こんばんは、さるあみです。
今回はシンプルに、木村酒造さんがどんな酒造なのかについて触れていきたいと思います。
ガチガチな文章で延々と歴史を語るような記事にはなりません。
ふわっと触れて、サクッと次へ。
そんな5分以内に読める記事にしていくので、肩ひじ張らずにゆっくりしていってくださいね。
それでは、いってみましょう。
- 木村酒造ってどんな酒造?
- 『福小町』の代表銘柄は?
- さるあみイチオシの『福小町』はこれだ!
- 忘れてはいけないもうひとつの代表銘柄『角右衛門』
- コロナ禍における木村酒造の取り組み
- 木村酒造ってどんな蔵?歴史、おすすめ銘柄まとめ
木村酒造ってどんな酒造?
木村酒造とは、秋田県湯沢市にある『福小町』を代表銘柄とする酒造です。
創業はなんと、1615年。
400年以上の歴史をもつ、秋田でも屈指の古豪です。
今でこそ『福小町』が全国区で有名ではありますが、はじまりの銘柄は『男山』という名でした。
『男山』といえば、今でもあちこちで見かける銘柄ですよね。
江戸時代には『剣菱』とならぶ兵庫の酒として有名になり、その名の由来は『男山八幡宮』にちなみます。
明治期の廃業により、名にあやかろうと全国各地で『男山』の名前だけが歩きはじめました。
ですが、おなじ時期。明治のころ。
木村酒造に転機がおとずれます。
それは、明治天皇の東北行幸(行幸とは天皇が外出することをいいます)
明治天皇が秋田におとずれた際、天皇の侍従長が泊まった先がなんと木村酒造でした。
その際に提供した『男山』にたいして、侍従長は「女性的な印象」を抱いたそうです。
こうして生まれた『福娘』。
そして、かの地に残る『小野小町、生誕の地』という伝説。
2つが合わさって生まれたのが『福小町』だったというわけです。
さて、木村酒造のこれまでついて少しだけ触れてきたところで、次は『福小町』についてみていきましょう。
『福小町』の代表銘柄は?
木村酒造がつくる『福小町』には、通年商品だけなく、季節限定品や限定流通品も存在します。
そのため、すべての銘柄を網羅するのはカンタンではありません。
たとえば、夏の公式オンラインショップで買えるものだけでも12種類。
- 純米辛口
- 純米吟醸
- 大吟醸
- 純米大吟醸
- 創業400年記念酒 純米大吟醸
- 純米吟醸 美郷錦55
- 純米大吟醸 百田40
- vintage2019 特別純米 雄町
- vintage2017 大吟醸 亀の尾
- 大吟醸 金賞受賞酒
- 夏はシャッキリ系 生酒 ふくこまち
さらに、酒販店や地酒屋で取り扱うもの、季節品などを加えると、数えきれないほどの種類になります。
なので、ここでは、
代表銘柄=通年商品
という定義で4つ紹介させていただきます。
ひとつめが、『純米辛口』です。
受賞歴としては、全国燗酒コンテスト2019において金賞をおさめています。
この1本の大きな特徴は、正式名称がわからないところにあります。
キャップ側のラベルには『純米』の文字。
ですが、大きな表貼りには『芳香辛口』と書いてあります。
ネットでは『検索』が肝となってくるので、『芳香辛口』なのか『純米辛口』なのか、はたまた『純米酒』なのか。
調べたいときにちょっと困るのが、この『純米辛口』です。
「え、ちょっと、それだけ?」
と思われたかもしれませんのですこしだけ補足させていただくと、『純米辛口』は『辛口』です。
日本酒度は+8。
燗でもイキイキとしますが、冷やしてキリっと味わうのも悪くない1本となっています。
詳しくはこちら。
2つめが、『純米吟醸』です。
受賞歴としては、KuraMaster2021においてプラチナ賞をおさめています。
『純米吟醸』の大きな特徴は、高水準なところにあります。
これはもう、「飲んでみてほしい」の一言です。
これがスーパーで買える。
それだけで秋田に住んでいてよかったと思える1本です。
詳しくはこちら。
3つめが、『大吟醸』です。
受賞歴としては、インターナショナル・ワイン・チャレンジ2012においてチャンピオン・サケを獲得しています。
『大吟醸』の大きな特徴は、香りの高さ、そして完成度の高さにあります。
香るべくして香り、広がるべくして広がる。
木村酒造はこの大吟醸を『作品』と書いていますが、まさにそのとおりだと感じます。
桐箱入りなので、自分用ではなく贈り物用にするのが最適です。
そして4つめが、『特別純米酒』です。
なぜ、格の高い『大吟醸』のあとにこのお酒をもってきたのか。
実は、この『特別純米酒』は、
- 自分用
- 贈り物用
- 手みやげ用
どの使い方にもオススメな1本なんです。
「ほぼ」というのは、最近になってネット通販で扱うお店がいくつか出てきたからです。
ですが、一応の肩書は『秋田県内限定流通』となります。
詳しくはこちら。
さるあみイチオシの『福小町』はこれだ!
個別記事をつくるくらいなので、『福小町』はそれなりの数を飲んできました。
なかでもイチオシしたいのが、先ほど紹介した『特別純米酒』です。
秋田県内限定流通だからオススメなのかといえば、そうではありません。
ごく単純に、味。
そして価格です。
参考価格は、
- 720ml:1,309円(税込み)
- 1.8L:2,618円(税込み)
日本酒度は+2のため、けっして辛口ではありません。
なので、辛口ではなくうまくち。
それも吟の精とぎんさんを55%まで磨いているので、クリアなうまくちとなっています。
ちなみに、先の紹介では『贈り物用』や『手みやげ用』にもとお伝えしましたが、わたしは完全に自分用として買っています。
また、居酒屋にあれば100%頼む1本です。
それくらい、何もない毎日によく似合う1本だと思っています。
忘れてはいけないもうひとつの代表銘柄『角右衛門』
これを忘れるなんてとんでもない!
地酒好きならむしろこちらから木村酒造を知った方も多いかもしれません。
木村酒造がつくるもうひとつのブランド。
『角右衛門』
木村酒造の公式サイトにいってもその存在には触れていません。
が、たしかに存在するのが『角右衛門』です。
『角右衛門』の大きな特徴は2つあります。
ひとつは、販路の狭さ。
そしてもうひとつが、挑戦のブランドであるところです。
販路はズバリ、特約店限定です。
おもに『地酒屋』さん。
大型の酒屋さんである『酒の英雄』や『酒のやまや』での取り扱いはありません。
そして、『酒屋』ではなく『地酒屋』と表現したのにも理由があります。
卸業者が間に入っている『酒屋』さんのラインナップは、スーパーとあまり変わりません。
卸業者が扱う物のなかから選ぶことになるからです。
ただし、『酒屋』さんによっては、近隣の酒造と直接取引をしている場合もあります。
その場合はすこし例外となります。
では、『地酒屋』さんとはなんなのか。
その答えは、先の例外です。
ただし、近隣だけではく、あらゆる酒造と直接取引している酒屋さんとなります。
そして、もうひとつの特徴である『挑戦』。
これは個人的な見解になってしまうのですが、『角右衛門』は蔵人の挑戦が詰まっているように感じます。
なぜなら、失敗を恐れているようにみえないからです。
たとえば、『角右衛門 夏酒 荒責混和 しろくまボトル』。
この1本は『荒走り』と『責め』を混ぜたものです。
『荒走り』とは、お酒をしぼったとき最初に出てくる部分のことをいいます。
よく言われる特徴は、荒々しさ。
荒々しさといっても、これは『新鮮でガス感があってまだ不安定な味わい』と捉えてください。
逆に『責め』は、最後に出てくる部分のことをいいます。
圧力をかけて搾りきるので、味わいは濃厚なものになります。
ただし、その際に雑味も出てしまうので、責め単体のお酒というものは多くありません。
なので、ふだん飲んでいる日本酒の大半は、『荒走り』『中取り』『責め』すべてを混ぜたものとなります。
でもそうなると、『荒走り』と『責め』の混ざりってなんだか不安になりませんか?
これが不思議なもので、口コミは驚くほど上々なんです。
むしろ、このお酒の発売を毎年心待ちにしている人もいるほどです。
さらに、私が「うまいなぁ~」と思ったのが、売り方です。
『荒走り』と『責め』を混ぜて売るということは、いちばんいい部分である『中取り』を単体で売ることができます。
1本の酒に2つの可能性。
この考え方はすごいし、うまいなあと感じました。
といったように、1本しか例にはとれていませんが、『角右衛門』が挑戦的である部分を紹介させていただきました。
コロナ禍における木村酒造の取り組み
飲食店の休業要請により大打撃をうけたのは、飲食店さんだけではありません。
お店に卸す側も根こそぎダメージを負っています。
酒造もそうです。
特に一升瓶は、飲食店さんに卸す分がほとんどを占めます。
そのため、酒造の売り上げは下がるばかりです。
そんなコロナ禍を、各酒造はさまざまなアイデアで乗り切ろうとがんばっています。
ひたすら耐えながらがんばっているんです。
☆木村酒造の取り組み
蔵見学やイベントなど、直接的な営業活動が根こそぎできなくなってしまったため、Instagram公式アカウントでの情報発信を精力的におこなっておられます。
また、情報といっても新商品の情報だけではありません。
蔵のなかを写真で紹介したり、なにげない蔵の日常を切り取ったり、日本酒ファンに刺さる投稿もたくさんあります。
そして、『地産地消』への取り組みとして、年1回しか出荷のない『別誂え』に『秋田酒こまち』と『AKITA雪国酵母UT-1』を使用。
さらに、日本酒蔵元応援プロジェクトに参加し、店頭で5500円以上買われた方にリーデルグラスをプレゼントしました。
ですが、それでもコロナ禍は止まりません。
冷蔵庫は圧迫されていくばかり。
このままではもう冷蔵庫に入らない……という状況で、寝かせていた熟成酒を解放。
ピンチを見事チャンスに変え、『純米生酒 夏はffな味わいで』を販売し完売させました。
さらにさらに、コラボ企画としてジェラートに『福小町 大吟醸』の酒粕をつかい、業界に夏の風を吹かせました。
「吉祥寺の大阪屋酒店さんと西荻窪のモンドジェラートさんのコラボ」ということなので、秋田の方よりも関東圏の方に刺さる企画かもしれませんね。
といったように、新しい試みや予定の変更など、柔軟な考え方をもって今を戦っておられます。
SNSなどで弱い部分を見せてくれることで、より親しみが湧きますよね。
これまでは遠い存在、あるいは近づき難い存在だった『酒造』が、職人の集まりである前に人の集まりなのだと気づかされます。
正直、なにも知らない私がこのような記事を書くのは恐縮でした。
ですが、すこしでも木村酒造さんが戦ってきた時間を知っていただきたく思い、こうして筆をとった次第です。
木村酒造ってどんな蔵?歴史、おすすめ銘柄まとめ
いかがだったでしょうか。
よく、ブログを書くならペルソナを設定しろといいます。
ペルソナとは、想定読者。
誰に向けて書いているのかをハッキリさせてから書くのが定石です。
ふだんの私の場合は、『友人』そして『過去の私』に向けて書いています。
ですが今回はちがいます。
今回のペルソナは『木村酒造の方々』です。
コロナ禍で戦う姿を、「みんな、ちゃんと見てます」「ちゃんと知ってますよ」と伝えたい。
みなさんの頑張りをここに残したい。
そんな思いで勝手に書いてしまいました。
それでは最後に、これまでの情報をまとめて終わりましょう。
5分で読める記事におさまった……かな?
それでは今回はこのへんで!
ここまで読んでいただきありがとうございます。