こんばんは、さるあみです。
寒い日が続くと熱燗が恋しくなりますよね。
キンキンに冷えたグラスよりも、湯気立つ徳利。
見ているだけでも暖がとれるというものです。
特に、鍋の日なんかがいい。
熱々の食べ物に熱々の飲み物。最高です。
というわけで今回は、秋田の日本酒のなかでも熱燗向けの1本を紹介していきます。
ぜんぶで5本紹介しますので、ぜひ冬の酒選びの参考にしてくださいね。
それでは、いってみましょう。
日本酒の温度とお手軽な燗のやり方
まずサクサクッと、日本酒の温度による呼び方をおさらいしておきましょう。
日本酒の燗には5℃おきに名称があります。
- 30℃~【日向燗】
- 35℃~【人肌燗】
- 40℃~【ぬる燗】
- 45℃~【上燗】
- 50℃~【熱燗】
- 55℃~【飛びきり燗】
つまり、よく言われている『熱燗』とは50℃~55℃までの状態のみを指す言葉になります。
とはいえ、これは覚えても損はありませんが、忘れても損のない知識です。
だって、大抵の居酒屋さんには『熱燗』としかありませんし、自宅で楽しむのなら細かいことは気にしたくありませんしね。
きき酒師のいるお店であれば、尋ねればいいだけです。
「おすすめの温度ってありますか?」
と。
なので、覚えておきたい方はスクショを。
それ以外の方は「へぇ~」程度に残しておいてください。
そして、燗の方法。
燗となると湯煎のイメージが強いですよね。
でも、自宅で湯煎は面倒です。
それが『自宅で熱燗』を遠ざけている要因と言えるかもしれません。
なので、ここもゆるっとやってしまいましょう。
【レンジ燗】
電子レンジでチンするだけの方法です。
1合(180ml)の場合、
- 熱燗【約60秒】
- ぬる燗【約50秒】
※いずれも500Wのレンジ使用
レンジ対応の容器が必要となりますが、形にこだわりがなければ湯呑み、マグカップで温めることもできます。
詳細や注意点はこちらをご覧ください。
燗で飲みたい秋田の日本酒5選
ではでは、前置きが長くなりましたが、おすすめの5本を紹介していきます。
天の戸 精撰 純米酒(浅舞酒造)
まずはこの1本。
実は、秋田県内限定販売という噂もあります。
『天の戸 精撰 純米酒』
この1本を語る上でぜったいに外せないのが『コスパ』です。
なんと、720ml:770円(税抜き)。
味わいは、この価格にしては見事としか言えません。
ですが、驚きは燗にしてさらに増すんです。
“この価格にしては”という枕詞が吹き飛びます。
レビュー記事はこちら。
天の戸 純米吟醸 五風十雨(浅舞酒造)
2本目も天の戸から。
つまり、純米大吟醸クラスのポテンシャルを秘めた1本です。
色味はややコハク色で、落ちついた味わい。
熟成感が燗でうまみとなり、『燗のためのお酒』なのだと感じさせます。
この油分を錯覚するほどのまろやかさは、一飲の価値あり。
“コクのある燗酒”
というジャンルをつくるのなら、まず先に挙げたくなる日本酒です。
ちなみにですが、筆者は常温でもうまいと感じました。
季節問わず楽しみたい1本ですよ。
うまからまんさく 特別純米酒(日の丸醸造)
この1本、控えめにいって『化け物』です。
なぜなら、どの温度帯でもうまい。
いつ、どのタイミングで飲んでもおいしいからです。
辛さのなかにうまみがあるので、軽すぎない舌ざわり。
しかも、過度に磨いたわけではないのに雑味がありません。
“うまから”
「まさに!」と言いたくなる1本です。
両関 純米酒 裏銀紋(両関酒造)
4本目は、あの『花邑』で有名な両関酒造から。
「両関といえば『花邑』『翠玉』でしょ。わかってないな~」
という声が聴こえてきそうですが、ここはあえて『銀紋』の『裏』バージョンをオススメさせていただきます。
なぜなら、シンプルに燗でうまいからです。
裏銀紋にはアッサンブラージュという技法が使われています。
3種のお米が記載されているので、これをお米のブレンドと捉えるか。
あるいは、“3種のお酒をブレンドした”という意味なのかは定かではありません。
ただひとつだけ言えることがあります。
それは、使われたお米が飯米だということ。
そして、それが味わいに見事に反映されているということです。
(どうみても2つ言ってます)
特に、燗で飲むと香りによく表れます。
炊いたお米感。
『華やかさ』や『爽やかさ』とはいっさい無縁。
ですが、そのかわりに『安心感』を得た、食卓が似合う1本です。
雪の茅舎 山廃本醸造(齋彌酒造店)
5本目は、2021年の暮れに出会った奇跡の1本。
「結局、こういうのでいいんだよ」が、この1本に集約されています。
難しく考える必要のない味わい。
720ml:1,100円という高いコスパ。
燗で大化けするうまみ。
日本酒に『挑戦』というジャンルが生まれ、さまざまな試みがあふれる昨今。
ただシンプルに、伝統の刃を研ぎ続けた1本がここにあります。
正直にいって盲点でした。
『あきたさけ!』をやっていなければ、ぜったいに買うことはなかったはず。
季節限定、数量限定を追いかけていた頃では、ぜったいに気づけなかった1本です。
静かな暮れに、出会いがありました。
筆者のイチオシはこちらの1本
さて、ここまで5本の日本酒を紹介してきましたが、1本選ぶとなれば難航します。
なぜなら、絞って絞って絞っての5本だからです。
ですが、あえて選ぶのなら。
あえて選ぶのであれば、私はこれを選びます。
“特別純米酒 うまからまんさく”
もうね、これは万能選手です。
燗で良し、冷やで良し、常温でも良し。
1年通して飽きることのない純米酒です。
「やっぱり燗じゃないとダメだな、このお酒」
なんて、ぜったいになりません。
生きていれば燗じゃない気分の日だってあるはずです。
『特別純米酒 うまからまんさく』は、そんなときもあなたの気持ちに応えてくれる1本です。
熱燗がおすすめな秋田の日本酒5選:まとめ
ここまでいかがだったでしょうか。
燗向けということもあり、華のあるデザインの日本酒はなかったかもしれません。
ですが、質実剛健。
燗向けの酒には、飲んでわかるうまさがあります。
コスパにすぐれたお酒も多いので、ぜひ難しく考えずに検討してくださいね。
寒い日が続いています。
どうかお身体に気をつけて、温かい夜を過ごしてくださいね。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※日本酒選びに迷ったら