こんばんは、さるあみです。
まんさくの花って、異常に種類が多くないですか?
ずらりと並ぶ新商品、限定品の数々。
「え、これもまんさくの花なの?」というオシャレなものから、漢字だけのシンプルなもの。ラベルの色で酒米の違いを表現しているものだってあります。
まんさくの花というブランドは、売場に退屈を置きません。
“まんさくの花は、目で楽しめる”
これって、いまの時代にもっとも必要なものだと考えます。
とはいえ。とはいえです。
これは個人的な意見なのですが、
「選べないんですよ……多すぎて」
酒屋さんによってはひとつ前の季節限定酒が在庫になっていたりして、まんさくの花が冷蔵庫いっぱいになっていることだってあります。
結局、どれを買ったらいいのかがわからない。
わからないから、結局買わない。
なんてことがかなりの頻度であったのです。
私とおなじ思いを、あなたにはして欲しくありません。
この記事では、通年商品から1本、限定品から1本、巡米酒シリーズから1本。計3本を紹介していきます。
「迷ったらとりあえずこれ!」というものを集めましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
それでは、いってみましょう。
- 定番にして頂点『特別純米酒 うまからまんさく』
- 偽りのない季節限定酒『まんさくの花 純米大吟醸 超限定』
- 精米歩合70%の常識が変わる『まんさくの花 巡米 山田錦70』
- まとめ:次々出てくる新商品に、楽しそうな景色が見える酒造
定番にして頂点『特別純米酒 うまからまんさく』
1本目は、まんさくの花の超定番。
親の顔より見た1本。
日の丸醸造の蔵人さん達にもっとも飲まれている、『特別純米酒 うまからまんさく』を紹介します。
この1本、この一言しか要りません。
「結局、これ」
個人的には、このまま「今回はこのへんで」と閉じてしまってもいいくらい、言葉の要らない1本です。
それほどに、イチオシのイチ。
「いいからこれ飲んどけ」と、理由もいわずに手渡ししたい特別純米酒なのです。
スペックだけで見れば、
- 精米歩合55%
- 日本酒度+8
という、どこにでもある大辛口な日本酒に見えます。
大きく変わった感想も出てきません。
ところがどっこい。
飲めばわかります。わかってしまいます。
「飲み飽きないお酒って、こういうことなんだ」と。
『特別純米酒 うまからまんさく』は、辛いだけではありません。うまみがたっぷり。
静かにうまく、のどかに寄り添います。
しかもこの1本、合わせる料理を選ばないんです。
うまみがしっかりしているから肉料理だっていけますし、きのこ、山菜など滋味あふれるものにもよく合います。
まったく難しくない1本。
毎日飲んでも飽きない1本。
「結局これなんだよなぁ」としみじみ飲めるのが、この『うまからまんさく』です。
偽りのない季節限定酒『まんさくの花 純米大吟醸 超限定』
2本目は、まんさくの花の超限定。
その名もズバリ、『超限定』です。
発売は、5月、10月の年2回。
酒造りの終わりと始まりの時期にあたります。
この1本、ハッキリいってイチオシです。
グイグイ推します。
どうでもいいエピソードも交えてお伝えしていきますので、心して読んでください。
まずこの『超限定』、ただただおいしいです。
年度によってスペックに前後はありますが、毎年、おおよその中口。
なので、非常にバランスがいいんです。
ただバランスが良いだけなら挙げません。
“記憶に残る”バランスの良さがあります。
私のはじめての出会いは、土崎のちいさな酒屋さんでした。
たまたま入っただけで、今では名前も思い出せません。
ですが、ひとつだけ思い出せることがあります。
「すんげぇラベル(笑)」
店に入ってすぐの冷蔵ケースに、デカデカと『超限定』の文字。
「超限定(そう)なんだろうなぁ」としか思えないラベルに、一瞬で心を鷲掴みにされました。
正直、レジに持っていくまで、どこのお酒なのか見ていなかったほどです。
完全なるジャケ買い。
日の丸醸造さんの戦略にまんまと乗せられてしまいました(歓喜)
ラベルのインパクトって、重要ですよね。
と、そんな出会いから早数年。
毎年かならず買ってしまうのが、この『超限定』です。
甘めですが、文句なくうまいっ。
「私いま、良い酒を飲んでる~」と心から震える純米大吟醸です。
精米歩合70%の常識が変わる『まんさくの花 巡米 山田錦70』
これ、低精白のイメージが変わります。
『巡米酒』は、精米歩合が70%。
異なる酒米がほぼ月替わりで楽しめるシリーズです。
あくまでも予定ではありますが、例えば、『秋田酒こまち』であれば1月。
『美郷錦』であれば9月の発売。
今回紹介する『山田錦』はというと、5月が担当月となっています。
さて、そんな『巡米酒』ですが、あなたはここまででどう感じましたか?
「けど70%かぁ」
とは思いませんでしたか?
私は思いました。
実は私、70%精米の日本酒にいい思い出がありません。
たまたま出会いが悪かっただけかもしれませんが、手書きPOPを“書きたくない”と思えるほどの1本が70%精米だったんです。
もちろん、『巡米酒シリーズ』ではありません。
ただ、それは本当に衝撃的で、私にとっては『精米歩合70%=そういうもの』というイメージを穿つほどでした。
なので、『巡米酒シリーズ』を買うのには勇気がいります。
「本当に買う?」
という自問自答。ワンクッションが必要だったんです。
そんな自分を、平手で打ちたい。
往復で3回は打ちたい。
それほどに、この『山田錦70』はおいしい1本でした。
というのも、酒質はやっぱり浅いんです。
“やわらかくはない”と言ったら良いでしょうか。
奥行きや深みを感じるようなうまみではありません。
なのに、おいしい。
酸とうまみがパッと咲きます。
舌に沁みるような感覚はないのに、うまみが感じられるんです。
浅いところでうまいんです。
それは『山田錦』の実力なのか。
はたまた『日の丸醸造』さんの技術なのか。
正解はきっと『両方』です。
この1本は、私のトラウマを解消してくれました。
磨かずともうまいものはうまいのだ。
“うまいにも色々あるのだ”と教えてくれました。
『山田錦70』は年1回発売と、買うには狭き門ですが、見かけたら臆せず買っていただきたい1本です。
そして、沼にハマってください。
違う酒米も飲んでみたい、と。
そうすれば1年、楽しみが増えますから。
まとめ:次々出てくる新商品に、楽しそうな景色が見える酒造
今回は『まんさくの花』に絞って、おすすめしたい銘柄を3つ紹介してきました。
ちょっと長めの記事になってしまったので、疲れましたよね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
とはいえ、ここは秋田。酒処です。
酒蔵を数は30を超えます。
おすすめしたい銘柄は、まだまだたくさん。
ここまで読んでピンとこなかった、あるいは『ピンときたけど時期じゃなかった』という方に、まだまだおすすめの記事があります。
たとえば、甘いも辛いもなく、筆者がただおいしいと思った秋田の地酒を集めた記事。
たとえば、辛口だけに絞って書いた漢らしい記事。
あるいは、甘口ではなく『甘みがおいしい』と思って選んだ記事。
などなど、読み疲れたところに追い打ちをかけるような記事がたくさんあります。
どれも実際に飲んでみたものです。
“今、この瞬間”じゃなくても良いので、ぜひ読んでみてくださいね。
きっと、あなたの日本酒探しに役立ちますから。
ではでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。