こんばんは、さるあみです。
以前、こんな秋田の地酒を紹介しました。
高橋酒造店の『奥清水』。
8割が県外への出荷であるため、なかなか売っているところに出くわせない地酒です。
その味わいは美しく、水を楽しむための1本といった感じ。
秋田県屈指の湧水群を誇る『美郷町六郷』でつくられる日本酒なだけに、水へのこだわりを感じます。
さて、そんな『奥清水』なのですが、『純米酒』があれば当然『吟醸酒』もあります。
ただ、どこを探せばいいのかがずっとわかりませんでした。
それがようやく。
ようやくです。
見つけました、『奥清水 吟醸』。
詳しくみていきましょう。
『奥清水 吟醸』ってどんなお酒?
いまでは全量純米とした蔵も増えてきたなかで、珍しいとはいかないまでも懐かしさがあります。
使われている酒米は、地元『美郷町』の『美郷錦』が100%。
しかもそれを、吟醸でありながらも50%まで磨きあげているからスゴイ。
そんな贅沢な1本となっています。
そして、忘れてはいけないのが水。仕込み水。
仕込水は、もちろん地元産です。
美郷町六郷といえば、六郷湧水群が全国的にもバツグンの知名度を誇ります。
なかでも日本名水百選にもえらばれた『宝門清水』が、『奥清水』というブランドの代名詞となっています。
アルコール度数は、15度とちょっとだけ低め。
裏ラベルにもある『淡麗辛口』な味わいを、より飲みやすくしています。
『純米酒』もまた15度だったかと思うのですが、水の良さを引き出すにはそれが最適な度数なのでしょうか。
というわけで、『奥清水 吟醸』は、
『地元産の美郷錦を50%まで磨いたアルコール度15度の吟醸酒』
となります。
『奥清水 吟醸』の味はどうだった?
『奥清水 吟醸』の味わいをひとことで表すのならこうなります。
やさしさと水を味わう1本。
冒頭の手書きPOPそのまんまですね……。
香りは美郷錦らしく、イチゴのような芯のフルーティーさ。
味わいは表面がうすく、じっくりと味わうことで開いていきます。
香りに感じた弾けるようなフルーティーさはありません。
ただ、かわりに水の良さが色濃い。
やさしい味わいがするするっと喉をとおります。
後味にはちょっとだけ苦み。
わずかに感じる熟成感は、コクと捉えるか雑味と捉えるか。
苦みすらスムーズに飲ませる透明感のなか、そこだけがクセで、好みの分かれ道かもしれません。
全体をとおしてやさしい味わいです。
はじめて日本酒を飲む方はもちろん、ちょっとマイナーな地酒を求めている方にもオススメです。
もし、飲んでみて「ちょっと飲み口がやさしすぎるなあ」と感じた場合は、ぜひ『純米酒』のほうも飲んでみてください。
水の良さそのままに、うまみが増しますよ。
『奥清水 吟醸』の商品情報
おすすめの飲み方は『常温』もしくは『冷やして』。
『奥清水 吟醸』の感想・レビューまとめ
いまは個人が発信できるようになったことで、『有名な酒の知名度がより高くなる時代』になりました。
投稿する人と検索する人。
両方がふえることで、その勢いはさらに加速していますよね。
そして、その流れは物理的に速いんです。
誰かの投稿は、大勢の投稿によって流されて消えていきます。
だから、どうしても埋もれてしまう地酒はあります。
『奥清水』も、きっとそう。
検索する人は少なく、有名な酒がとなりに陳列されているとそちらが選ばれる。
そんなお酒だと思っています。
だからこそ、もっと知られてほしいんです。
地元の米を使い、地元の水でつくる。
当たり前を、当たり前に行っている地の酒です。
せっかく秋田の地酒を飲むのなら、こういうお酒にたどり着いてほしい。
『奥清水』は、その背中を押したくなる1本です。
湧水のようなやさしさなら『吟醸』を。
そこにうまみを求めるのなら『純米酒』を。
秋田の地酒『奥清水』。
ぜひ一度、ご賞味あれ。