こんばんは、さるあみです。
秋田でもっとも古い酒造が送る、にかほ市の四季をイメージしたシリーズ。
『FOURSEASONS』
長い長い冬が終わり、着るものに迷いが生まれる頃、この1本が出ます。
“FOURSEASONS《春》うすにごり”
その味わいは、ラベルの静けさからは想像もできないものでした。
正直、ひとくち飲んで震えました。
いろんな意味で電撃が走ったんです。
この気持ちを急いであなたに伝えます。
情報よりも感想を。
さあ、いきましょう。
- 『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の感想は?
- 『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』ってどんな日本酒?
- 『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の商品情報
- 『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の評価・レビュー:まとめ
『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の感想は?
『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の味わいをひとことで表すのならこうなります。
“高い甘みが霞む、怒涛の酸”
まず、香りがきれい。甘酸っぱくてベリーのよう。
香りの時点では、まだ味わいをイメージできません。
ですが、ひとくち。
たったひとくちで、目が覚めます。覚醒します。
とんでもない酸味!
口に入れてすぐ来ます。
よく柑橘類に例えられる日本酒の酸ですが、これは例えるものがありません。
ただ強烈。
シンプルにすっぱいです。
私はよく、苦みのない酸味を感じたときはグレープフルーツに。
苦みのある酸味を感じたときはピンクグレープフルーツに例えます。
ですが今回は。
今回は、グレープフルーツを越えています。
もはや乳酸菌の酸っぱさです。
怒涛の酸に追いつこうとする甘み。
その甘みに必死でしがみつく苦み。
正直、こうもピーキーだと楽しくて仕方ありません。
好みこそ100%分かれてしまう味わいですが、この面白さはクセになります。
また、そのまま飲んだ後は、ぜひソーダで割ってみてください。
世界が変わります。
1:1で苦み爽やか。深みが残ります。
日本酒から足が出ないところで楽しみたい人は、半々までがオススメです。
ですが、もっと飲みやすく。
もっと爽快にぐいぐい飲みたい人は、こちらがオススメです。
2:1。
ソーダ2に対して『FOURSEASONS』が1の割合にすることで、チューハイ気分。
ちょっと苦みが残る大人のチューハイになります。
「試しに買ってみたけど口に合わない」という人も、ぜひ『割る』という選択肢を入れてみてくださいね。
『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』ってどんな日本酒?
順番がいつもと違いますが、ここで答え合わせのようなことをしてみましょう。
実はこの『FOURSEASONS《春》うすにごり』……
日本酒度と酸度が度肝を抜く数値です。
- 日本酒度:-24
- 酸度:4.4
※2022年醸造物の数値
まず、甘辛度をあらわす日本酒度なのですが、0が中間ですよね。
プラスなほど辛く、マイナスなほど甘くなるとされています。
また、+6以降が大辛口。
逆もまたしかりで、-6以降が大甘口となります。
となると、-24ってとんでもない数値だと思いませんか?
「どんだけ甘いんだよ」と。
おもわず身構えてしまう数値ですよね。
私は以前、『花柳界』という日本酒を飲んだことがあるのですが、あちらの日本酒度も-27と大甘口でした。
『洋菓子に合う日本酒』というコンセプトがあったため、味わいに酸はほぼなく、甘みは純粋。
丸みのある甘みが、溶けるように感じられる1本だったのを覚えています。
だからこそ、今回の『FOURSEASONS《春》うすにごり』には度肝を抜かれました。
「酸度でこうも違うのか!」
4.4なんて突き抜けた数値はなかなかお目にかかれません。
酸を売りにしている日本酒でも1.8~2.1程度。
レモンのような酸味で有名な『刈穂のホワイトラベル』ですら3~4のあいだです。
まさに怪物。
甘みを霞ませるほどの酸に、『雛』や『鵠』を生んだ『飛良泉』らしさを見ました。
さて、ここからはほんのちょっとだけ専門用語が出てくるので、飛ばしちゃってOKです(私なら飛ばします)
『FOURSEASONS《春》うすにごり』には、きょうかい酵母No.77が使われています。実は、この酵母こそが高い酸度の肝なんです。
きょうかい酵母No.77。
通称『リンゴ酸高生産性多産酵母』
「むずかしく書きやがって!」と思いますよね。
私はそう思いました。
要するに、“リンゴ酸が多くて酸度が高くなる酵母”です。
なので、酵母に7のゾロ目を見たら酸度に注目!
おもしろい日本酒に出会えるかもしれませんよ。
『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の商品情報
『飛良泉 FOURSEASONS《春》うすにごり』の評価・レビュー:まとめ
鳥海山の残雪と春かすみから着想を得た、飛良泉の“うすにごり”。
その味わいは衝撃的でした。
「日本酒ってこういうもの」
そんな常識が、覆ります。
なので、もしかしたら年配の方にはオススメしづらいかもしれません。
というのも、やはり『常識』。
「日本酒はこう!」
という長きにわたる経験が、新しい味わいを拒むかもしれないからです。
オススメするとすれば、20代、あるいは女性でしょうか。
流行を眺めるのではなく、乗る世代。
日本酒に「おいしい」だけでなく「楽しい」を求める人にこそ飲んでいただきたい1本です。
『FOURSEASONS』のうすにごりは春限定です。
見かけたら臆せず手に取ってみてくださいね。
ちなみに、『FOURSEASONS』の4本を並べると、ラベルが連なって『ひとつの鳥海山』が現れます。
「見たい!」という方は1年かけて。
あるいは、私が4本集めるのを待っていただけるとうれしいです。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。