こんばんは、さるあみです。
春酒の季節がきましたね。
紫外線の兼ね合いで茶色や黒のビンが多いなか、これからの時期はパステルカラー。
スーパーでは桜をあしらったラベルが目立つようになり、地酒屋さんにもピンク色のデザインが散見されるようになります。
なかでも今年は、2022年の春カワセミはひと味違います。
これまでのビンは鮮やかな水色でしたが、今年はほぼ無色透明。
底面に溜まる澱がしっかりと見えるデザインです。
カワセミが戻ってくる春をイメージしたラベルも、見る人に冬の終わりを感じさせてくれます。
まさに春告げの酒。
ひと足早く、秋田に春を運ぶ酒です。
さて、そんな『春カワセミ』ですが、いったいどんなお酒で、どんな味わいだったのか。
ちょっと見ていきましょう。
- 『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』ってどんな日本酒?
- 『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の感想は?
- 『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の商品情報
- 『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の感想・レビュー:まとめ
『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』ってどんな日本酒?
『刈穂 純米吟醸 春カワセミ』は、『カワセミ』の新酒生酒バージョンです。
発売時期は、2月中旬。
暦の上では春とされる時期ですが、秋田ではまだまだ冬まっさかりな時期に発売されます。
そのため、春酒としてはややフライング気味。
アパレル業界に負けないスピード感で、季節の移り変わりを告げる1本です。
『春カワセミ』の大きな特徴としては、澱引きしていないことが挙げられます。
澱引きとは、タンク内に沈殿した澱を取り除くこと。
実は、しぼってすぐのお酒には酵母などの細かい固形物が満遍なくふよふよしています。
なので、本来であれば数日置いて、澱を底に沈殿させてからビン詰めをします。
『春カワセミ』にはその工程がないため、タンクのなかには澱が残ったまま。
浮遊していた澱はビンのなかで沈み、底面には雪が積もったかのような白が映るというわけです。
とはいえ、「ビンに澱が残ったまま」と言われると、まるで悪いことのように聴こえますよね。
実はこれ、真逆なんです。
だって、考えてみてください。
一般的な日本酒は、澱を沈殿させるために、しぼったお酒を数日置くんです。
数日、置くんです。
となると、『新鮮』にも限度があります。
では『春カワセミ』はというと、澱引きしていません。
ということは、どこまでも新鮮。
なぜなら、しぼってすぐにビン詰めしているからです。
重い冬が終わり、軽快な春が訪れる。
そんな、季節を詰め込んだかのような1本が、この『春カワセミ』なんです。
『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の感想は?
『春カワセミ』の味わいをひとことで表すのならこうなります。
“春詰めの酒”
まず、香りが鮮烈!
待ちきれない春がきてます。
甘み少なめの、酸が弾けるような香りがたまりません。
口当たりはまろやかで、ずっと鮮やかな香味が続きます。
味わいは、山なりな甘み。
ふんわりとしていて、秋田酒こまちらしさが明るく漂います。
そして何よりこの甘み、舌にまとわりつきません。
スッと入っていくからまったくクドくない。
刈穂らしい硬さでスッキリと飲ませてくれます。
ビンをひっくり返して澱を混ぜると、アルコール感がマシマシに。
甘みが控えめに感じられます。
また、逆さまにして澱が混ざっていく姿は、どこか幻想的に映ります。
なので、ぜひやってみてください。
この混ざり方はひとつの芸術です。
ゆっくりと漂いながらひとつになっていく姿は、無色透明なビンだからこそ映えるのかもしれませんね。
全体を通して感じたのは、気持ちの向きです。
具体的には、上を向きたくなる明るさがあります。
冷やしたことで最大限に発揮される“凛とした口当たり”は、まさに春の訪れ。
風向きが変わるのを感じる1本でした。
『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の商品情報
『刈穂 純米吟醸 春カワセミラベル』の感想・レビュー:まとめ
熱燗を楽しむ日も少なくなかった今冬ですが、そうなるとやはり重めの日本酒が中心です。
気取らず気張らず飲める1本が、私のそばにはありました。
だからこそ、『春カワセミ』の明るさには驚きました。
「あ、もうそんな季節なんだな」と。
まだ底冷えする夜が続く秋田にも、冬の出口が見えてきました。
次に見えるのは、春の入口です。
そのとき、あなたがどんな日本酒を片手に持っているのか。
私はこの『春カワセミ』であればいいなと心から思います。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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