こんばんは、さるあみです。
秋田県は米どころにして酒どころ。
贈り物には日本酒を選ぶ方が多いのではないでしょうか。
わたしも、県外の人へのプレゼントにはついつい日本酒を贈ってしまいます。
でも、ちょっと待ってください。
これって、贈る相手の好みをほんとうに把握できているのでしょうか?
「いつも飲んでるって聞くし」
「お酒は強いって話だし」
そういう、『お酒』という大きなくくりで判断して、日本酒を贈ってはいませんか?
この記事では、秋田の『地酒』以外の『地の酒』を紹介していきます。
贈りたい相手の好みにあった『地の酒』がみつかりますので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、いってみましょう。
- 贈り物にはクラフト○○がおすすめ
- 贈り物にしたい秋田の酒『田沢湖ビール』
- 贈り物にしたい秋田の酒『あくらビール』
- 贈り物にしたい秋田の酒『羽後麦酒』
- 贈り物にしたい秋田の酒『秋田杉ジン』
- おまけ:秋田には梅酒もあります
- 日本酒以外で贈り物にしたい秋田の地の酒:まとめ
贈り物にはクラフト○○がおすすめ
実は、秋田にはクラフト○○というジャンルが2つあります。
ひとつは、クラフトビール。
もうひとつは、クラフトジンです。
クラフトとは『技術』を意味します。
でも、『技術ビール』『技術ジン』って、なんだか変な名前ですよね。
ですので、この場合のクラフトとは『民芸』『工芸』。
さらにそこから派生して、
- 手間暇かけた
- こだわりのある
- 少数生産の
という意味をもっています。
つまり、クラフトビール、クラフトジンは、『手間暇かけた、こだわりのある、少数生産の酒』ということになります。
日本酒とおなじですよね。
贈り物として選ばれている地酒にも、手間とこだわりが詰まっています。
だからこそ、贈り物としての優劣はありません。
あとは相手の好みに合っているかどうかだけです。
というわけで、ここからは秋田のクラフトビール、クラフトジンを見ていきましょう。
贈り物にしたい秋田の酒『田沢湖ビール』
クラフトビールとしては県で初。
主なラインナップは6つ。
なかでも取っつきやすいものを3つ紹介します。
まずは『アルト』。
『アルト』は、田沢湖ビールのなかでも不動の人気ナンバーワン。
一般的なビールよりも色が濃く、ルビーのように鮮やかなコハク色をしています。
味わいは、色の分だけ苦みとコクが強めです。
ですが、スッとのどを通る飲みやすさがあるので、ビール好きにはたまらない1本となっています。
次に『ピルスナー』。
『ピルスナー』は、いわゆる日本のビールそのものと言えます。
なぜなら、日本のビールの9割以上がこの『ピルスナー』タイプだからです。
ふだん飲みなれている味わいがクラフト化しているため、『ピルスナー』なら上質なジャパニーズビールが堪能できます。
「一杯目はぜったいビール!」
という方に贈れば、まちがいなく喜ばれるクラフトビールです。
そして、もうひとつ。
こちらは飲んで衝撃を受けました。『ケルシュ』です。
香りは果実のように華やかで、エールビールとはまたちがった美しさがあります。
味わいは苦みがうすくて、すっきりとした舌ざわり。
一口ずつ飲みたくなる、やさしい味わいを楽しむためのビールです。
「あまり飲めないから1杯だけ」
「ビールはそれほど得意じゃない」
『ケルシュ』なら、1杯だけ楽しみたい人の常識が変わります。
私自身、このビールを知れてよかったと心から思う1本です。
そして、田沢湖ビールには期間限定品がいくつもあります。
のど飴でおなじみのあの龍角散とコラボした『ドラゴンハーブヴァイス』や、冬季にでる『ダークラガー』。
さらには、夏季限定の『セッションIPA』など、季節によってちがう顔を見せてくれます。
いずれも数々の受賞歴を誇る、『箔』のついたビールばかりです。
秋田で最初のクラフトビール。
贈り物としていかがでしょうか。
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贈り物にしたい秋田の酒『あくらビール』
あくらビールはなんと、秋田市は大町にあるクラフトビール醸造所です。
大町といえば飲み屋街。川反のイメージが強いと思います。
「川反にそんなところあったっけ?」
そう、ないんです。
場所は川反からすこし離れて、通町側。
イーホテルの裏にあります。
主なラインナップは5つ。
田沢湖ビールでは正統派の3つをおすすめしましたが、あくらビールでは個性派の3つをおすすめします。
ひとつは、『あきた吟醸ビール』。
そしてもうひとつが、『古代米アンバー』です。
まずは『あきた吟醸ビール』なのですが、名前をみて「あれ?」と思いませんでしたか?
ビールには馴染みのないワードがありますよね。
『吟醸』。
これではまるで日本酒です。
不思議におもって調べてみると、実際、ちょっとだけ日本酒だったんです。
『あきた吟醸ビール』に使われているのは『ビール酵母』だけではありません。
だから『吟醸』。
だから『あきた吟醸ビール』というネーミングになったんですね。
もちろん、酵母のコラボは味わいに強い影響をあたえています。
香りはビールというには華やかで、はじけるよう。
味わいは軽く、よく広がります。
スーパードライのような強いキレはなく、はじけるフルーティーさが味わって楽しめる1本です。
飲みながら話題にしてもおもしろい、秋田らしい贈り物と言えそうですね。
『なまはげIPA』の名前で注目してほしいのは、『なまはげ』ではなく『IPA』のほう。
『インディア・ペールエール』のほうになります。
『インディア・ペールエール』の特徴は、ホップの風味と苦み。
これが濃い。濃いんです。
ビールが得意ではない人の苦手を詰めこんだような味わいが、深く楽しめます。
逆に言えば、ビール好きは悶絶する1本です。
そんな方におすすめしたい、ちょっと個性派なクラフトビールですよ。
そしてラスト。『古代米アンバー』です。
『古代米アンバー』もまた、ビールでは見慣れないワードが入っていますよね。
そうです、『古代米』。
ライスビールということもあり、色は濃い琥珀色をしています。
ビールの色味はコクや苦みに直結しますが、『古代米アンバー』の味わいは驚くほどやさしくて静か。
発泡性もレギュラー商品5種のなかでいちばん弱く感じました。
だからなのでしょうか。
まるで日本酒を飲むかのように、ゆっくりと味を楽しんだのは。
正直に言うと、キレはありません。
多くの人がビールに求めるのどごしはありませんでした。
ただ、苦みが静かに楽しめます。
好みこそ分かれますが、5種のなかで『あきた吟醸ビール』と並んでおもしろさを感じた1本でした。
ちなみに他の2本、『秋田美人のビール』と『川反ラガー』はいわゆる正統派です。
5種を飲み比べることで、ビールにも千の味わい、万の味わいがあるのだと楽しめます。
相手の好みがわからない場合は、飲み比べを楽しんでもらうのがおすすめですよ。
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贈り物にしたい秋田の酒『羽後麦酒』
『羽後麦酒』は、羽後町にあるちいさなちいさな醸造所です。
羽後町の人口は15000人ほど。
『西馬音内盆踊り』は全国的にも有名で、日本三大盆踊りにも数えられています。
さらに、もうひとつの『西馬音内』。
『西馬音内そば』もまた、秋田の郷土料理としていまなお愛されています。
さて、そんな羽後町で生まれた『羽後麦酒』ですが、ラインナップは個性的で挑戦的なものばかり。
- GA001
- BW001
- PA001
- IPA010
- BW002
最初にアルファベット表記は、ビールの種類の頭文字からきています。
GAはゴールデンエール。
BWはベルジャンホワイト。
といった感じです。
個人的におすすめしたいものは2つあります。
それは、『ペールエール』と『ベルジャンホワイト』です。
『ペールエール』は赤みがかっており、見ためは田沢湖ビールの『アルト』やあくらビールの『古代米アンバー』を思わせます。
味わいは、おなじ赤とは思えないほど軽くてさわやか。
あと味がとてもさっぱりしています。
苦みが「印象として残る」のではなく「余韻として終わる」ため、非常に飲みやすい1本です。
相手を選ばないクラフトビール。
そんな印象を受けました。
そして『ベルジャンホワイト』。
こちらはまさにクラフトビールです。
ちょっと白濁しているのが特徴となっています。
香りは、濁りの分だけ高くフルーティー。
口にふくむと、舌の上で花火のようによく広がります。
この広がり方がすごくいいです。
フルーティーが口いっぱいに広がるので、なんだか幸せな気分になりますよ。
味わって思ったのは、「女性におすすめしたいなあ」。
この味わいには、田沢湖ビールの『ケルシュ』とはまたちがう1杯の楽しみがあります。
だからこそ、『ベルジャンホワイト』はぜひ女性にも飲んでいただきたい1本です。
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贈り物にしたい秋田の酒『秋田杉ジン』
『秋田杉ジン』は、秋田県発酵工業がつくる秋田初のクラフトジンです。
秋田県発酵工業といえば、日本酒では『一滴千両』。焼酎では『そふと新光』など、秋田の酒飲みをささえてきた一大企業です。
そんな思い入れ深い企業がつくるクラフトジン。
原材料には、特別な素材がつかわれていました。
『秋田杉の葉』
なかなか馴染みのない素材ですよね。
いえ、酒の原料としてみなければ、秋田県民にとっては身近なものではあります。
ただ、それを使うことでどんなジンに仕上がるのか。
わたしの感想だけでは不安だと思いますので口コミをまとめています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
おまけ:秋田には梅酒もあります
今回はクラフト○○というくくりで書いてきたのでおまけ扱いになってしまいましたが、秋田には酒造の梅酒がいくつかあります。
甘酒で仕込んだ『梅まんさく』
古酒で仕込んだ『悠久の梅 雫』
日本酒で仕込んだ『高清水 梅酒 日本酒仕込』
米焼酎で仕込んだ『高清水 梅琴音』
ブランデーで仕込んだ『デラックス 梅の実しずく』
申し訳ないのですがいずれも筆者は飲んだことがなく、味の感想は書けません。
ですので、情報だけでもお伝えしていきたいと思います。
『梅まんさく』はその名のとおり、まんさくの花で有名な日の丸醸造がつくる梅酒です。
大きなポイントは2つ。
ひとつは、甘酒で仕込んでいること。
そしてもうひとつは、横手産の梅のヘタ取りを従業員がすべて手作業でおこなっていることです。
『悠久の梅 雫』は、古酒といえばこの酒造。『金紋秋田』がつくる梅酒です。
大きなポイントは3つ。
ひとつは、10年古酒をつかっていること。
ひとつは、氷砂糖だけでなくキビ砂糖もつかっていること。
そして、古酒をつかうことで普通の梅酒の3~4倍ものアミノ酸度を記録していることにあります。
『高清水 梅酒 日本酒仕込』は、もちろん『高清水』。
秋田酒類製造がつくる梅酒です。
日本酒で仕込むことにより甘すぎない梅酒を実現しており、ストレートで飲めることが強調されています。
おなじく高清水の『梅琴音』は、県内および高清水ネットショップでした買えない梅酒です。
大きなポイントは3つ。
ひとつは、琴丘産の梅をつかっていること。
ひとつは、自社製の米焼酎に約8か月ものあいだ漬け込んでいること。
そしてもうひとつが、ピンクのカートン入りであることです。
このピンクのカートンが可愛らしく、女性に贈りたい1本となっています。
ラストは秋田県発酵工業が生んだ傑作、『デラックス 梅の実しずく』です。
こちらはスーパーでの酒担当者時代、ラミネートされた新聞の切り抜きを受けとったのでよく覚えています。
その記事の見出しは、
『全国梅酒品評会ブランデーブレンド梅酒部門 金賞』
大きなポイントは3つあります。
ひとつは、ブランデーブレンドの正統派。
ひとつは、3年熟成であること。
そしてもうひとつが、アルコール度数15度であることです。
割っても崩れない強さがあるので、飲み方を楽しめる1本となっています。
日本酒以外で贈り物にしたい秋田の地の酒:まとめ
いかがだったでしょうか。
2023年には秋田県でウイスキーの蒸留所も稼働する予定ですし、『秋田の地酒』のイメージも少しずつ変わってきそうですよね。
『酒どころ』=『日本酒』。
この構図が少しでも変化して、もっと大きな流れが生まれてくれればと思います。
そうすればきっと、秋田はもっと賑やかになりますから。
秋田を知ってもらうために秋田の酒を。
秋田を思い出してもらうために秋田の酒を。
ぜひ、贈ってあげてくださいね。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。