こんばんは、さるあみです。
今回は、あのまんさくの花で有名な『日の丸醸造』さんをご紹介していきます。
どんな蔵なのかにふれながら、代表銘柄やおすすめ銘柄。そして、コロナ禍における取り組みをお伝えしていきます。
あまり長い記事にはしませんので、肩ひじ張らずに読んでいただけるとうれしいです。
それでは、いってみましょう。
※すみません。書ききってみたら割と重めな記事になってしまいました。ちょっと肩ひじ張ってお読みください。
日の丸醸造とは?
創業は1689年と古く、300年以上にわたる歴史を増田町とともに築きあげてきました。
造りの大きな特徴としては、
- あえての小仕込み
- 精米はほぼ自社で行う
- とにかく数値化
- 冷蔵庫の大きさは県内最大級
これら4つが挙げられます。
あえての小仕込み、で注目してほしいのは『あえて』の部分。
大量生産をもくろむと、どうしても大量の酒米を扱うことになります。
そうすると、機械だとどうしても酒米の温度や吸水にムラが出てしまうんです。
だからこそ、小さく仕込む。
手作業の範疇でまかなえるよう、あえての小仕込にこだわっています。
そして、精米はほぼ自社で行う。
これはどちら側に意外性をもったかで感想もかわってくるかと思います。
「そもそも精米って自社でやるもんじゃないの?」という方もいれば、「自社で精米するところって少なくなったよね」という方もいるはずです。
特に、米どころでなければ県外からの買い付けが多くなり、『精米されたもの』が届く酒造も少なくはありません。
日の丸醸造はというと、近隣に契約農家さんがいらっしゃるので自社精米がほとんど。
ただ、秋田県では栽培がむずかしいお米もあるので、「ほぼ」となっています。
そして、とにかく数値化する。
これは『分析する』と言い換えてもいいかもしれません。
一般的な酒造では測定しない数値まで『見える化』することで、全国トップクラスの分析量をたたき出しています。
そしてそして、冷蔵庫の大きさに驚くなかれ。
可能な貯蔵量は、なんと20万本!
冷蔵庫の数までは書いていなかったのですが、『含む賃貸』とあったので、複数所有しているものと思われます。
20万本ってすごいですよね。想像もつかない本数です。
仮に720mlを15本入のP箱にいれて貯蔵したとしても…………計算ができません。
といったように、
- 手作業でできることは手作業で丁寧に
- 地元栽培のお米を大切に
- 日本酒を『見える化』して
- 設備投資は惜しみなく行う
ざっくりとですが、日の丸醸造さんをまとめるとこのようになりました。
細かい造りをみればもっともっと特徴はあるのですが、これ以上は『同業者向け』になってしまうのではないかと思ったので割愛させていただきます。
日の丸醸造の代表銘柄は?
そして代表銘柄なのですが、大きくわけると3つあります。
ひとつがもちろん『まんさくの花』。
ひとつが、『日の丸』。
そしてもうひとつが、『うまからまんさく』です。
『まんさくの花』は誰もが最初に思い浮かべるであろう、日の丸醸造の代名詞的存在ですよね。
名前の由来は、同名のドラマから。
1981年に放送されたNHKの連続テレビ小説『まんさくの花』より生まれました。
私はまだ生まれていなかったのですが、当時は横手市が舞台だったこともあり話題になったそうですね。
さて、そんな『まんさくの花』が伝えたいもの。
それは、体験と感動です。
さまざまな米をつかって挑戦することで、得られた体験や感動を伝えていくことを信条としています。
実際、『まんさくの花』は通年商品を変わらぬ味として、季節限定品ではさまざまな米と酵母を組み合わせています。
『巡米酒』シリーズがまさにそう。
この季節限定品については、後述しますのでもうちょっとお待ちください。
そして、もうひとつの代表銘柄が『日の丸』です。
「ん? そんな銘柄あったっけ?」と思われたかもしれません。
それもそのはず。
実は『日の丸』は、地元消費がメインの昔ながらのお酒なんです。
だから、販売はおもに横手市内。
塩分の多い郷土の味に負けないよう、しっかりと骨太な味わいに仕上げた1本です。
そして最後に、忘れるなんてとんでもない1本がこちら。
『うまからまんさく』です。
『うまからまんさく』は、辛口といえば淡麗という概念をくつがえした1本です。
目指したのは、うまみある辛口。
辛いだけではない味わいを、吟の精と秋の精をつかうことで完成させています。
蔵人たちが普段もっとも愛飲している1本としても知られており、ファンの多い銘柄です。
日の丸醸造でおすすめのシリーズは?
というわけで代表銘柄を紹介してきましたが、日の丸醸造の日本酒って枝が多いんです。
とにかく多い。
『まんさくの花』という太い幹にいくつもの枝があり、ひとつとして枯れることなく鮮やかな色を映しています。
なかでも先ほどチラッと名前だけ出した『巡米酒』シリーズ。
こちらを外すことはできません。
なぜなら『巡米酒』は、日本酒好きが求めたものだからです。
『巡米酒』シリーズの大きな特徴は、『米だけが違うところ』にあります。
ただ本当に、酒米だけが違うんです。
だから、酒米の味がダイレクト!
発売月ごとに原料米をかえているので、その時々でおもしろい酒米に出会うこともあります。
特に、『星あかり』や『朝日』のような、あまり見かけなくなった酒米を楽しめるのもうれしいところです。
「酒米でそんなに変わるもん?」
「俺は山田錦しか認めん」
そういった方にこそ飲んでいただきたいシリーズになっています。
\詳しくは、公式サイトの商品紹介をみてね/
さるあみイチオシの1本はこれだ!
ここまで『巡米酒』シリーズを推してきたので、私のイチオシはもちろんこちらです。
『特別純米酒 うまからまんさく』
どこにでも売っていて、通年商品で、しかも常温で保管ができる。
もう最強です。
おいしい日本酒=要冷蔵=地酒屋さんでしか買えない。
そんなことはまったくないのだと私に教えてくれた1本です。
詳しくはこちら。
日の丸醸造のコロナ禍での取り組み
さて、ブロガーがブログを書く理由は、知ってほしいことがあるからに他なりません。
今回の記事もそうです。
これが書きたくて。これを知ってほしくて筆をとりました。
コロナ禍における日の丸醸造の取り組みは以下のとおりです。
- 蔵ガチャ
- 山田錦パックごはんプレゼント
- リーデルグラスプレゼントキャンペーン
- 秋田の酒造ロゴ入りエコバッグプレゼント
- 福箱のオンライン販売
- まんさくの花オリジナルタンブラーの発売
- 新商品プレゼントキャンペーン
- 搾ったその日に急いで発送!緑色の新酒キャンペーン
- フォロー&いいねでいろいろ当たるキャンペーン
SNSでフォロワーとの交流を盛んに行っており、プレゼント系のキャンペーンをいくつも行ってきているのが大きな特徴です。
さらに、日本酒の枠を飛びだしてオリジナル商品の開発。
蔵解放ができないと見るや、限定商品をオンライン販売するなど、とにかく頻繁に明るい話題を届けてくれていました。
ですが。
ですがです。
日の丸醸造の取り組みにおいてもっとも語らねばならないのは、以下の2つなんです。
- 『精撰 日の丸 1.8L×2本』無料提供
- 苦しい内情を包み隠さずに明かす
まずは、『無料提供』です。
この企画は、コロナウイルス感染拡大防止につとめている飲食店・酒販店にむけてのもので、業界を応援するために起こした企画でした。
4,000円相当のお酒が送料のみでいただけるということもあり、反響はたくさん。
この企画を応援しようとフォロワーさんたちがストーリーズで宣伝したりと、Instagramを賑わせました。
ですが、忘れてはならないことがあります。
それは、酒造の困窮。
酒造もまた苦しんでいるんです。
酒を飲む場を悪とすることで、飲めない環境が生まれました。
酒造にとって、飲食店は大きな買い手です。
飲食店が機能していなければ、日本酒にも大きな動きはありません。
それは、だれが言わずとも、火を見るよりも明らかでした。
ですが、日の丸醸造があげた声にはその先があったんです。
『一升瓶が売れない』
考えたことはあったでしょうか。
お酒で一括りにして、『お酒が売れない』としか意識しか持ってこなかったのではないでしょうか。
そうなんです。
飲食店は一升瓶で買い付けてくれるんです。
逆に、個人の買い手を思い浮かべてください。自分でもいいです。
一升瓶って買われますか?
冷蔵庫事情もありますし、いろんなお酒が飲みたいし、なかなか個人では買わないのではないかと思います。
だから、『一升瓶が売れていない』ことに気づかなかった人も多いはずです。
そして、一升瓶が売れないことでどうなっていくのか。
日の丸醸造が鳴らした警鐘は、まさに盲点でした。
日の丸醸造ってどんな酒造?歴史、おすすめ銘柄まとめ
いかがだったでしょうか。
コロナ禍にある窮状を包み隠さず、かつ、アイデアで買い手を楽しませてくれる姿は、むかしの酒造には見られなかった光景なのではないでしょうか。
やっぱり、どの業界においても「うちは大丈夫だ」と思いたいものです。
それはもう『見栄』なのかもしれません。
だから、「困っています!助けてください!」と声をあげることができない経営者もいるはずです。
ですが、声をあげることで変わることがあります。
知らなければ人は手を差し伸べられません。
日の丸醸造さんの言葉は、たくさんの人を巻きこんで大きくなり、全国に認知されました。
応援して、応援されて。
売り手の目線が下がることで、機械的ではない売り買いができるようになります。
それはきっと、商売の原点なのではないでしょうか。
ということで、なんだかすみません。
私自身、時期が違えばこのような重いまとめにはならなかったと思います。
ですが逆に、今だからこそ。
今だからこそ、データベースとしての記事ではなく、気持ちの入った記事が書けた気がします。
できれば、より多くの人に。
日の丸醸造さんの取り組んできたことを知っていただければうれしいです。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ちなみに、日の丸醸造公式サイトではバーチャル蔵見学もできます。
とにかく明るくて親切なサイトなので、ぜひ一度見てみてくださいね。
\公式サイトへはこちらから/