こんばんは、さるあみです。
今回は、いつの間にか『セクシーブルー』という名称が付かなくなっていた1本。
阿櫻酒造の、
『阿櫻 純米吟醸 美郷錦』(通称 水色ラベル)
を紹介していきます。
この記事を読むことで、水色ラベルがどんな日本酒で、どんな味わいだったのかが“やんわり”とわかるはず。
ぜひ、最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
『阿櫻 純米吟醸 美郷錦』ってこんな日本酒
“美郷錦×協会1801号酵母”
の組み合わせでつくりあげた『火入れ』のお酒です。
美郷錦は、秋田県固有の酒米で、かつては希少とされていました。
あちこちで名前を見るようになったのはここ10年のこと。
「秋田での栽培はむずかしいとされる『山田錦』に代わるものを」
という試みから、2002年に誕生しました。
ちなみに美郷錦……こんな呼び方もされています。
“サラブレッド”
すぐれた生まれの競走馬を指す言葉ですが、美郷錦は酒米です。
「その言葉はちょっとちがうんじゃない?」
と思いますよね。
ですが、驚くなかれ。
美郷錦の親は、スーパーエリート。
寒冷地でも負けない、雪国の志が生んだ酒米です。
そして、忘れてはいけないのが酵母の存在。
「1801酵母ってなんぞ?」というお話です。
実は、協会1801酵母って、すごいんです。
出品用の日本酒にはまず使われています。
金賞を獲るなら1801号というほど。
2006年生まれと若いですが、すでに圧倒的な評判を得ている酵母です。
つまり、まとめるとこうなります。
“どっちもすごい”
石を投げるのはやめてください、お願いします。
「最初からそう言ってよ!」という声が聴こえてきそうなので、感想に逃げましょう。
『阿櫻 純米吟醸 美郷錦』を飲んでみて
これはもうこの一言に尽きます。
「阿櫻~~~ッッ!」
まったくふざけてないです。
まさに阿櫻。
阿櫻らしい1本なんです。
甘み豊かなでぜいたくな香り。
しっかりとした伸びのある甘口。
古風なうまみ。
甘みのなかにはフレッシュさを感じるのに、うまみのなかには伝統を感じます。
このうまみの部分。
『宴 ツバキアンナラベル』でも感じたレトロな奥行きが、なんだか阿櫻らしく感じました。
ただ、それは“良くも悪くも”です。
人によってはクラシックな味わいが好みには刺さらないかもしれません。
フレッシュなままの味わいで終わりたい方。
昔ながらのうまみを求めている方。
どちらか一方だけを楽しみたい方には不向きなお酒と言えそうです。
個人的にいえば、好みにストライク。
フルーティーで甘みある香りに、スムーズな甘み。そして、どこか懐かしいうまみ。
「阿櫻って、阿櫻だよなぁ」
と納得させられる、蔵の色がよく出ている1本でした。
『阿櫻 純米吟醸 美郷錦』の商品情報
まとめ:伸びる甘みと古風なうまみがおいしい1本
私は、どんなお酒も、まずは良いところを書こうを決めています。
ですが、どうしてもできない。
気になる部分が前に出すぎていて、良いところを探す気になれない1本もあるんです。
どの酒造、ということはありません。
『どの酒造にも1本はある』というのが正直なところです。
なにが言いたいかというと、阿櫻にもあったんです。
どうしても、気になる部分にしか目のいかない1本が。
その1本こそが、私にとって最初の阿櫻。
このブログには載せていない、出会いの1本です。
なので、避けていました。
阿櫻酒造の日本酒を。
「こういう感じでくるのなら、きっと全部こんな感じなんだろう」
そんな『まとめ』をして、避けてきたんです。
ですが、それは大きな間違いでした。
いろんなお酒があります。
蔵の色を出したもの。
酒米の味わいを限界まで引き出したもの。
酵母だけ変えたもの。
精米歩合を変えたもの。
さまざまあって、さまざま試みてきた1本です。
あなたもどうか、1本で諦めないでください。
1本で決めつけないであげてください。
決めつけは、視野を狭めます。
まだ見ぬうまい酒に出会うためにも、ワクワクするためにも。
直感を頼りに、時には人の言葉を頼りに、探してみてくださいね。
あなたにとっての『人の言葉』が、『私の言葉』であればすごくうれしいです。
ではでは、私の反省を残して今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。