こんばんは、さるあみです。
今回は、秋田県内限定販売の1本。
『大平山 艸月(そうげつ)』を紹介していきます。
なにせ情報のない日本酒です。
実際に飲んでみた感想が中心となるので、レビュー記事として楽しんでくださいね。
それでは、いってみましょう。
『大平山 艸月(そうげつ)』ってどんなお酒?
『大平山 艸月(そうげつ)』は、潟上市にある小玉醸造がつくる日本酒です。
こんな文言を見たり聞いたりしたことはありませんか?
「酒は天下の大平山」
かつて、『大平山』というブランドは、『秋田流生酛造り』を生み出したことで秋田を代表するブランドへと成長しました。
CMも流れるほどで、聴いたことのある方はそちらをイメージしたのではないでしょうか。
見たことがあるという方はきっと、居酒屋の看板。
創業して日の長い居酒屋の看板には、いまだに「酒は天下の大平山」の文字が残っていたりします。
老舗の酒屋さんで見た、という方もいるかもしれませんね。
むかしは『新政』『高清水』『大平山』が、店名とともに輝いていましたから。
さて、
そんな『大平山』が秋田県内限定で販売する1本。いったいどんなお酒なのでしょう。
裏ラベルにはこのようにあります。
見た感じでは、秋田酒こまちをつかっていること以外の特徴はありません。
裏ラベルに書いてはいませんが、酵母は『蔵付』。
この時点で、小玉醸造にしかつくれないオンリーワンの1本ということになります。
ちなみに、商品をひとことで表すフレーバーテキストにはこのようにありました。
「いま流行の爽快な酸味が特徴」
日本酒度は±0。
酸味にとって重要な酸度の数値は1.9と、かなり高め。
甘酸っぱい味わいが想像できます。
では、実際のところはどう感じたのか。
味の感想に移っていきますね。
『大平山 艸月(そうげつ)』の感想
グラスに注いで手で香りをたぐると、なんだか知っている香り。
フルーツではありません。
かといって、お米の香りでもありません。
「これはなんだ? なんだっけ」
知っているのに、なかなか言葉が出てきません。
歳のせいかとも思いましたが、そこはまだ認めたくないので必死に記憶をたどります。
すると、ようやくわかりました。
『ヨーグルトの香り』
乳酸菌をともなった甘酸っぱい香りだったんです。
なぜヨーグルトがすぐに出てこなかったのか。それはごく単純な理由でした。
なぜなら、するはずのない香りだからです。
酸味をともなった香りというと、山本のピュアブラックのような『グレープフルーツ』を思わせるものが先に浮かびます。
あくまでも『柑橘系』。
フルーツに例えられるのが一般的です。
ですが、『大平山 艸月(そうげつ)』の香りは、フルーツには例えられませんでした。
フルーツで探しても、言葉が出てこなかったんです。
だから迷った。
例えるものに困ってしまったんです。
そして味わいですが、やはり甘い。甘いです。
ただ、酸味があるので後には残りません。
なにより、後に来るのは甘さでも酸味でもありませんでした。
後半に訪れるのは『渋辛さ』です。
はじめて使った言葉なので、もしかしたら私の造語かもしれません。
ですが、そうとしか言えません。
飲んだ瞬間は甘く、すぐに酸味が勝ち、やがて渋辛く終わる。
これこそが、『大平山 艸月(そうげつ)』の一連の流れでした。
ちなみに、60%の純米酒なので熱燗も試してみると、最初の甘みが消えました。
勝ったのは酸味。
終始、酸味が楽しめる飲み方でしたので、いまの飲み方に飽きたら試してみてくださいね。
『大平山 艸月(そうげつ)』の商品情報
★参考価格
720ml:1,210円
1.8L:2,420円
まとめ:大平山 艸月(そうげつ)は秋田県内限定販売。お手頃価格がうれしい
というわけで、まとめるとこうなります。
リーズナブルな価格で、秋田県内限定販売というのも大きなポイントです。
ただ、ものすごく正直にいわせていただくのなら、おみやげにはしたくありません。
なぜなら、おいしいと唸るお酒ではなかったからです。
あくまでも、『こういう日本酒だ』と受け止められる日本酒にすぎません。
秋田流生酛仕込を生んだ古豪がつくる流行の酒。
あの『大平山』が、酸を意識してつくるとこういうお酒になるのだ、と。
そんな、移り変わる歴史を知るための日本酒として楽しむのをおすすめします。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございました。