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こんばんは、さるあみです。
秋田駅前の夜って、静まるのが早いですよね。
20:00にはOPAもフォンテもトピコも閉まります。
居酒屋はまだやっていますが、散在しているせいで大町ほどのにぎわいは感じづらいです。
「え、まだ20:00だよね?真っ暗じゃん!」
なんて思ったことがあるのは私だけではないはずです。
20:00以降の静けさに、どこか寂しい気持ちになったことってありませんか?
けれどもそんなとき、駅前を歩いていると聴こえてくるんです。あの歌が。陽気な陽気なあの歌が。
“昭和生~まれ~の 駅前中華~”
“お~いし~い お~いし~い 屋台のラーメン”
“連れてぇて 連れてぇて~ 末廣ラーメン♪”
あの音、あの光。
駅前での飲み会のあと、タクシーすら走っていない深夜。迷える子羊を救ってくれたのは、いつも末廣ラーメンでした。
というわけで今回は、
“『末廣ラーメン』:これだ、この味。これが秋田の醤油ラーメンだ”
こちらをお送りいたします。
この記事を読むことで、久しぶりに末廣ラーメンが食べたくなります。
「昔はよく行ってたなぁ」と懐かしんだり、「めっちゃネギ入れたなぁ」と若い頃に思い出すことができます。
忘れてしまったあの味を。
知りたかったこの味を。
本記事をとおして感じていただければと思います。
それでは、最後までゆっくりしていってくださいね。
昭和13年から始まった屋台のラーメン。中華そば、その味は?
京都駅前の屋台からはじまったのが、末廣ラーメンの祖である「新福菜館」です。
そして、歴史ある「新福菜館」直伝の味をベースに改良をかさね、東北民の舌に合わせたもの。
それが末廣ラーメンです。
券売機のいちばん上の項目は『中華そば』。
この『中華そば』こそが、ずっとずっと愛されてきた秋田の味です。
味は、色の分だけたしかに濃いです。
濃口醤油のツンと真っ直ぐなしょっぱさがあります。
ですが、タレに負けないくらいスープも強いんです。
野菜・豚・鶏をふんだんに使用したスープが黒いタレを受けとめています。
そしてもうひとつ。
ぜったいに忘れてはいけないのが『ネギ』です。
カウンターの上にあるラップのかかった丼。そこには小口切りにされた大量のネギが入っています。
“このネギが入れ放題”
むしろ、このネギをバカ盛りしてやっと『中華そば』。
ネギを盛ってようやく『中華そば』が完成するんです。
“濃いタレはスープとネギで受けとめる”
どうみても塩分過多に思われるスープがなぜか飲めてしまう。
それどころか、やたら美味い。
レンゲが止まらない。
麺を食べ終えてもまだネギが浮いている。
このネギとスープでいつまでもどこまでもいける。
底からから掬うとまだチャーシューの切れ端が残っている。
まだいける。
なんてやっている内に、スープは残りわずかとなっています。
そうして思うんです。
「やっぱうめぇわ」
秋田にはたくさんのラーメン屋があり、いつの間にか新しいところに人は流れていきます。
けど、原点はここ。末廣ラーメンなんです。
思い出したかのようにフラッと訪れて「やっぱりこれだわ」と納得して、また数年、いろんなラーメン屋にいきます。
そうしてまた、思い出したかのようにフラッと訪れて唸るんです。
「これだわ、これ。この味」
そうやって、いつまでも秋田県民の還る場所でいてくれるのが末廣ラーメンなんです。
ヤキメシも黒い。だが、それがいい。
ラーメン屋で忘れてはいけないのが、炒飯・ヤキメシですよね。
末廣ラーメンの場合はヤキメシ。
真っ黒い仕上がりの、ちょっとしっとりとしたヤキメシです。
「なぜあの色でこの味が出せるのか」
そんな疑問が湧くくらい、色の割に味が濃くありません。
私も自宅で再現しようとがんばってみましたが、同じ色を出そうとすれば食えたもんじゃないしょっぱさになります。
ようやく近い味に辿りついたのですが、仕上がりはベチャベチャ。
いったいどうすればあの味が出せるのか。
いまでも休日は試行錯誤を繰り返しています。
ただ、これだけは言えます。
“自宅でも食べたいほど、美味い”
ヤキメシもまた、秋田の味なんです。
まとめ:ラーメンの好みに迷ったら、末廣でチューニング
ちょっとした豆知識をもって、末廣ラーメンの店舗情報をまとめていきましょう。
★末廣ラーメン本舗 山王“本店”
- 住所:秋田市山王2-2-4 日興ビル1F
- 営業時間:AM9:30~AM3:00
- ※金・土のみ4:00or5:00まで
- 定休日:月曜
★末廣ラーメン本舗 秋田駅前“分店”
- 住所:秋田市中通4-15-1
- 営業時間:24時間
- ※スープ交換・清掃により一時閉店あり
- 定休日:月曜
逆だと思っていた方も多いのではないでしょうか。
山王が本店で、秋田駅前が分店となります。
いろんなラーメンを食べたあとの会話でありがちなのが、
「末廣とどっちがいい?」
という会話。
私だけかもしれませんが、特に醤油ラーメンを食べたあとに発生することが多かったりします。
「なんだかんだで末廣かな~」
なんて。
なにが『なんだかんだ』なのかわかりませんが、そんな解答をすることがあります。
そして、お酒を飲んだあとの物足りなさ。
「なにか物足りない」
その『なにか』を埋めるために、足は自然と末廣へ向きます。
特に冬。
寒空の下、白い息の向こう側にはかならずあります。
“昭和生まれの駅前中華”
忘年会・新年会。さまざまな理由で夜を歩く機会が増えるかと思います。
「寒いな」と感じたら、タクシーを捕まえる前に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
忘れていた味に気づくことができますよ。
それでは今回はこのへんで。
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