「毎日の晩酌におすすめな秋田の日本酒が知りたい」
「感動するような1本ではなく、日々に寄り添う家族のような日本酒がほしい」
今回の記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんにちは、さるあみです。
すばらしくフルーティーなお酒。
すばらしい甘みのあるお酒。
すばらしくジューシーなお酒。
すばらしい酸味のあるお酒。
すばらしいお酒って、さまざまです。
けど、異常にどこかが突出しているお酒って、毎日飲みたいと思いますか?
飲みながら「次はなにを買おうかな~」と考えていませんか?
今回ご紹介するお酒は、まったく逆。
佐藤酒造店【出羽の冨士 純米吟醸 三番】
香りもしっかりしているのに、フルーティーさも感じるのに、なぜか『華やか』という表現が出てこない味わいの1本です。
いわば、静かな味わい。
出羽の冨士のお酒には、家にあって当たり前の、『買ってくる1本』ではなく『置いてある1本』という印象があります。
この段階ではうまく説明できませんので、感想を交えながらもっと詳しくみていってみましょう。
最後までゆっくりしていってくださいね。
【出羽の冨士 純米吟醸 三番】ってどんなお酒?
まず、ほんの少しだけ『出羽の冨士』自体にふれていきましょう。
出羽の冨士をかもす佐藤酒造店は、秋田の県南『矢島町』にある酒造です。
創業は明治39年と古く、令和の現在で110年以上の歴史があります。
佐藤酒造店の場所は、鳥海山の麓。
そのため水源も豊富で、気候も寒冷と、まさに日本酒づくりに適した土地といえます。
代表銘柄はもちろん『出羽の冨士』です。
その名の由来は鳥海山の形からきています。
富士山のような整った形をしているため、鳥海山は『出羽国』の『富士山』。
『出羽富士』の別名をもっています。
そこにあやかり、『出羽の冨士』という銘柄は生まれました。
ここで、注意点がひとつ。
これだけは覚えて帰ってください。
とても大事なポイントです。
間違えられると蔵元さんが「ちょっと惜しいっ」と感じるポイント。
『富』ではなく、『冨』。
『出羽の富士』ではなく、『出羽の冨士』です。
ここが本記事の最重要ポイントとなりますので、ぜひとも覚えて帰ってくださいね。
そしてようやく本題の、あなたも私も気になっているポイント。
「『三番』ってなに?」にふれていきます。
この『三番』という数字、いくつかの意味に受け取れますよね。
「三番目につくられたお酒」
「三番目においしいお酒」
「三番という酵母」
「三番という酒米」
という可能性だってあります。
ただ、この場合の『三番』は、1つ目と3つ目の答えが正解です。
実は、蔵付き酵母をつかった純米酒シリーズの3作目にあたる日本酒だから、『三番』と命名されているんです。
住みつく場所はさまざまで、神棚や梁、さらには古くなった道具なんかからも採取されるそうです。
いわば、蔵の歴史がくれた贈り物。
その蔵にしか存在しないオンリーワンの酵母こそが、蔵付き酵母なんです。
【出羽の冨士 純米吟醸 三番】の味は?
【出羽の冨士 純米吟醸 三番】の味わいをひとことで表すとこうなります。
“華やかさはないけど静かにうまい。常に家に置いておきたい辛口”
二言です、はい。
しっかりと香る果実感のなかに、米の風味がふんわりとのぞかせます。
口に含んだ瞬間はほんのりとした甘みを感じますが、時間にすればわずか。
その後はしっかりと辛さが顔を出します。
舌で感じるフルーティーさは、ちょっと苦みのある苺のようです。
数値以上の辛口に感じるのは、このフルーティーさが手伝っているのかもしれません。
余韻にあるには酸味。
大きくキレ上がることはなく、わずかな酸味を残して消えていきます。
これはうまい。
うまいです。
買ってきたお酒ではなく、「家に帰れば置いてあるお酒』のような安心感があります。
「うちで日本酒といえば出羽の冨士なんだよね~」
というような、家庭の味。
そんな、家にあって当たり前の雰囲気が出羽の冨士にはあります。
こういう1本に出会えるのはホントに幸運で、ホントにありがたいことなんだろうなあ。
何気ない毎日に寄り添ってくれるお酒に出会ったと感じています。
【出羽の冨士 純米吟醸 三番】の商品情報
寒冷地でも育てやすい酒米『美山錦』をつかっており、日本酒度だけみれば『やや辛口』。
酸度はすこしだけ高めで、酵母はオンリーワンの蔵付き。
ほかでは絶対に飲めない味わいとなっています。
【出羽の冨士 純米吟醸 三番】の感想・評価:まとめ
最後にもう一度、【出羽の冨士 純米吟醸 三番】の味わいをまとめておきます。
“華やかさはないけど静かにうまい。常に家に置いておきたい辛口”
これだけ読むと、佐藤酒造店さんは「とにかく伝統的で奥ゆかしい味わいの日本酒をつくる酒造なのだろう」と思うかもしれません。
ところがどっこい。
佐藤酒造店さんは伝統だけはないんです。
革新的な面も持ち合わせているから目が離せない。
女性的なデザイン、遊びのあるラベル。
明るい味わい。ジューシーな味わい。
軽快な味わい。重厚な味わい。
さまざまな挑戦が見てとれる酒造さんです。
伝統的な1本を常にふところに置きながら、挑戦的な1本を購入し続ける。
そんなカタチで応援したくなる、これからも追いかけたい酒造さんです。
ぜひぜひ見かけたら手にとっていただき、私と同じ気持ちになっていただければと思います。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
今宵もよい晩酌を。
※合わせて読みたい出羽の冨士はこちら
\通常ラベルの生貯蔵酒もあるよ/
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