あきたさけ!

秋田に生まれて34年。秋田市のグルメやカフェ、そして地酒の魅力をお伝えします。

【天の戸 醇辛】の感想・レビュー:熟成感と丸みでうまみが沁みる!

『天の戸 醇辛』の感想・レビュー

こんばんは、さるあみです。

 

スーパーで日本酒を買おうとすると、種類が多すぎて選べないですよね。

冷蔵コーナーと常温コーナーにわかれているのも、頭を悩ませる原因のひとつ。

それに、大抵の季節商品は冷蔵コーナーやエンドコーナーに並ぶので、どうしてもそちらを優先してしまいがちです。

なので、酒担当者時代に感じたのは、

 

“『常温』かつ『定番』の日本酒は売れない”

 

ということでした。

 

ですが私、気づいてしまったんです。

そんな『常温』の『定番棚』に、お宝が眠っていることに。

 

浅舞酒造【天の戸 醇辛】

 

『美稲』『吟泉』の陰に隠れた、あなたの身近に眠る1本です。

今回の記事では、その味について触れていきます。

ぜひ最後まで読んでいただいて、このお酒に興味をもっていただけるとうれしいです。

それでは、いってみましょう。

 

 

『天の戸 醇辛』ってどんなお酒?

『天の戸 醇辛』は、横手市にある浅舞酒造がつくる純米酒です。

 

浅舞酒造のおおきな特徴は、地産地消の徹底にあります。

日本酒を仕込むための原料は、すべて蔵から5キロ圏内でとれたものを使用。

酒米はすべて『JA秋田ふるさと・平鹿町酒米研究会』のものを使っています。

それはつまり、『山田錦』に頼らないということに他なりません。

 

では、『天の戸 醇辛』はどうなんでしょうか。

 

『天の戸 醇辛』に使われている酒米は、『吟の精』と『美山錦』のふたつ。

『吟の精』は秋田固有の酒米として知られていて、『美山錦』もまた寒冷地での栽培に適した酒米として有名です。

 さらに、そこに『秋田流花酵母AK-1』を使うことで、まさに『地の酒』と言える1本をつくりあげています。

 

そして、感想へと移る前に伝えておきたいのが、『天の戸 醇辛』の日本酒度です。

その数値、+10。

大辛口にあたるお酒です。

数値をみれば、それだけで「やめておこう」と思う方もいるのではないでしょうか。

ですが、実際に飲んでみて気づかされました。

数値で判断するのは無意味だ、と。

 

『天の戸 醇辛』の味わい

『天の戸 醇辛』の味わいをひとことで表すのならこうなります。

 

辛さよりも、熟成感と丸みでうまみが沁みる。

 

なにより、想像よりもずっと辛くないです。

日本酒度って、プラスも行き過ぎれば『辛いだけ』になって、好みもおおきく分かれます。

ですが、『天の戸 醇辛』は+10だからちょうどいいのかもしれません。

舌にはピリッと辛さを感じながらも、口のなかにはふっくらとしたコク。

辛さのなかにも甘さがあって、飲みやすいうまさがあります。

カドのとれた辛口って、いいなぁ。

 

おすすめの飲み方は、冷やして、または常温です。

熱燗にすると酸味がよく香るので、ここは好みになるかと思います。

 

『天の戸 醇辛』の商品情報

  • 使用米:吟の精・美山錦
  • 精米歩合:60%
  • アルコール度:16度
  • 日本酒度:+10
  • 酵母:9号系

 

『天の戸 醇辛』から見たおすすめな日本酒

『天の戸 醇辛』から見て、ちょっとおすすめしたい日本酒があるので2本ご紹介します。

まず、1本目がこちら。

 

日の丸醸造特別純米酒 うまからまんさく』です。

f:id:saruami33:20210127014736j:plain

 

私はよく『熟成感』という言葉をつかうのですが、この『熟成感』が苦手な方もいるかと思います。

私のいう熟成感とは、寝かせた時間の分だけ強烈になる『枯れたようなクセ』のこと。

コハク色の濃い日本酒に多くみられる特徴です。

もちろん、『熟成感』のなかには『深み』や『丸み』など、ポジティブな気持ちもたくさん込めています。

ですが今回は、『枯れたようなクセ』の部分。

これが感じられなくて、かつ、同じように旨辛な1本として『うまからまんさく』を挙げました。

 

※詳しくはこちらの記事をどうぞ。

 

www.saruami-sake.work

 

そして、2本目。

2本目は、おなじ浅舞酒造から、『天の戸 純米吟醸 五風十雨』です。

f:id:saruami33:20210128234247j:plain

 

これはむしろ、『熟成感』を好む人に向けて挙げました。

寝かせた年数は記載されていないのですが、味わいには見事なコクと枯れ感があります。

熱燗にすることでうまみを堪能できますが、常温でも十分においしい1本です。

 

※詳しくはこちらから

 

www.saruami-sake.work

 

『天の戸 醇辛』の感想・レビュー:まとめ

実をいうと『天の戸 醇辛』は、スーパーの酒担当者だったころは毎日みていた1本です。

その印象は、あまり動かないお酒。

おなじ浅舞酒造のものでも、となりに置いてある『美稲』『吟泉』が強すぎたんです。

 

『美稲』は、食中酒として。

『吟泉』は1000円で買えるコスパに優れた酒として。

 

それぞれが確固たる地位をもっていたため、『醇辛』はどうしても陰に隠れていました。

 

売り手側としては、動かないお酒に良い印象はありません。

売れずに月日が経てば、醸造年月日からどんどん間が空いてしまうので、より売れなくなります。

スーパーの定番コーナーは、あくまでも常温の売場です。

お世辞にも貯蔵に適した場所とは言えません。

だからこそ、売れないお酒にはストレスを感じたものでした。

 

ですが、この『天の戸 醇辛』を飲んで気づかされたことがあります。

それは、灯台の下は暗いということ。

どこにでも置いてあるお酒の魅力を、担当者が伝えられていないだけだったのだと思い知らされました。

 

もし、あのころの自分が今の目線をもっていたら、あの店の日本酒コーナーはもっと活気づいていたのかもしれない。

このお酒を飲みながら、そんなことを考えてしまいました。

ですが、それを考えても仕方ありません。

だって、辞めたからこそ持てた目線なのですから。

辞めなければ、今の意欲はありません。

ほんと、楽しい日本酒ライフになったなあと思います。

 

という感じで、『天の戸 醇辛』は、いろいろと思い出せてくれるステキの日本酒でした。

それでは、今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

※下にAmazon楽天のリンクを貼っておきますので、通販でお求めの方はそちらをご利用くださいませ。