あきたさけ!

秋田に生まれて35年。秋田市のカフェ、地酒、お得な情報をお届けします。

【出羽の冨士 袋吊り純米酒】の感想・レビュー:まさか限定品だったとは!

出羽の冨士 袋吊り純米酒の感想・レビュー

こんばんは、さるあみです。

 

忘れられない日本酒があります。

 

それは、仙台の友人がとある居酒屋さんで惚れ、買うにまで至った1本。

その名でかけた手間を知り、その名で味わいに納得した1本です。

 

『出羽の冨士 袋吊り純米酒

 

純米酒でありながらも価格は720mlで2000円を超えており、普段使いとしては避けてきました。

ですが、それも今日で終わり。

店頭にならぶ姿をみて、飲んだ日のことを思い出したからです。

 

「最高だったなあ」

 

思い出は美化されるものですが、はたして酒の味わいもそうなのか。

買ってみたら意外な事実にも気づかされました。

味の感想といっしょに楽しんでいってくださいね。

 

 

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』ってどんなお酒?

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』を一言であらわすとすればこうなります。

 

“情報のない日本酒”

 

意外な事実とは、まさにここにあります。

 

というのも、『出羽の冨士 袋吊り純米酒』は超・限定販売品。

それも『数量』ではなく、『店舗』が超限定なんです。

売店舗はなんと、

 

“菅久商店のみ”

 

菅久商店とは、秋田駅前にある地酒屋さんです。

秋田駅を出てホテルα‐1の裏を左折、秋田長屋酒場の斜め向かいにあります。

秋田長屋酒場といえば、壁面にかまえる“特大サイズのなまはげ面”が目印。

入ればすぐにわかる通りとなっています。

 

さて、そんな販売店舗限定の『出羽の冨士 袋吊り純米酒』ですが、もうひとつだけわかっていることがあります。

それは、搾りの方法です。

 

『袋吊り』とは文字通り、袋を吊るす方法。

ふつうは機械でプレスして搾るところを、もろみの重さと重力だけで搾るのが『袋吊り』です。

もろみに圧力がかからず酒質もやわらかく仕上がるため、出品用のお酒によく使われます。

 

そして、これこそが『出羽の冨士 袋吊り純米酒』の恐ろしいところなんです。

 

実は、袋吊りってとっても大変。

尋常ではない『手間』と『時間』がかかる手法なんです。

想像してください。

 

“袋から滴る水滴を”

 

そしてそれが、

 

“何百、何千リットルと溜まっていく様を”

 

想像しましたか?

機械で一気に『ん゛ん゛!』ってやりたくなりませんでしたか?

 

今回の場合は『菅久商店限定』のため、袋吊りで搾ったのはわずかだとは思います。

それでも、そのためにわざわざ袋吊りの準備をし、人を割いているはずです。

 

“ひとつの店舗のための惜しみない努力”

 

いわば、菅久商店に出品するための1本と言えるのかもしれません。

 

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』の感想は?

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』の味わいをひとことで表すのならこうなります。

 

「うまい」

 

いや、ちがうんです。ちょっと待ってください。

どうしてもまず第一にお伝えしたかったんです。うまいって。

 

口に含むと、水のようなやわらかさと舌ざわり。

素直な甘みがすべるように喉をとおります。

 

うまみも甘みも酸も、とにかくやわらかい。

自然な味わいといえば良いでしょうか。

舌にほどけるような、ゆったりとした味わいがよく沁みます。

 

これはいわばジレンマ。

水のようにスイスイ飲めるのに、飲みたくありません。

質が高すぎて恐れ多いです。

誉め言葉として、私はこの酒が怖いです。

 

ただただうまい。

 

厳密にいえば『中口』にあたりますが、『甘口』としておいしい1本です。

袋吊りの純米酒という括りでいけば、県内でも屈指。

類をみない完成度なのではないかと感じました。

 

「また飲みたいけど、価格がなあ」

 

毎年そんなふうに悩みながら、結局は買ってしまう。

私にとってはそんな1本になりそうです。

 

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』の商品情報

  • 原料米:秋田県産美山錦100%
  • 精米歩合:60%
  • アルコール分:16度
  • 日本酒度:+1.5
  • 酸度:1.6

 

参考価格:

 

  • 720ml:2,013円
  • 1.8L:3,630円

 

『出羽の冨士 袋吊り純米酒』の感想・レビュー:まとめ

となりに瓶を置いて書いているのですが、よく見たらもうひとつ大変な事実に気づいてしまいました。

それは、火入れの方法です。

 

“瓶燗火入れ”

 

実はこれも、大変な手間のかかる作業なんです。

なぜなら、瓶は急激な温度変化に弱いからです。

 

瓶燗火入れとは、瓶詰めしたお酒を瓶ごと温めて冷やす工程をいいます。

やり方は酒造によってちがいますが、共通するのは、水からじっくり温度を上げていき、特定の温度まで上がったら冷水で冷やしていくこと。

 

温度を上げる工程でも、下げる工程でも、大切なのは温度差です。

温度差がありすぎると瓶は割れてしまいます。

なので、瓶燗火入れとは繊細さが求められる気をつかう作業なんです。

 

『袋吊り』と『瓶燗火入れ』。

 

手間のかかる作業を惜しみなく行い、ひとつの酒屋限定酒として提供するなんて、改めてとんでもない日本酒だと感じますね。

心からうまかったです。

ごちそうさまでした。

 

それでは、今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

※菅久商店限定酒、実はもう1本あります。

 

www.saruami-sake.work