「辛口でスッキリとした大吟醸が飲みたい」
「ちょっとした話のタネになるような日本酒が欲しい」
本記事は、そんなあなたに向けた記事となります。
こんばんは、さるあみです。
今回は、貯蔵においてオンリーワンの蔵元、『喜久水酒造』からの一本。
通年販売で手に入りやすく、化粧箱もあるので贈り物にもおすすめです。
ラベルから得られる情報も多いので、話のタネにもしやすい一本となっています。
味はもちろん、貯蔵法についてもふれていきますので、どうぞ最後まで楽しんでいってくださいね。
それではいってみましょう。
『能代』とは?
『能代』は、秋田県能代市にある喜久水酒造でつくられている日本酒です。
喜久水酒造の創業は、明治8年。
西暦でいえば1875年なので、140年以上の歴史をもつ蔵となります。
つくった日本酒を白神山地の麓にある『鶴形トンネル』で貯蔵する方法をとっており、それが喜久水酒造の個性となっています。
そんな歴史のある喜久水酒造のなかで、『能代』は、蔵を代表するブランド。
なかでも『大吟醸 花散里』は、蔵を背負うといって過言のない一本です。
『花散里』とは、『はなちるさと』と読み、由来は平安時代までさかのぼります。
源氏物語という作品をご存知でしょうか。
光源氏を主人公とした紫式部の長編小説であり、『古典の中の古典』とまで称賛を受けている物語です。
その源氏物語のなかで、光源氏に寵愛をうけた女性はたくさんおります。
中でもいちばん有名で、いちばん立場が上だった人物は『紫の上』です。
ですが、2番目。
『紫の上』に次ぐ立場の者はとなれば、彼女の名があがります。
『花散里』、その人です。
容姿はそれほど美しくないが、温和で慎ましいをしていたという『花散里』。
その名を受けた『能代 大吟醸 花散里』の味わいもまた、慎ましいものなのでしょうか。
次の項では味についてふれていきますね。
『能代 大吟醸 花散里』の味は?
『能代 大吟醸 花散里』の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“控えめな香りと、キレのある辛口の存在感”
香りは立ち上るほど強くはなく、控えめといえば控えめです。
何度も嗅いでいると、ようやく何度も嗅いでいることに気づいて飲む体勢に入るほど。
飲み口は、やはりさすが大吟醸。
やわらかくすぅっと入ってきます。
味わいはしっかりとした辛口で、アルコール感をしっかりと覚えます。
舌の奥側と喉の入口に熱さを感じるので、のどごしに存在感がありました。
開栓初日には甘苦さを感じたのですが、時を重ねるにつれて感じなくなくなり、最終的には『キレのある辛口』という感想に落ちついています。
「あの甘苦さはなんだったのだろう」
疑問に思えど、もうあの味は感じなくて不思議な感覚です。
もう一度買って試すかと言われればNOで、やはりコスパの面で普段づかいには向きません。
親しい誰かと飲むとき。
お世話になったあの人に。
そんなときにこそチカラを発揮する一本と言えそうですね。
『能代 大吟醸 花散里』の商品情報
参考価格は720ml:2860円(税込)となっています。
『能代』の他におすすめの商品は?
実は、喜久水酒造のお酒は『能代』しか飲んだことがなく、味を知らないお酒をおすすめすることはできません。
ですので、代わりに同じ地域の日本酒。
県北地域の日本酒でおすすめの商品をいくつかご紹介しますね。
山本合名『山本 ピュアブラック』
秋田の蔵元集団【NEXT5】の一角であり、奇抜でうまい酒の数々には県外でもファンがいるほど。
なかでも『ピュアブラック』は、現代表がみずからの手でつくった渾身の一本です。
千歳盛酒造『チトセザカリ純米吟醸:桃色』
『桃色』はラベルも香りも美しい日本酒で、若い人にこそ手にとってほしい一本。
最初の日本酒として強くおすすめしています。
『能代 大吟醸 花散里』の感想・評価:まとめ
贈り物や手土産にするときに困るのが、生酒の扱いですよね。
要冷蔵だから長時間の持ち運びはむずかしいですし、手土産として渡しても相手に迷惑がかかることだってあります。
その点でいえば、『能代』は安心です。
火入れの日本酒なので常温での保管ができますし、化粧箱が濡れる心配もありません。
『花散里』の由来も『トンネル貯蔵』も、ちょっとした話のタネにできます。
そこから花が咲くかはあなた次第。
辛口の日本酒として自分で楽しむもよし。
贈り物として相手に喜ばれるもよし。
いろいろな楽しみ方ができる日本酒です。
どうぞ、一度手にとってみてくださいね。