こんにちは、さるあみです。
秋田の冬にはかかせない『しょっつる』ですが、これを詳しく調べようとすると難しくてよくわからないですよね。
特に、某大手辞書サイトだと1~10まで丁寧に書かれているため、読みきるのが困難です。
というわけで今回は、超ざっくりと。
『しょっつる』とは何なのかについてお伝えしていきます。
という順番でいきますので、最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
- しょっつるってそもそも何?
- しょっつるの名前の由来は『塩汁』から
- しょっつるの知りたくなかった豆知識
- 『しょっつる』を使ったおすすめのレシピ
- まとめ:しょっつるは秋田が誇る三大魚醤。これで冬が決まるんだ。
しょっつるってそもそも何?
『しょっつる』とは、秋田の県魚『ハタハタ』が生んだ魚醤です。
漢字で書くと『塩汁』。
『塩魚汁』と書くことも。
日本三大魚醤のひとつと呼ばれ、
と並ぶ知名度をほこります。
『しょっつる』の原料はなんと、ハタハタと塩のみ。
作り方の大まかな流れはこんな感じです。
- ハタハタを塩に常温で1年以上漬けこむ
- ハタハタ自身がもつ酵素によって身を分解
- 骨などの固形物を取り除く
- 加熱する
- ろ過する
調べていて驚かされたのは、『しょっつる』にある“とろみ”はハタハタ自身から出たものだということ。
ハタハタの内臓にある酵素が身を分解することで生まれた、自然な“とろみ”だったんです。
しょっつるの味わいは、塩に漬けこんでいることからも想像できるとおり、塩辛さが際立ちます。
ですが、分解されたハタハタから出るアミノ酸により、うまみも濃厚。
少量で味が決まるほど、出汁とも呼べるうまみを持っています。
しょっつるの名前の由来は『塩汁』から
『しょっつる』を漢字で書くと『塩汁』。
これを一字ずつ分解していくとこうなります。
- 塩=しお
- 汁=しる
「しおしる??」
そうなんです。これだけでは『しょっつる』には至りません。
ですが、ここで秋田弁が輝きます。
実は、秋田でも田舎のほうでは『汁』を『つゆ』と読むんです。
だから、『しおつゆ』。
訛って訛って、さらに訛って『しょっつる』となったという説が濃厚です。
が、『しおしる』を聞きまちがえて『しょっつる』となった説もあります。
どちらにしても、“訛りが本来の名前を崩した結果”がいまに至っているようです。
しょっつるの知りたくなかった豆知識
さっき、『しょっつる』の原料を“ハタハタと塩のみ”とお伝えしたじゃありませんか。
あれ、嘘です。
実は、ハタハタ以外の魚をつかう場合もあるんです。
というのも、ハタハタが秋田の県魚として豊富な漁獲高を誇っていたのは過去の話。
今では不漁の年も少なくはありません。
そのため、現代では漁獲量が多くて安価で、かつ鮮度の保証ができる以下の魚も使われています。
- アジ
- イワシ
- サバ
- コアミ
「それってもう秋田である意味がなくない?」
と思ったかもしれませんが、安心してください。
1980年代ほどの漁獲高はありませんが、ハタハタは少しずつ、かつてのように秋田沖で獲れるようになってきています。
これは、先人たちの忍耐によるもの。
全面禁漁などの対策を経て、ようやく得た景色です。
この先人たちの尽力により、近年では『しょっつる』にハタハタが使われる機会も増えてきています。
『しょっつる』を使ったおすすめのレシピ
『しょっつる』といえば鍋。
魚のうまみと塩気がバツグンに効いた、たら鍋がおすすめです。
もしかして、
「ハタハタじゃないんだ」
と思いませんでしたか?
実は、ハタハタって高いんです。
その年にも寄りますが、なかなか簡単には買えません。
なので、比較的安価な『たら』がグッド。
材料は、お好きな野菜やきのこ、豆腐。
鱈は切り身でもブロックでもお好きなものを、お好きなカタチに切ってください。
スープの材料はこちら。
出汁がしっかりしていれば、『しょっつる』でバシッと味が決まります。
白だしをほんだしに変えてもおいしいので、好みに合わせて調節してください。
臭みが気になる場合は清酒を入れるのがおすすめですよ。
まとめ:しょっつるは秋田が誇る三大魚醤。これで冬が決まるんだ。
最盛期はひとつの民家でも作られていたほど当たり前の存在だった『しょっつる』。
今でも造っているところは、もう数えるほどしかありません。
筆者の知識にあるのも、たったの3社。
伝統の灯は少なくなりましたが、消えることはありません。
『しょっつる』の味わいは繊細にして大胆。
一度食べれば忘れることのできない味わいです。
魚のうまみが「これでもか!」と凝縮された秋田の魚醤。
1本の量は少ないですが、30~40倍に薄めてつかうので長持ちします。
1本あれば冬に重宝しますので、ぜひご自宅に秋田のうまみをどうぞ。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。