こんにちは、さるあみです。
以前、こんな記事を書きました。
この記事のなかに名前だけ登場した秋田の和菓子。
『榮太楼のどらやき』
今回は、この“どらやき”がいかに美味いのかを熱弁します。
約3000文字かけて語ります。
「なんか、小豆の甘さって苦手なんだよね」
「和菓子の甘さってベタベタしてて……」
「お年寄りが食べるイメージがあって食べようとは思わないかな」
どらやきに対してそんなイメージをもっていませんか?
実は、私もそう思っていました。
少なくとも、ただのどらやきを好んで食べることはありませんでした。
ですが、榮太楼の生どらやきに出会ったことで、どらやきに対する印象が大きく変わったんです。
この記事を読むことで、間違いなくどらやきに対する印象が変わります。
コンビニのどらやきの一歩先に出会えます。
どうぞ、お茶でも飲みながら最後までゆっくりしていってくださいね。
榮太楼って何?そんなに秋田で有名なの?
すぐに生どらやきのことを語りたいところですが、やっぱり外せないのが『榮太楼の歴史』です。
どれだけすごいのか。
どれだけ愛されてきたのか。
これらを知らないことには“榮太楼の”生どらやきに価値は生まれないことでしょう。
榮太楼の正式名称は『菓子舗榮太楼』。
創業は明治16年で、歴代の天皇陛下にも愛されてきた秋田の和菓子処です。
榮太楼のはじまりにはこんな逸話があります。
榮太楼がはじめて店舗をかまえたのは「川反二丁目の空き家」でした。
その空き家は、かつて別の経営者が菓子屋やうなぎ屋をひらくも、どれも失敗に終わった場所です。
ゆえに、いわくつき。
周りからは「縁起がわるいからやめておけ」と反対された場所でした。
ですが、初代は聞き入れません。
「ことの否定は人しだい。良いも悪いも人の腕しだい」
そういって、空き家を買ってしまったのです。
これが120年以上もの間つづくことになる、榮太楼のはじまりとされています。
豪胆なはじまりとなった榮太楼。
ですが、そのすべてが順調だったわけではありません。
新規オープンする店もあれば、同じだけ閉店する店もあり。
昭和後期から平成初期にかけては、まさに激動と呼べる歴史がありました。
しかしそんな中、平成19年の「秋田わか杉国体」に向けてアノ商品が生まれます。
『スギッチ諸越』と『スギッチサブレ』です。
「ああ~!あれって榮太楼だったんだ!」
って思いませんでしたか? 私は思いました。
『スギッチ諸越』のほうは、なんと天皇陛下が銘菓「さなづら」といっしょに買われたとか。
そして、平成21年には『あきたロール』が生まれ、平成25年には『生どらやき』が大ヒットしました。
さらに、平成27年には『赤まん・青まん』が発売。
これにはみなさん、こう思ったんじゃありませんか?
「ぜったいもっと前からあったでしょ」
ところがどっこい。
平成27年なので西暦だと2015年。まだ新しい商品だったんです。
そして同年、ついに榮太楼はひとつの栄誉・称号を獲得します。
名を“伝統和菓子職”。
伝統の製法をまもり、かつ極めたものにのみ贈られる称号です。
というわけで、ここまでザックリとですが榮太楼の歴史にふれてきました。
ここからはおじさんが食べた生どらやきのレビューとなります。
ただのどらやきと思うなかれ。榮太楼のどらやきは生。生どらやき。
みなさんは一般的などらやきというと、どんなものを想像しますか?
パッと浮かぶのは、ドラえもんが食べているやつ。
意外と日持ちのする、あんこだけが入ったシンプルなものを想像したんじゃないでしょうか。
ですが、今回ご紹介するのは『生』。
生どらやきです。
その賞味期限はなんと2日。しかも、要冷蔵で2日です。
購入時のままなら冷凍状態なので約1ヶ月もちますが、解凍するとたった2日の命となります。
「ぜんぜん日持ちしないじゃん!」
と思われるかもしれません。
ですが、榮太楼の生どらやきには、それでも買いたい魅力が3つあるんです。
- 解凍・半解凍で味わい方を楽しめる
- 小豆と生クリームのバランスが抜群
- 生どらやき用の皮があり、一枚一枚すべて手作業
まずは食感のちがいです。
完全に解凍しきる前に食べれば、まるでアイスのよう。
溶けきらないクリームはけっして分離することなく混ざりあっていて、噛めばホロッとくずれます。
ちょっとサッパリとした味わいを楽しみたいときや、あつい時期なんかは半解凍で食べるのも楽しいんです。
そしてもちろん、解凍しきってから食べればクリームにしなやかさが出て、また違った味わいになります。
これがうまいの。うんまいの。
小豆だけだとどうしてペースト状というか、ちょっとベッタリするじゃないですか。
けど、榮太楼の生どらやきにはクリームが入っているからベタつかないんです。
「いや、今はそういうどらやきっていっぱいあるし」
と思われるかもしれません。
たしかに、生どらやきはコンビニでも見かけるようになりました。
ですが、味。
味に関していえば、バランスがちがいます。
榮太楼の生どらやきは、小豆とクリームの一方が強くなることもなく、どちらの個性も潰していないんです。
味に違和感がない。
だから、いくらでも食べられます。
そして、生地。皮です。
「クリームうんめぇ~~~~!」
といって食べていて気づかされるのが、皮の存在感。
「あれ?なにげにこの生地おいしくない?」
そこに気づいてしまえば、もう完全にとりこ。術中です。もう完全にこちら側の住人です。
しかも、しかもですよ。
榮太楼の生どらやきって、
苺と抹茶もあるんです。
ズルくないですか?
もっともポピュラーな小豆がそんだけうまいのに、苺と抹茶って。
「こんなのうまいに決まってる!」
そう思って食べるじゃないですか。
うんまいの。
苺はまろやかさよりも果実感に特化していて、甘酸っぱさが強く感じられます。
抹茶は奥にしっかりと抹茶。
甘みのあとに、淹れたお茶のような深みがありました。
3種ちがってみんなうまいから、次はこっちにしようっていう機会が生まれるんですよね。
まとめ:気取らない和菓子、敷居の高くない和菓子
どらやきって、和菓子のなかでも手に取りやすい商品だとは思います。
けど、まだちょっと敷居が高い。
そこからさらに手に取りやすくしたもの。
和菓子の購買層を広くしたもの。
それが『生どらやき』なのではないでしょうか。
そして最後にひとつ、謝らせてください。
今回、榮太楼の歴史にふれさせていただきましたが、もちろん私は榮太楼の人間ではありません。
歴史の背景など知らないくせに、ただ起こったことを羅列しただけにすぎません。
閉店をネガティブなものと捉えてしまいましたが、本当にそうなのでしょうか?
必要なことであり、英断だったのかもしれません。
歴史の背景。
そこにズケズケと踏み入ってしまい、申し訳なく思います。
ただ、これだけは言えます。
榮太楼の生どらやきは絶品です。
ぜひ、秋田のおみやげといって、みんなで食べていただければうれしいです。
それでは今回はこの辺で失礼します。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
さるあみでした。
※送料無料なのは今だけとなっています。いつ終わってしまうかもわからない企画なので、お買い求めの方はお早めにどうぞ。
|
※あわせて読みたい秋田の和菓子はこちら