かけ足で感想をお伝えしていきます。
気になっていた方や、気になっていたことを思い出した方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、いってみましょう。
『太平山 純米大吟醸40』ってどんな日本酒?
『太平山 純米大吟醸40』は、潟上市にある小玉醸造がつくる1本です。
発売日は、2022年3月9日。
卒業を思わせる日に生まれた、まったく新たな日本酒です。
名前にある『40』は精米歩合をあらわします。
精米歩合40%といえば、出品酒にも匹敵するほどの数値。
太平山が誇る40%精米といえば、やはり『天巧』が有名ですよね。
かつてはANA国内線のファーストクラスでも提供され、国内外から高い評価を受けました。
『山田錦』です。
酒米の王様とも呼ばれ、いまでも賞レースに食い込むための酒米として強い人気があります。
私の職場にも「やっぱり山田錦以外はダメだ」とおっしゃる方がいて、『いいお酒=山田錦』という意見はまだあるようです。
では、『太平山 純米大吟醸40』は何を使っているのでしょうか。
やっぱり『山田錦』?
それとも、山田錦とならぶ『五百万石』?
答えは、酒の英雄の手書きPOPにありました。
“秋田酒こまち100%”
秋田酒こまちといえば、秋田が全国に誇る酒米。
その生産量は第5位と、美山錦や雄町に迫る勢いがあります。
秋田酒こまちでつくった日本酒は、
“香り高く、上品な甘みがあり、旨さと軽快な後味”
に仕上がるとのこと。
「美辞麗句がならんでいるなぁ」と思われたかもしれません。
ですが、これがまさに突き刺さる表現だということを私は知っています。
何度も飲んできた秋田酒こまちの日本酒が、まさに『品のある』日本酒でした。
今回は、そのエンドクラス。
40%精米の1本です。
期待に胸をふくらませて、感想に移りましょう。
『太平山 純米大吟醸40』の感想は?
こちら、同じ日に『太平山 純米吟醸55』も買って飲んだのですが、香りは55のほうに強さを感じました。
40は逆に穏やか。
霧のように薄っすらとしたフルーティーさが、静かに香ります。
味わいは、さすが40。みごと40。
ちょっとべったりした甘みから入るも、後はふんわり。
気品のある甘みがやわらかく舌を通ります。
辛さはなくて、消えながら抜けていく余韻がたまりません。
この表現はプラスに捉える人が少ないと思いますが、あえて使わせてください。
“良くも悪くも秋田酒こまち”
秋田酒こまちらしい消えるような甘みは、よく言えば『雅やか』です。
ただ、言い方を変えれば少し物足りないとも言えます。
華はあるけど、煌びやかなものではありません。
控えめな華。
シャイな味わい。
ガツンと記憶に残るようなインパクトはないけど、いまおいしい酒を飲んでいる。
そんな慎ましさのある1本です。
たまに、大吟醸とは名ばかりの“ギリギリ”の日本酒がありますが、『太平山 純米大吟醸40』はちがいます。
ちゃんと純米大吟醸。
コスパを思えば震えるうまさです。
「純米大吟醸をもっと身近に感じてほしい」
という、造り手の願いを見事に叶えてくれた、普段遣いにもってこいの1本でした。
『太平山 純米大吟醸40』の商品情報
- 使用米:秋田酒こまち100%
- 精米歩合:40%
- アルコール分:15度
- 参考価格720ml:1,650円(税込み)
『太平山 純米大吟醸40』の評価・レビュー:まとめ
おなじ価格帯の純米大吟醸として有名なものに、『高清水 純米大吟醸』があります。
あちらも同じく720ml:1,650円。
どちらも秋田県が誇る王手メーカーで、どちらの蔵もほかとは規模が段違いです。
なので、私はずっとこう思っていました。
“大きく仕込む蔵で挑戦や冒険はできない”
なぜなら、3,000Lのタンクで冒険するのと10,000Lのタンクで冒険するのではリスクがちがうからです。
失敗できない故に、失敗しないお酒をつくるしかない。
そう思っていたんです。
ですが今回、小玉醸造さんは大手であることを見事『利』にしました。
“失敗しないお酒を安価で販売する”
これはきっと、大手ならではの挑戦です。
一度にたくさん造れるからこそできた、大手ならではの冒険です。
飲んで書いてて、いまなお思います。
「本当にこの価格でいいのか」と。
それほどに『品質』を感じる1本です。
もしあなたがまだ迷っているのなら、こう考えてみてください。
『良い』か『最高』か。
どちらにしても『安い』に変わりはありません。
ぜひあなたも、安さに感じる『不安』と『ワクワク』を楽しんでくださいね。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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