こんにちは、さるあみです。
秋田県の南部にある『にかほ市』が、『住みよさ』ランキング北海道・東北地区で1位をとりましたね。
子育て政策が評価されたということでした。
実際、『18歳以下の医療費』という点でいけば、国の制度だけでなく、市独自の助成制度を設けています。
その制度なんと、
“出生から高校卒業まで、18歳以下の医療費が全額助成”というもの。
さらに、人口当たりの事件・事故の少なさも評価されました。
小売店の面積や数も好評価であり、利便性が評価されたのも大きな一因となっているのかもしれません。
少子高齢化の進む秋田県ですが、このように『新しい生命』にとって良い環境が整いつつあります。
あとは『住みたい』という気持ち。
住みたいという気持ちが引き出せるか。
いかに、その魅力を知ってもらうかが焦点になってきそうですね。
にかほ市の酒蔵を一軒、紹介したいと思います。
にかほ市といえば飛良泉一強。500年以上の歴史は、災害でも折れない蔵人の魂が支柱となっている。
となりを覗けば由利本荘市。酒蔵4軒。
ですが、にかほ市となればこの飛良泉本舗の一強です。
創業は1487年。
代表銘柄は、いわずと知れた『飛良泉』です。
さて、この飛良泉。
名前の由来を知っていますか?
『飛』『良』『泉』……語感がいいですよね。
この酒銘は、地元の画家が友人に酒を贈った際に添えた手紙。
「飛び切り良い白い水」
という一文からきているのだそうです。
白い水、というのがまた味のある表現ですよね。
当時の酒がどういったものだったのか。
今とは少し質が違ったのだろうと想像できます。
そんな飛良泉本舗ですが、特徴はなんといっても伝統の山廃仕込み。
県民に代表銘柄を問えば、ほぼ間違いなくこう答えることでしょう。
「山廃純米酒」と。
そのくらい飛良泉本舗は、山廃仕込みの名手として名高いのです。
「じゃあ、そもそも山廃仕込みってなに?」
という方も多いかと思います。
飛良泉だけでなくさまざまな銘柄に記載されていますし。
山廃仕込みとは、『山卸し』という『蒸米を人力ですりつぶして粥状にする作業』のことをいいます。
これが非常に重労働とされていて、これを失くす。すなわち『廃止』すること。
『山卸し』を『廃止』する。
だから、『山廃』。
というようになるわけですね。
そうすると今度はこんな疑問が浮かんできませんか?
「え、その行程って失くして大丈夫なの??」
「大事な行程じゃないの?」
そうなんです、大事な行程なんです。
ただ、人の手でやる必要が必ずしもない行程、でもあったんです。
産業の機械化が進んだように『山卸し』もまた、人の手以外のものを借りることで可能となりました。
それが、麹です。
麹の酵素で溶かす。
それで粥状にすることが可能となりました。
「なんだ、利点ばっかりじゃん!」と思われるかもしれません。
ですが、物事にリスクはつきもの。
あるんです、山廃にもリスクが。
仕込みの途中での腐敗。
このリスクがあるから山廃仕込みを避ける蔵人もいるくらいです。
山廃仕込みには、長い経験とセンスが必要とされます。
それを踏まえた上で、飛良泉本舗に目を向けてみてください。
“特徴はなんといっても伝統の山廃仕込み”
難しいとされる山廃仕込みが特徴であり、売りになっている。
その実力が伺えると思いませんか?
若き蔵元がつくる『飛囀』シリーズ。種類は5種に。
飛良泉の27代目となる若き蔵元、齋藤雅昭氏が手がける新ブランド『飛囀』。
2018年10月に始まった同シリーズ。
先月発売の『金』『銀』を合わせると5種類にまで増えました。
『金-KONJIKI-』は、酒米に秋田酒120号を使用。
『銀-SHIROGANE-』は、蔵付き酵母『BL531』を使用しています。
味の感想についてはまだ飲んでいないので書けませんが、公式によると、
『金は淡麗で程よい酸味。銀はコクがあってみずみずしい。』
ということでした。
蔵付き酵母『BL531』の『BL』。
こちらは血統を表す『BLOOD』から。
『531』は酵母の製造が531年目に当たったことが由来となっています。
飛囀シリーズのコンセプトは、若い世代も楽しめる日本酒。
そして、幅広い世代の酒を交わしたつながり。
歴史ある蔵の新たな試みは、日本酒の世界の追い風となってくれそうですね。
まとめ
飛囀シリーズ新商品『金-KONJIKI-』と『銀-SHIROGANE-』。
飲みたい。
なにせ販売は蔵元指定の酒販店のみで、ほぼ秋田県内限定発売です。
そんな日本酒となれば、ぜひ主観での感想が書きたい。
なんなら過去の3作品はすべて飲んでおり、このブログにも載せています。
気になった方はリンクを貼っておきますので、よろしければ。
【蔵元渾身のシリーズ】飛良泉本舗『飛囀 雛(HINA)』、飲んでみました! - 秋田の日本酒、はじめませんか?
【蔵元渾身シリーズ】飛良泉本舗『飛囀 HIBARI』、飲んでみました! - 秋田の日本酒、はじめませんか?
【蔵元渾身!】飛良泉本舗『飛囀 鵠(HAKUCHO)』、飲んでみました!【読めない】 - 秋田の日本酒、はじめませんか?
新しい試みがあちこちで始まり、『住みやすい町』という評価も高まっている秋田県。
都会の喧騒を忘れるための観光スポットではなく、移住スポットとして有名になってくれれば活気づきますよね。
私にもできることがあればいいのですが……。
ということで、今回の記事はいかがだったでしょうか?
『住みやすい』は内部。
『住みたい』は外部からの意見。
『住みやすい』と『住みたい』の差は今後の課題となりそうですね。
それでは今回はこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
みなさん、よい生活を!
■飛良泉本舗
TEL 0184-35-2031
見学 可(要予約)繁忙期は除く
受け入れ可能時間帯 平日9:00~16:00
駐車場 有り(数台)