こんばんは、さるあみです。
秋田県の木村酒造といえば『福小町』をつくる蔵として有名です。
- 2012年のIWC(インターナショナルワインチャレンジ)において、最高賞を獲得した『大吟醸』
- フランスで行われたKuraMasterにおいて、プラチナ賞を獲得した『純米吟醸』
- 全国燗酒コンテスト、賞レース常連の『芳香辛口』
などなど、やはり『福小町』というブランドが強く発信されています。
でも、ちょっと待ってください。
忘れてはいませんか?
木村酒造といえばもうひとつ。
忘れてはいけないブランドが存在することを。
『角右衛門』
木村酒造がかもす限定流通品です。
地酒屋さんでしか取り扱いはありませんが、取り扱う地酒屋さんが多いため、手に入らないというデメリットは抱えていません。
そんな『角右衛門』シリーズにおける定番品である『美山錦仕込』を、今回はレビューしていきます。
ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね。
- 『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』ってどんな日本酒?
- 『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の味は?
- 『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の商品情報
- 『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の感想・レビューまとめ
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』ってどんな日本酒?
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』は、美山錦を60%までみがいた特別純米酒です。
おおよその甘辛度をあらわす日本酒度は+3。
やや辛口の数値となります。
酸度は1.5と、高くもなく低くもない平均的な値です。
そして、角右衛門の裏ラベルのおおきな特徴として、『親切さ』が挙げられます。
なぜなら、味わいの説明がすごく丁寧。
たとえば、今回の『美山錦仕込』であればこのように書いてあります。
秋田酵母の特性を生かし、爽やかに広がる香りや甘酸辛苦渋の五味と旨味、コクを併せ持つ味わいを表現してみました。冷やからぬる燗まで様々な温度帯でお楽しみ頂けます。
これでも『美山錦仕込』はシンプルなほうで、『五百万石仕込』のほうはもっと丁寧で伝わる表現がなされています。
裏ラベルを読んでおおよその味わいが想像できるというのは、買い手としてうれしいところですよね。
では、実際に飲んでみてどうだったのか。
感想に移っていきましょう。
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の味は?
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の味わいをひとことで表すとこうなります。
裏ラベル様のおっしゃるとおり!
『甘』は控えめで、『酸』と『辛』がバランスよく舌に広がります。
さらに、奥からは『苦』が現れて、最後は『渋』が混ざっていい余韻。
この余韻が、ちょっと大人の味かもしれません。
人の味覚は『甘酸辛苦』の順で変化していくといわれています。
幼いころは甘いを好み、やがて酸味を知り、辛さに慣れ、苦いをうまいと感じるようになる。
この『苦いをうまいと感じる』かどうか。
そしてその先。
日本酒業界にある『渋』の味わいをどう受けとめるか。
この、年月とともに育つ味覚こそが、『美山錦仕込』への評価につながります。
ちなみに、20代の妹の感想は「あと味がちょっと苦い」。
私の感想は、「あと味になんか渋みがある?」でした。
というように、感じ方は世代によって少しちがうようです。
おもしろいですよね。
とはいえ、『苦』も『渋』も決して悪いものではありません。
どちらも「あと味の引き締め」につながるものです。
これら2つの味わいがあるからこそ、飲み飽きせずダレることのない味わいを生んでいるんですね。
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の商品情報
『角右衛門 特別純米酒 美山錦仕込』の感想・レビューまとめ
『福小町』と『角右衛門』、どちらがおいしいか問われると私は選べません。
ただ、2つを分けるとしたらきっとこうなります。
『福小町』は、万人受けするブランド。
そして『角右衛門』は、挑戦のブランド。
『福小町』は、『蔵の顔』となるブランドです。
いってしまえば、賞をとるための日本酒。
対する『角右衛門』は、それを度外視したブランドなのではないでしょうか。
つまり、
うちの蔵で米だけ変えたら。
うちの蔵で酵母だけ変えたら「こうなります」、という挑戦を売るブランドこそが『角右衛門』だといえそうですね。
だからこそ、選べません。
『蔵の顔』も『挑戦』も、どちらも楽しんじゃいましょう。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※日本酒選びに迷ったら