こんばんは、さるあみです。
ひとめぼれでした。
シンプルながらも愛くるしいフォルム。
つぶらな瞳。
ラベルにあえて空白を持たせることで、
「おまえが主役だ」
と印象づける。
「なんでその鳥を採用したの?」なんて疑問は、可愛らしさでぶち抜かれました。
きっとあなたも同じ気持ちだと信じて、ペリカンラベル……ちょっと見ていきましょう。
『大納川天花 純米 ぎんさん』ってこんな日本酒
心を鬼にして疑問をぶつけなければなりません。
「なぜペリカンなの?」
その答えは、この1本にかける蔵人たちの願いにありました。
そもそも『ぎんさん』とは、低コストでたくさんの収穫が見込めるとされる酒米です。
なので、できあがる日本酒も低価格なものが多くなります。
例えば、秋田銘醸の『爛漫』。
『ワイングラスでおいしい日本酒アワード』や『燗酒コンテスト』常連の『特別純米酒』は、100%ぎんさんでつくられています。
なにより驚くところは、その価格です。
なんと、720mlで1,375円!
精米歩合50%の特別純米酒なので、そのコスパは計り知れません。
また、『刈穂』では、他の酒米とぎんさんを組み合わせることで、低価格な日本酒を実現しています。
例えば、『宝風』『サマーミスト』などがそうです。
通年の『宝風』は目が向きづらいですが、『サマーミスト』は夏の手前で飲みたくなる1本ですよね。
もしかしたら、あなたも飲んだことがあるのではないでしょうか?
両関といえば『銀紋』が有名です。
その裏バージョンである『裏銀紋』もまた、ぎんさんと食用米を掛けあわせた1本。
こちらは、スーパーであれば1,000円を切ります。
さて。
なんとなく、いま挙げてきたお酒と今回の『大納川天花』。
共通点が見えてきたのではないでしょうか?
そうです。
どれも低価格。
高いコストパフォーマンスが見込めるんです。
それは言い換えると、“普段遣いにもってこいの1本”ということになります。
もっと言い換えるなら、
“毎日飲めるお酒”
ここでやっと、ラベルに『ペリカン』が使われた理由に辿りつきます。
『ペリカン』の別名は『幸せを運ぶ鳥』。
大納川の蔵人たちは、
「毎日飲めるお酒なら、毎日幸せになって欲しい」
そんな願いを、この1本に込めたんです。
『大納川天花 純米 ぎんさん』を飲んでみて
一言でいうなら、日本酒ーーーっ!って感じの1本。
なのに、古さがまったくありません。
しっかりとした香りは、鼻ではなく、部屋に香るレベル。
フルーティーさから果実感を引いた香り、とでも言いましょうか。
フルーツには例えられない、米由来の鮮やかさがあります。
味わいは、
甘みしっかり、
酸味しっかり、
雑味しっかり、
ふくらみしっかり。
すべてがしっかりと混ざりあって、おいしいっ!
磨いてないゆえか、ぎんさんゆえか。
はたまた若さゆえか。
青みのあるうまみが、ふか~~~く沁みます。
試しに、熱燗にもしてみました。
おすすめの温度は、人肌燗、ぬる燗、上燗のあたり。
35℃~45℃くらいです。
熱くしすぎると、熱気に味わいが負けているように感じました。
逆に、お風呂くらいの温度で飲むと、うまみが勝手にきます。
舌に乗せると、
「よしっ、味わおう!」
と思うよりも先に沁みてくるほどです。
「難しいこと考えてないで、いいから飲めよ」と言われてるようで、お酒に急かされたのは初めての経験でした(笑)
どの温度でもうまみの強い1本です。
おいしいと感じるのは、晩酌に日本酒が当たり前にある世代ではないでしょうか。
純米酒をえらぶ機会が増えてきた方、ぜひ一度飲んでみてくださいね。
『大納川天花 純米 ぎんさん』の商品情報
まとめ:透明感のないものが混ざり合ってバツグンにうまみ!
「70%精米でスゴイのがあるぞ」と。
きっと当時の私なら、70%精米というだけで顔をしかめていたと思います。
だって、考えてみてください。
70%ですよ?
今でこそ低精白を楽しくとらえる酒造が増えてきましたが、昔の70%は「昔の70%」なんです。
『安かろう悪かろう』から外れることは少なかったように思います。
なので、本当に驚きました。
この『ぎんさん』を飲んで。
おいしかった。
なんとなく晩ごはんの席に用意してしまうし、なんとなく飲み続けてしまう力がありました。
「○○だからおいしい」なんて感想ではなく、なんとなく飲んでしまう。
少なくとも私は、その時間が幸せでした。
だから、
「毎日飲むお酒なら、毎日幸せになって欲しい」
蔵人さんたちの願いは、もう叶っていますよ。
とはいえ、私は強欲です。
私ひとりではなく、もっとたくさんの人に願いが届いてほしいと思います。
もっとたくさんの人に、蔵人さんたちの願いを叶えてほしいと思います。
ぜひ、あなたもそのひとりに。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。