こんにちは、さるあみです。
NEXT5の蔵元でいちばん有名なのは間違いなく新政かと思います。
ですが、
「いちばんおいしいのは?」
となると、話は違ってきますよね。
お酒は嗜好品。好みは分かれるものです。
みんながうまいと言っているお酒が、必ずしも自分にとって最高のお酒ではありません。
というわけで今回は、去年1年かけて100本の秋田酒を飲んださるあみが、NEXT5の中でいちばん好きな蔵元をご紹介。
さらに、その蔵元が冬にだけ出す日本酒を1本ご紹介します。
NEXT5と聞いて新政を想像する人にこそオススメしたい記事となっています。山本を想像する人にもかな……。
どうぞ最後までゆっくりしていってくださいね。
- 栗林氏の誠実さがそのまま形となった『春霞』という日本酒
- 『春霞 栗ラベル白 酒こまち生』。その評価はブランドの味わいそのもの。
- 『春霞 栗ラベル白 酒こまち生』の詳細スペック
- まとめ:人柄の日本酒『春霞』
栗林氏の誠実さがそのまま形となった『春霞』という日本酒
ご存知の方はありがとう。知らない人は覚えていってほしい。
秋田は県南。仙北郡は美郷町。
花火の地として有名な大曲と、屈指の豪雪地帯として有名な横手市との間に位置するのが『六郷』の地です。
湧き水の町としても知られており、酒造りに的した土地でもあります。
そんな美郷町六郷にあるのが、“栗林酒造店”。
秋田の蔵元集団『NEXT5』に属する、『春霞』を代表酒とする酒蔵です。
春霞の酒質は、華やかすぎず、しっかりとした味わいが特徴。
芯が強いお酒なので、消えることなくよく伸びます。
ガツンとくる味わいは、時代からは逆行しているのかもしれません。ですが、そこが春霞の“味”であり“色”なんだと思います。
だからこそ好きになる。
だからこそ推したくなる。
だれもが知っているブランドではないけれど、飲んだ人には何かしらの印象を残す日本酒なんです。
ひいきになってしまうかもしれませんが、春霞は通年商品の赤ラベル、緑ラベル。四季折々に鮮やかな色を見せる“栗ラベル”。
どれもがイチオシです。
ですが今回は、そのなかでも『冬を彩る一本』をご紹介。
次の項では、筆者が感じたありのままの感想を垂れ流しますので、なんとなくテンションで察していただければ幸いです。
『春霞 栗ラベル白 酒こまち生』。その評価はブランドの味わいそのもの。
雪解け水のような凛とした空気を、日本酒で運ぶのが春霞というブランド。
香りはさわやかさがあって甘いです。
そこに少しの酸が加わって、グラスの外まで香りを運びます。
この香り高さは「秋田酒こまち」特有かもしれません。
さらに、ほそ~~~~く口に運ぶと小さなガス感!
すべて小文字で『しゅわしゅわ』と書けるなら書きたいくらいです。
これが心地いいんだ~!
味わいはじんわり甘口で、キレていくことなく余韻も甘めです。
口のなかでジューシーさが膨らむので、少しボリュームを感じますね。
凛とした透明感があってうまいです。
春霞て、春霞だよなぁ。
いや、ほんと、わかってくれる人はいるはず!
春霞ってほんとに、春霞なんですよ。
春霞に使用される酒米はだいたい美郷錦。美郷錦でつくられた春霞はバランスがよく、まじめで優等生な味わいです。
だから、酒こまちではこうなるか~~~!という驚きがあります。
9号酵母という一貫性。
そして、酒米の違い。
それによって生まれる『芯のある日本酒というくくりの中での差』が、とてもとても楽しいブランドです。
ぜひ、いろんな春霞を飲み比べてほしいと思います。
『春霞 栗ラベル白 酒こまち生』の詳細スペック
ラベルから得られる情報に日本酒度はありませんが、甘口のお酒であることに間違いはありません。
“亀山酵母”は、春霞の代名詞です。
消える味わいではできない伸び。
伸びやかな余韻を生めるのは芯があるからに他なりません。
まとめ:人柄の日本酒『春霞』
当主である栗林氏は、NEXT5の挑戦を描いた『美酒復権』のなかでこのように述べています。
酒造りの面でも、麹の話ひとつとっても、みんなについていけなかった。まだ自分のところは出張旅費すら出せずにいるのに、みんなはどんどん進んでる。もう情けなくて、いつになったらこの人たちと同じレベルになれるのか。
※出典:美酒復権より
たしかに当時は、他の4蔵は軌道に乗り始めていたのかもしれません。遅れをとっていたのかもしれません。
ですが、今。
春霞があります。
誇るべき秋田の地酒があります。
劣等感から始まったかもしれない道が、いまはこんなに輝いているんです。
まじめで誠実な人柄は、いま確実にNEXT5の『1』となれているんです。
辛口の日本酒じゃないとダメ。ぜったいムリ。という人でもない限り、とにかくオススメしたい日本酒です。
造り手の人柄が見えるお酒はいかがですか?
それでは今回はこの辺で。
あなたの日本酒選びの役に立てていればうれしいです。
さるあみでした。
※追伸
NEXT5の5蔵は、どこも順風満帆な経営状況ではありませんでした。
いまに至るまでの経緯に興味のある方は、こちらを読んでみてはいかがでしょうか。