こんばんは、さるあみです。
たぶん。たぶんですけど、今回ご紹介するお酒が好きな人は、ほんとに秋田が好きで、秋田の地酒が好きなんだと思います。
それくらい、地域に根付いている1本。
蔵元の名前は知らなくても、銘柄の名前を知っているかたは多いはずです。
佐藤酒造店『出羽の冨士』。
『精撰』が販売数の95%を占めるという、古くから愛されてきた銘柄です。
今回は、そんな『出羽の冨士』の残り5%に含まれるであろう1本をレビューしていきます。
その名も、
“特撰 出羽の冨士 特別本醸造”
かなり珍しい日本酒であり、県央・県北ではなかなか見かけることのない1本です。
NEXT5や雪の茅舎が有名になっていき、おみやげにも偏りが生まれている昨今。
地元で消費されている日本酒にも、もっとスポットライトが当たってくれればと思います。
それではいってみましょう。
佐藤酒造店ってどこにあるの?
佐藤酒造店は、秋田県は県南。
由利本荘市でもさらに南のほうにある矢島町にあります。
創業はなんと明治39年。
110年以上の歴史があることになります。
さらにいえば、『出羽の冨士』という銘柄は当時から存在しており、『出羽の冨士』の歴史もまた110年以上ということになるんです。
これってスゴくないですか!?
110年あれば人は死に、孫、子の代へと継がれていきます。
ですが、『出羽の冨士』の名は変わることなく継承されてきました。
歴史のたすきが過去から現在へ、受け継がれてきたんです。
『特撰 出羽の冨士 特別本醸造』の味は?
そして本題です。
さきほど、『出羽の冨士』は『精撰』が販売本数の95%を占めているというお話をしましたが、今回いただいたのは『特撰』。
寒冷地につよい『美山錦』をつかった1本です。
口に含んだときに感じるのは、よく噛んだあとのお米の甘み。
フルーティーさはなくて、香りも甘みもお米らしさがあります。
最初に感じるのはお米の甘みなのに、後半はしっかりと辛口。
これがホントに不思議で!
甘さも辛さもすべて舌の上で起こって、舌の上で終わるんです。
だから、飲み終わったあとの口の中にはサッパリ感があります。
辛口というよりは、消える。
甘く入ってきて、辛さを感じて、消える。
好みになってしまいますが、好きですこのお酒。
変わらない味を受け継いでいるのだとしたら、もっと早くに出会いたい日本酒でした。
ちなみ、レンジで30秒加熱するだけで、甘みを潜めた辛口の燗酒にかわります。
個人的には燗酒のほうがよりおいしく感じられました。
ぬるくなってくると酸味が顔を出すので、ぜひ熱いうちにどうぞです。
『特撰 出羽の冨士 特別本醸造』の商品情報
美山錦は寒冷地でもつよく育つことで有名で、主な産地は長野県や秋田県。
ちなみに佐藤酒造店には、『出羽の冨士』以外にも『鳥海誉』という銘柄があります。
道の駅やおみやげ屋で見かけるのは、もしかしたらこちらがメインかもしれません。
『特選 出羽の冨士 特別本醸造』の感想・評価まとめ
実は私、この『特選 出羽の冨士 特別本醸造』の存在を知りませんでした。
それどころか、『出羽の冨士』自体を見たことがなかったのです。
もしくは、見ていたけど興味をもっていなかった。
今回、この日本酒を飲んでみて、興味から遠ざけていたことを心より恥じます。
『県外でも知名度がありそうなもの』を選んでいたことで、『もっと知ってもらうべき日本酒』に気づけていませんでした。
はたして、歴史ある日本酒の味わいは古いのか。
昨今、デザインがオシャレなものも増え、私もそういう術が必要になってくると書いてきました。
どんなにおいしくても、手に取ってもらわなければ味はわかりません。
若い世代。これからの世代が手に取ってくれるようなデザイン。
写真を撮りたくなるような、目で選べるラベルが必要になってくるはずです。
その点でいえば、出羽の冨士は時代からは遅れているのかもしれません。
ですが、味を伝える人さえいれば。
おいしいとわかる術さえあれば。
ラベルはどんなものでもいいのではないでしょうか。
だからこそ、私にもっと影響力があればと思います。
「さるあみが美味いって言ってるし」
そんな風に思わせるだけの説得力があればと、強く思います。
1年先、2年先にでもこの記事が評価されて、少しでも『古豪』の活躍が目にとまってくれれば幸いです。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
さるあみでした。
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