あきたさけ!

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【まんさくの花 生もと亀ラベル】の評価・レビュー:うまみから渋みへ!

まんさくの花 生もと亀ラベルの評価・レビュー:まとめ

こんばんは、さるあみです。

 

日の丸醸造の代表銘柄といえば『まんさくの花』や『うまからまんさく』が有名ですよね。

でも、忘れてはいけないことがあります。

それは、日の丸醸造が“とにかく挑戦的な蔵”だということ。

毎月のように繰り出される新商品の数々は、ほかの蔵にはない個性をもっています。

 

特に、亀ラベルはそう。

 

亀ラベルとは、『亀の尾』という酒米をつかったシリーズです。

実はこの、『シリーズ』というところが他とは一線を画します。

なぜなら、一般的な蔵では、『亀の尾仕込み』を一点ものとして販売するからです。

 

「亀の尾で仕込んでみました!」

 

と、期間限定で、1種類だけの販売というのが多く見られます。

 

ところがどっこい。

どっこいです。

 

まんさくの花』の日の丸醸造はひと味ちがいます。

『亀の尾』で仕込んだお酒を、ほぼ隔月で販売。

それも、ひとつとして同じお酒はありません。

同じお酒を年4回にわけて販売なんてことはしていないんです。

 

今回紹介していく『生もと亀ラベル』は、1月発売の亀ラベルシリーズ。

年始を華々しく彩ります。

 

この記事では、『亀の尾』がどんな酒米で、『生もと亀ラベル』はどんな味だったのか。

そして、おまけとして『亀ラベル』シリーズの発売時期もまとめていきます。

ぜひ、最後まで読んで楽しんでいってくださいね。

それでは、いってみましょう。

 

 

『亀の尾』ってどんな酒米

なんでわざわざ『亀の尾』の説明だけで見出しひとつ用意したのか。

その答えは、ここにあります。

 

“幻の酒米

 

実は、『亀の尾』という酒米は1970年代に一度滅んでいるんです。

さらに、そもそもの話をするなら『亀の尾』は、酒造好適米ですらありません。

『亀の尾』は、もともと飯米のルーツ。

いま当たり前に食べられている、

 

 

などの親をたどれば、『亀の尾』に行きつきます。

昭和の初めまでは家庭でも食べられていて、当時はまだ生活のなかで身近な存在でした。

では、なぜ消えてしまったでしょうか?

 

答えは、『栽培の難しさ』にありました。

 

というのも、『亀の尾』には以下のような特徴があります。

 

  • 背が高い
  • 害虫に弱い

 

人でいえば背が高いのはメリットにつながりますが、稲穂はそうはいきません。

なぜなら、風の影響を受けやすいから。

強風で穂が倒れてしまう恐れがあるんです。

 

さらに、虫。

虫による被害も深刻です。

なので、育てたい気持ちよりも『育てにくさ』が勝ります。

 

そのため『亀の尾』は、1970年を境に生産が激減。

亀の尾がもつデメリットを克服したブランド米(コシヒカリササニシキ等)が生まれたことで、幻へと消えていきました。

 

こうして幻となった『亀の尾』。

ふたたび世に姿を現すのは十数年後の1983年です。

そこからは小さく小さく栽培され、小さく小さく仕込み米としても使われるようになっていきます。

 

“幻の酒米

 

始めはネガティブな言葉だったのかもしれません。

消えたというよりは、消された。

減少というよりは、衰退。

ダメだから、消えた。

そんな、デメリットから起きた現象だったに違いありません。

 

ですが現在。

『亀の尾』は復活し、酒米としての価値を高めています。

幻をポジティブに捉え、希少性という武器も得ました。

 

あとは、味です。

実際に飲んでみてどんな味わいだったのか。

もう少しお付き合いください。

 

まんさくの花 純米吟醸 生もと亀ラベル』の感想は?

これがまた複雑な味わいで、がんばってひとことで表すとすればこうなります。

 

“うまみから渋みへ”

 

まず、香りはあまり印象に残りません。

吟醸酒でよく聞くフルーティーさはなく、やや酸といった感じ。

 

味わいはもう“亀の尾らしい”。これに尽きます。

 

しっかりとした酸味に小さな甘み。

日本酒度は+0.5なのですが、数値ほど甘いとは感じませんでした。

そして、香りでも感じた『フルーティーさのなさ』が、味わいには大きく影響しています。

というのも、米のうまみがダイレクト。

うまみ、甘み、酸味から、渋みに向かって広がらずにまっすぐ進みます。

 

「渋み? 苦みじゃなくて?」

 

と思われたかもしれません。

ただ、これに関しては苦みという感覚ではありませんでした。

やはり渋み。

渋みがしっくりきます。

 

なので、うまみから渋みへ至ることで、飲みごたえが抜群。

裏ラベルにもある『ボリューム感』という言葉の意味がありありと感じられました。

 

ちなみに、騙されたと思って舌でゆーーーーっくりと味わってみてください。

ほんのりミルキーが酸が楽しめます。

ファーストインパクトこそ強い酸でしたが、味わう時間を設けることで印象が変わります。

奥のほうにある酸もぜひ楽しんでみてね。

 

まんさくの花 純米吟醸 生もと亀ラベル』の商品情報

 

まんさくの花 亀ラベル』シリーズの発売時期一覧

『亀ラベル』シリーズは、1月の『生もと』を始まりにこのようになっています。

 

  • 1月:生もと亀ラベル
  • 3月:亀ラベルGOLD(生)
  • 4月:亀ラベル(生)
  • 7月:愛亀ラベル
  • 10月:亀ラベル
  • 11月:亀ラベルGOLD

 

こうやって見てみると、仕込みの時期である冬季に『生酒』を。

それらを半年ほど寝かせて、秋季に『火入れ』を発売していますね。

 

ちなみに、『GOLD』は純米大吟醸原酒。

愛亀ラベルは、亀の尾と愛山をつかった1本です。

 

まんさくの花 純米吟醸 生もと亀ラベル』の評価・レビュー:まとめ

いかがだったでしょうか。

あまり馴染みのない酒米に、かわいらしいラベルデザイン。

 

「気にはなるけどどうなんだろう?」

 

そんな悩みを解決できたでしょうか?

 

私が実際に飲んでみておもしろかったのは、「フルーツに例えようがなかったところ」です。

いつもならメロンだのマスカットだの苺だの、フルーツの香味に例えます。

ですが、今回はそれができなかった。

 

亀の尾は亀の尾。

 

以前、ゆきの美人の亀の尾仕込みを飲んだ方がこのような感想を残されていました。

 

「ゆきの美人らしくない」

 

その意味が“フルーティーさ”にあるのであれば、深く共感します。

同時に、それが“亀の尾らしさ”なのだろうという納得もできます。

 

ただ、酸とうまみの強さは『生もと仕込み』による部分もあるので、今回の味わいは『生もと亀ラベル』ならでは。

複雑な味わいは、複雑な組み合わせによって生み出されています。

 

この1本の味わいは、この1本にしか出せません。

 

年始の『亀』。

始まりの『亀』。

ぜひあなたもここから『亀ラベル』を始めて、制覇してみてはいかがでしょうか?

 

それでは、今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

※日の丸醸造がどんな蔵なのかざっくりまとめているので、こちらも読んでみてね。

 

www.saruami-sake.work