こんばんは、さるあみです。
久しぶりに見た目で選びました。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』
遠目で惹かれて、近づいて惚れて、考えるよりも早く手にとった1本です。
後悔はありません。
ただ、裏ラベルをみて驚きました。
情報がほぼないんです。
わかるのは精米歩合くらい。
原材料に醸造アルコールがないので、かろうじて『純米酒』だとわかるくらいでしょうか。
使っている酒米や日本酒度、酸度はわからず、味わいを想像することはできません。
では、いったいなぜ情報が最小限に抑えられているのでしょう。
そこにはちゃんと理由がありました。
- 『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』ってどんな日本酒?
- 『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』の感想
- 『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』のインスタグラムでの口コミは?
- 『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』の評価・口コミは?まとめ
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』ってどんな日本酒?
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』とは、お酒からではなく、ラベルから先に生まれた稀有な1本です。
きっかけは東京の飲食店。
阿櫻の照井杜氏が『曲宴あぎ』さんで見た、壁面の絵でした。
「この絵に合う日本酒が造りたい」
壁面の絵は、杜氏の心を奪いました。
杜氏の魂を魅了するほどに、美しくも力強い絵だったそうです。
その絵の作者こそが、ツバキアンナ氏。
『現代浮世絵』というジャンルで活躍されている、伝統の担い手です。
そして、ツバキアンナ氏の絵を日本酒で表現したのが今回の1本。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』です。
裏ラベルに情報がない理由は、『絵』からのインスピレーションを感じてほしいからに他なりません。
詳細すぎる情報は、味わいに先入観を生みます。
たとえば、日本酒度を書けば、おおよその甘辛度がわかってしまいますよね。
酸度もおなじです。
書けば『数字』から想像してしまいます。
だから書かなかった。
あえて、書かなかったんです。
杜氏は、『絵』を感じてほしかった。
想像してほしかった。
『数字』という先入観をもってほしくないから、最低限の情報しか書かれていなかったんです。
ですので、この1本をひとことでまとめるとこうなります。
“『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』は『絵』を飲む1本”
さて。
ここから先は、『私』の感想です。
私が、『絵』をどう感じたのかが書かれています。
私の感想は、あなたにいらぬ先入観を与えてしまうかもしれません。
もしあなたが、この1本をまっさらな気持ちで受け止めたいのであれば、ここで読むのをやめることをオススメします。
ではでは、先へいってみましょう。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』の感想
グラスに注いでまず感じたのは、香りの立ちの良さです。
しっかり香ります。
フルーティーな華やかさではなく、あくまでも米のにおい。
やや重く、やや甘く、酸っぱさがあります。
味わいは、甘みがほぼありません。
パッと浮かんだのは、『ゆきの美人 完全発酵』や『天の戸 醇辛』。
日本酒度は+10を超えているように感じました。
ただ、大きくちがったのはコクの部分です。
熟成感をおぼえるコクと、透明ではないうまみ。
雑味と言ってもいいかもしれません。
若い酒にはない深みが感じられました。
そして、複雑なうまみを越えると、残るのはシャープな余韻。
カーッとキレ上がるものではない、不思議なやさしさがあります。
自分でも書いてて矛盾していると思うのですが、+10度以上の辛口だと感じながら、余韻はやさしいんです。
なんでしょう、ほんと。
不思議な1本を飲んでいます。
若くない。
誉め言葉として、この言葉がよく似合います。
流行とはまた違う1本。
美しい伝統を飲んでいる。
そんな印象を受けました。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』のインスタグラムでの口コミは?
インスタグラムの口コミにはこのようにありました。
- 酸味と辛みが強調し、苦みもある
- 甘み少なめの食中酒
- やさしさよりも芯の強さと力強さを感じる
- 阿櫻の基本な味わい、スッキリしてうまみがある
- 味がしっかりした辛口
- 絵がエモいなと思って購入した
- ヤメどきを見失う危険なうまさ
数ある口コミで共通するのは『甘みの少なさ』です。
やはり辛口。
消極的ではなく、積極的な味わいを感じられている方が多かったように思います。
そして、誰もが口をそろえて書いていた感想がこちらです。
「ラベルに惹かれて」
やっぱりこれです。
これですよね。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』を語る上で、かならずと言っていいほど最初に出てくる感想でした。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』の評価・口コミは?まとめ
最後に、『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』についてまとめちゃいましょう。
- 照井杜氏が惚れた絵から始まった1本
- 絵の作者であるツバキアンナ氏は『現代浮世絵師』
- 裏ラベルに情報がないのは、味によけいな先入観をもたせないため
- 香りの立ちがよく、米の華やかさ
- 味わいは、甘みの少ない大辛口
- 熟成感をともなったコクがある
- インスタの口コミは『ラベルに惹かれた方』が多い
といった感じでしょうか。
この1本、買いか否かでいえば、間違いなく『買い』です。
目で訴える日本酒には華があります。
味わいの華やかさは、買わなければわかりません。
ですが、見た目の華やかさは、買わずともわかります。
どれだけおいしいお酒も、それを知ってもらうには手に取ってもらう必要があります。
ラベルはその一助。
大きな一助です。
うまければ売れる時代ではありません。
うまいのが当たり前の時代です。
求められているのは、『うまい』が埋もれてしまわないこと。
『阿櫻 宴 ツバキアンナラベル』には、ぜったいに埋もれないチカラがあります。
この1本、ぜひあなたにも。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。