こんばんは、さるあみです。
ものすごく失礼なことを言わせてください。
ラベルデザインで敬遠していました。
令和の時代に、あまりにも質素なデザイン。それも花の写真です。
酒売場の担当者時代、私は思いました。
「ちょっと待ってくれ。売る気はあるのか」と。
冗談抜きで、いったいどの世代に向けたお酒なのかが疑問でした。
ですが。
ですがです。
私は秋田銘醸さんに謝らなければなりません。
この1本。
とんでもない爪を隠していました。
飲めば感想が120度変わります。
この記事では、
- 『香り爛漫 純米吟醸』がもつ実績
- 飲んでみた感想
- ラベルだけではわからないスペック
- 60度足りない理由
について触れていきます。
ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
『香り爛漫 純米吟醸』ってどんなお酒?
実は、『香り爛漫 純米吟醸』の情報は多くありません。
わかっている大きな特徴は2つ。
ひとつは、酒米に『秋田酒こまち』をつかっていること。
もうひとつが、酵母に『こまち酵母スペシャル』がつかわれていることです。
『こまち酵母スペシャル』という名前に、なんとなく古いイメージを持ったかもしれません。
ですが、生まれは2012年。
県産の清酒酵母というくくりでみると、蔵付酵母をのぞけば4番目の若さを誇ります。
そんな『こまち酵母スペシャル』ですが、大きな特性は『香り』です。
秋田県酒造協同組合のサイトによると、
香りの特性は、きわめて華やか。
味わいは、華やかで膨らみのあるタイプに仕上がるとのこと。
実際、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019では金賞を獲得しています。
さらに、味わいの『膨らみ』はこんな賞をも獲得させました。
- 全国燗酒コンテスト2017 お値打ちぬる燗部門:金賞
- 全国燗酒コンテスト2020 お値打ちぬる燗部門:最高金賞
まさに香り。
まさに膨らみ。
こまち酵母スペシャルの実力が遺憾なく発揮された結果と言えるのではないでしょうか。
ここまでの情報を踏まえて、感想へと移っていきましょう。
『香り爛漫 純米吟醸』の味はどうだった?
「確かに」
この一言に尽きます。
グラスに注いで顔を近づけると、確かに華やか。
それも果実のようなフルーティーさではありません。
あくまでも米。
米のフルーティーさが色濃く感じられます。
味わいは、さすが秋田酒こまち。
まるで県民性をあらわすかのように、シャイな味わいです。
酒こまちらしいふわっとした甘さと静けさがあり、良くいえばバランスがいい。
悪くいえば、突き出した味わいがありません。
ただ、不思議なもので。
嫌いじゃないんですよ。むしろ、おいしい。
気がついたらグラスが空で、次の一杯へとビンを傾けていました。
そして、忘れてはいけない飲み方があります。
覚えていますか?
『全国燗酒コンテスト お値打ちぬる燗部門:金賞、最高金賞』
やらぬわけにはいくまいと、電子レンジ30秒。
チンして立ち上がる湯気からは期待が香ります。
親指と中指でつまむようにグラスをもって口に流すと、酒質はややオイリーに感じます。
舌の上では、温かいうまみがジワッ。
よく沁みる味わいに、賞獲得の理由も頷けました。
これはうまい。
うまいです。
おすすめの温度帯は『ぬる燗』から『燗冷まし』まで。
ぬるくなるほどうまいと感じました。
時間経過でカンタンにできる飲み方なので、ぜひ、冷めていくのを楽しんでください。
『香り爛漫 純米吟醸』の商品情報
★参考価格
720ml:1,100円(税込み)
『香り爛漫 純米吟醸』の感想・評価:まとめ
というわけで、まとめるとこうなります。
- 秋田酒こまちとこまち酵母スペシャルをつかった純米吟醸
- こまち酵母スペシャルは2012年に誕生した若い酵母
- 香りは米のまま豊かで華やか
- 味わいはシャイ
- ぬる燗~燗冷ましまでおいしい
- 全国燗酒コンテストにて金賞・最高金賞の実績
そうなんです。
おいしいんです、このお酒。
だからこそ、もう一度言いたい。
「ラベルゥゥゥ!」
奇をてらったラベル、恰好いいラベル、かわいいラベル、美しいラベル。いまはさまざまなデザインの日本酒が並んでいます。
香り爛漫のラベルに、どこか懐かしさを感じる世代には売れるのだと思います。
ですが、若い世代。
これからの世代にはどうでしょうか。
もったいない。
印象が180度ではなく120度しか変わらなかった理由は、そこにあります。
せっかくおいしいのだから、もっと手に取られてほしい。
そう切に願いつつ、ここで叫んで締めさせていただきます。
「うまかったしコスパもいいじゃなーーーい!」
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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